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10月23日 老人医療費削減に成功した村 〜長野県東御市 旧北御牧村〜
高齢化社会になって、今あらためて運動の大切さがクローズアップされています。
今年3月に報道ステーションで放送した、「医療、福祉、スポーツ」が結びついた村についてお伝えします。
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80歳を過ぎた女性の言葉です。
「毎週ここへくるのが楽しみなの」
72歳の男性です。
「調子いいよ、 具合いいですよ、ここにきていれば」
風呂上りで顔もつやつやの77歳の男性です。
「今、血圧もずっと良いしね。ここへ来るようになってから」
プールで元気にウォーキングをしたりアクアビクスをする人々。
最近ではどこでも見られる光景ですが、ここは単なるスポーツ施設ではありません。
老人医療費削減に成功した村
〜長野県東御市 旧北御牧村〜
増加の一途をたどる医療費。
国民健康保険は5年後1兆円もの歳入不足になると予想され、破綻寸前といわれています。
そんな中、この10年間で老人医療費を削減して、注目を浴びている村が長野県にありました。
上田から車で30分ほどのところにある人口5600人の東御市(とうみし)。
市町村合併する3年前までは北御牧村(きたみまきむら)と呼ばれていました。
大幅な老人医療費削減に成功した裏には、この施設の存在がありました。
宮嶋:
「右手にあるのがプールなどがあるスポーツ施設・温泉アクティブセンター
真ん中がデイサービスなどを行う福祉施設。そしてこちらが市営のみまき温泉診療所です。
スポーツ、福祉、医療、の3つがここにひとつになっているわけです。」
80歳の小林美代子さんは、ひざの具合が悪く、ここに通い始めました。
診療所では、日常生活でどのようにすればよいかアドバイスをうけ、みんなと一緒にリハビリテーションを行います。
さらにプールでの水中リハビリも30分行われます。
水の浮力の影響で、体が軽くなり、ひざや腰に負担をかけずに、様々な動きをすることができます。
小林:
「わたしはね、もう5年ぐらいきている。足が動かなかったの。膝関節症で。それでここへ来てリハビリやって動くようになったし、そしたらこう座れるようになったの。」
宮嶋:
「あら、今もう正座できますね。」
小林:
「プールも、このあったかいお湯もイイだよ。」「私、ここ命の恩人だと思っている。」
プールのとなりにある診療所では、久堀周治郎医師が日常の生活をおしゃべりすることから診察を始めます。
久堀医師:
「脚のほうどうなっているの。」
小林:
「脚治ったよ。」
久堀医師:
「ここの筋肉十分付いた?」
小林:
「だいぶ付いたみたいだ」
久堀医師:
「ああ本当だ。うらっかわな。」「立派なもんだ。年取ってな、ここまでよくなると思わなかった。」
小林:
「もう80だもんな。」笑い。
宮嶋:
「もしひざが治っていなかったらどうですか。」
小林:
「私寝たきりになっていたかもしれないな。私そういうふうに思ったもの。私寝たきりはいやだと思った。」
この診療所の考え方は人間の中にある自然治癒力を信じることを出発点にしています。
久堀医師:
「関節が弱くなったときに、痛み止めというよりは、まず生き物としての人間の基本的な動作をどういうふうに回復するか。」
温泉に入ってゆったりとすることが身体と心に及ぼす効果も大きなものです。
久堀医師:
「科学で説明できない表情の豊かさとか、そういうものは病気が治る時の免疫の出発点とも言われていますから。」
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