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香取編集長、稲垣吾郎さん、大下容子アナウンサーが訪れたのは、ロシアのシンボル「クレムリン」。特別な許可を得て、日本人として初めてその中枢部まで入ることを許された3人がそこで見たものとは…。 |
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ロシアの起源は古く、9世紀にまで遡ります。そんなロシアには多くの歴史的建造物が数々の戦争や革命を潜り抜け、残されているのです。中でもロシアを代表する建物といえば、このクレムリン。帝政ロシア時代にはこの場所が皇帝の住居ともなり、ソ連時代には全世界の社会主義国のシンボルとして君臨。アメリカのホワイトハウスと並んで、国際政治の中枢を担った場所――まさに、ロシアの歴史と文化の粋を集めたのが、このクレムリンなのです。
クレムリンとは元々、「城塞」という意味のロシア語。それが今ではモスクワにある、この建物を指すようになったそう。クレムリンは日本でいうところの総理官邸、迎賓館。されには皇居、明治神宮を全てひとつにしたような場所です。その歴史は古く、建設が始まったのは、800年以上前の1150年頃でした。ちなみに、クレムリンにある5つの塔につけられた「赤い星」は、ロシア革命20周年を記念して造られたもので、なんと、ウラル山中から切り出された、本物のルビーでできていると言われています。香取編集長、稲垣さん、大下アナの3人は、「赤の広場」や「兵器庫」、ロシアを代表する歴主的建造物が集まっている「寺院広場」などを見学。さらには日本人として初めて「大クレムリン宮殿」の「女王の間」にも足を踏み入れました。 |
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クレムリンの前に広がっているのが「赤の広場」。社会主義時代には軍事パレードで有名だったこの場所ですが、今となっては車両立ち入り禁止。ただの、広い広場となっています。ちなみにロシア語で「赤の広場」とは「クラスナヤプローシャチ」。これは美しい広場という意味も合わせ持っています。ちなみに、昨年5月、この赤の広場で外国人としては極めて異例であるコンサートを開いたのはポール・マッカートニー。実はビートルズが活躍した60年代~70年代、ソ連政府は西側諸国のロックを固く禁じており、当然ビートルズの歌を聞くことは禁止されていました。が、海賊版などを通じてビートルズはソ連でも大人気。ウラジーミル・プーチン大統領と、セルゲイ・イワノフ国防相も、KGB出身でありながら、ビートルズの隠れ大ファンだったため、このコンサートの開催に尽力したと言われています。
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「イワン雷帝の鐘楼」の反対側にあるのが「武器庫」。19世紀半ばに鎧や兵器を保管するために作られたものですが、今ではすっかり様変わりし、王冠やドレスなど、歴代ロシア皇帝が所有した宝物を展示する博物館となっています。歴代の皇帝がかぶった王冠「マノマーフの帽子」や女帝アンナの王冠、そして世界一大きなダイヤモンド、オルロフも展示されています。もはや値段のつけられないこうした宝物の数々は、かつてのロシア帝国が誇った、強大な力を示すものといえるでしょう。
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16世紀末に作られた「大砲の皇帝」は、口径89cmと、当時世界最大を誇りました。幸いにも一度も発砲されたことはありません。砲身の前に置いてある4個の弾丸も、19世紀、飾り用に作られたもの。 |
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寺院広場にはロシアを代表する歴史的建物がいくつも集まっています。「アルハンゲリスキー聖堂」は、歴代ロシア皇帝の骨が収められている、寺院広場でもひときわ際立つ美しい教会。その隣にそびえるのが、「イワン大帝の鐘楼」。1505年ごろ建てられたこの建物は、高さ86メートル。イワン雷帝の命によって、これ以上高い建物を作ることを禁じていたため、モスクワでは長い間、最も高い建物、といえばこの鐘楼でした。ちなみに一度も鳴らされたことの無い「鐘の皇帝」は、この鐘楼で使われる予定だった、という説もあります。そして、正面に美しいイコンが描かれているのが「ウスペンスキー大聖堂」。ここはロシア正教の本山であり、室内も1000人の手による様々なイコンで彩られています。ここにはナポレオン軍が撤退するときに盗み出した、300キロの金と5トンの銀を奪い返して作ったとされる、銀のシャンデリアが飾られ、美しい光を放っています。 |
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クレムリンの中でもひときわ美しい姿を見せているのが、700以上もの部屋を持つ「大クレムリン宮殿」。1812年、クレムリン宮殿が火事により焼失したため新たに建てられたもので、ロシア革命直前まで、皇帝がモスクワに滞在する折に使っていた城です。ロシア革命までその内部が一般に公開されることは無く、全貌が明らかにされたのは完成から100年近くが経過した、1920年になってから。それでも写真でしか内部は伝えられておらず、今もロシア政府の要人、各国の元首クラスしか立ち入ることができないという、まさにクレムリンの最深部とも言える場所なのです。シャンデリアは金、周りの壁もすべて大理石で出来ている「ウラジーミルホール」は、現在、ロシア大統領の就任式、各国の首脳会談などに使われている場所。「神聖の間」は、15世紀、イワン3世の時代に作られたこの宮殿で最も古いホールです。大宮殿のメインルーム「グラノビダヤの間」は、高さ9mもある天井に、神による天地創造の絵が、そして壁には、最後の審判とロシアの歴史が描かれています。香取編集長が日本人として初めて足を踏み入れた「女王の間」は、帝政ロシア時代、女王がVIPをもてなしたという部屋。しかし、いつ建設されたか定かでないなど、謎が多い場所でもあります。
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