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身長
154cm
出身地
宮崎県
出身校
宮崎西高校→
慶応義塾大学総合政策学部
入社年月日
2002年4月1日
星座
獅子座

2016/4/29 がんばらんにゃ、しょーんなか!

祖母が住んでいて、私も毎年のように夏休みとお正月を過ごしてきた熊本。
『グッド!モーニング』のブログでも書きましたが、
先週末、被災した地域に取材で入りました。
今、自分にできることは「伝えること」しかないという結論に堂々巡りで辿りつく日々だったので、
番組から行ってほしいと言われた時はありがたく、
被災した皆さんにできる限り寄り添って、たくさん声を聞きたいという思いでいっぱいでした。

印象的だったのは、益城町の方も、西原村の方も、
お会いした方が「がんばらにゃ、しょーんなか。」とおっしゃっていたことです。
「がんばらないと、しょうがない」という意味です。
住宅が全壊、半壊になりながらも笑顔で前を向いていらっしゃいました。

でも中には、話を聞いているうちに涙がほろりと流れるご高齢の方もいらして、
気が張っていて、がんばろうと自分に言い聞かせながら、
不自由な生活を我慢して、無理をしているのを感じました。
今回の地震では、車を利用する方が多いのも特徴ですよね。
エコノミークラス症候群の心配がある一方で、
車があれば移動できるため、数日おきでも遠出して友人の家のお風呂を借りたり、少し栄養のあるものを分けてもらって食べたり…というメリットもあるようです。
ただ、車がない方やご高齢の方はそうもいかず、
1人になると落ち込んでしまうとおっしゃるご高齢の方もいました。


避難所に入らずに地域で助け合いながら倉庫で暮らす人も。

1人じゃないと思えること、地域の支えがあって全国からの応援があってつながっていると感じること、日々会話をすること、笑うこと…生きていく上で大切なことなのだと感じます。

子供たちも我慢しています。
「いま一番したいことは?」と聞いて回ると、
一番多かった答えが「勉強がしたい」でした。
そして次に多かった答えが「遊ぶ場所が欲しい」。
ある小学5年の男の子は、
「避難所ではあんまり遊んじゃいけないと思うんです。だって僕だって避難所にいると音で起きるから。だから、もっと迷惑をかけずに遊べる場所がほしい」と本音を話してくれました。
学校を再開してほしいけれど、
じゃあそこを避難所にしている方たちはどうなるのかというと、次の行先が決まりません。
益城町だけでも全壊もしくは半壊した家屋が、あわせて5000棟以上あると言われていて、家に戻れない人の多さを見ると、仮設住宅も含めた住まいを用意することが急務だと思います。
授業再開はゴールデンウィーク明けになるのでは…ということでしたが、
なるべく日常に近い生活が、すべての人に戻ってくることを願ってやみません。

ところで「避難所のお年寄りに笑顔になってほしいから」という理由で、
「ニコニコボランティア」なるものを始める小学生もいました。

自らも被災しているのですが、避難所となっている学校で水を配ったり、食べ物を届けたり、さらには「ニコボラ新聞」なるものを作って配ったり。
「普通の新聞は、悲しいニュースばかり書いてあるから暗くなってしまうじゃないですか。もっと元気になる話題を紹介したいと思って。」と始めたのが「ニコボラ新聞」。

「寄り添う」ってこういうことなのだなぁと気づかされます。
私たち『グッド!モーニング』も、その気持ちを忘れず、
被災した皆さんを支えられるようにお伝えしていきます。

帰り際、空港の売店で、地震の1週間前に熊本を訪れた際に声をかけてくださった店員の方にまたお会いできました。ホッとしました。
今回の取材で少しでも被災した皆さんの役に立ったのだろうかと自問しています。
ドラえもん募金は29日(金)が最終日。ご協力いただいた皆さん、ありがとうございます。きっと被災した方々の力になりますように。

ゴールデンウィーク、『グッド!モーニング』は通常どおり放送していますよ☆

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