――2週連続での出演というのは、スマステでは稀少ですが…。
いやホント、こんなの初めてだよね? でもね、大阪も面白かったし、こんなことでもないと、なかなか2週連続で出るなんてことは無いもんね。
――その大阪ですが、いちばん印象に残った場所はどこですか?
今回の放送分でいうと、大阪城以外はほとんど行ったことのない場所だったんだよね。だから、「こんなところがあったんだ」という驚きが強かったね。
――VTR中に「日本は自国の文化を残そうとしている」という外国人の方もいましたが、江守さん自身はどう思われますか?
一緒に回った外国人の人たちの中には「残そうとしている」という人と、「もっと残すべきだ」という人がいたんだけど、僕は残そうとする気運はだんだん出てきたと思うよ。だけど、もっと早くからってところもあるし…。ただ、これは難しいことなんだよね。日本が戦争に負けた時に「経済的に復興していこう」というほうへ目が行っちゃったんだよ。でも、それがある程度達成できたときに、ふと気づくと従来の文化が無くなっていて…。それも国民みんな働いている時はわからないしね、だからといって長い目で見て計画的にやろうとしたって、そう上手くはいかない。政治家たちも難しいところだったんだろうね。
――先日北京に行ったんですけど、いま古い町並みをどんどん壊そうとしているんですよ。
地元の人によると、6年後にはオリンピックもあるし、高層ビルを次々と建てて近代化を図っているそうなんです。結局そういうところなんだよね、難しいのは。「残せ、残せ」と言っても、「勝手なこと言って」ということになっちゃうでしょ。近代的なことも欲しいしね。中国は確か日本のいろんなものも残してたりする国なんだよね。それでも、そういう動きがあるわけだから。何でも「残せ」というのは簡単なんだよ。でも、それを壊すことで進歩することもある。ただ、もっと深刻な問題は新緑が無くなっていっていることなんだよね。今日もヨーロッパの大熱波が報じられたけど、僕が生きている間でも世界規模でどんどん変化が起きちゃうっていう…。これには人為的なことがかなり関係しているわけで、今後どこかで歯止めをかけないといけないよね。
――ビルの屋上に緑を植えるという動きも、出てきてはいますよね。
でも、大都会のそういう動きだけじゃ済まされないのが現状なんだよね。もっと長い目で、地球規模で僕たちの子孫がどうなっていくか考えないと。それこそ「地球を脱出して、他の惑星で暮らす」なんてSF映画みたいなことも、あながち非現実的なことではないかもしれないよね。今日あたりは、そういうことを随分考えちゃいますね。
――いろんなことが起っている今夏ですが、江守さん自身が計画されてることはありますか?
舞台「リチャード三世」が9月から始まるんですよ。だから、いまは稽古に没頭してて…。セリフはたくさんあるわ、立ち回りはあるわ、若い役者たちにも負けないようにしなきゃいけないわ、体調は整えなきゃいけないわ、大変でね。しかも、リチャード三世なんて大役だからね。この舞台が「今そこにある危機」…じゃない(笑)、「今そこにある仕事」として僕の中心にあるんだよね。
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