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スタッフブログ

【無料公開】伝説のスタッフパーカー三年間のあゆみ | ガリベンガーVアパレル部

投稿日:2022年4月1日

こんにちは。超人女子戦士ガリベンガーV、ディレクターのイトウDです。

図書館司書・番組ディレクター
イトッポイド/イトウD

私立ガリベン大学の図書館司書であり、秘密組織ガリベンガーVのデザイン&技術担当。 専門はコミュニケーション社会学。自他ともに認める日本一働くバーチャル販売員でもある。いつも締め切りに追われている。

今回は、巷で噂の「ガリベンガーVのスタッフパーカー」とはなんぞやという話をいたします。番組スタッフ(私です)による本邦初公開のデザイン画と共に、今までの3年間の歩みを振り返ってみちゃおうという企画です。

 

こうやってネットでずらずら文字をいっぱい書くというスタイルは、もはやインターネット老人会的な懐かしい香りがいたします。昔はね、ブログの記事のことを「エントリ」なんて言ったもんですよ。みなさんもホッテントリ狙って夜な夜な書いたイベントレポで村人のけまらしさを煽ったりとか、リナカフェであったできごとを書いたりとかしませんでした?しない?そっか今は令和かあ……。

 

というわけで、このスタッフブログは基本的に

読みやすいように改行があって
画像がいっぱい入ってて
なんなら動画も入ってて
なるべく見やすく情報だけ書いてある

みたいなブログとはマジで真反対のトラディショナル・インターネット・パワー系記事でお送りします。私の英二への愛を「ざっくりいうと」とか「三行」とかでまとめられてたまるかよ……。

 

このサイトは、本来であれば私立ガリベン大学という番組ファンクラブ会員向けのサイトなのですが、4月の改編突破を記念して、この記事のみ限定で無料公開されています。つまり、この記事はマジのバーチャル文化狂いしかいない死滅回遊の結界内で展開されるはずだったものになりますので、「なんだこのコンテンツは、これが公式か?」と言いたい気持ちをグッとこらえ「まあそもそもインターネットってこういう謎コンテンツが見れるのがいいよね」みたいな気持ちで、同じ呪術師として共感していただきつつお楽しみいただければと思います。

 

今回、スタッフパーカーを振り返るにあたって、過去のバージョンをそれぞれ「ファースト」「セカンド」「サード」という名前をつけてみました。ビンテージのジージャンの呼び方じゃん。20年くらい後に古着屋で発掘されたときに「これはファーストの英二で、XXLだから身体のデカい制作スタッフのために作られたもの。もう球数の出ないデッドストックですよ」みたいなコメントがされるのかなみたいな気持ちです。ファーストの英二ってエヴァ初号機みたいですね。それでは参りましょう。

 

スタッフウェア誕生秘話

実はこのスタッフパーカーシリーズの前に、ピンク色のスタッフTシャツというモノがありました。この世に誕生したスタッフウェアとしては初のアイテム、いわゆる零号機になります。誕生したのは「超人女子戦士 ガリベンガーV 激突!スーパーヒロイン知能大戦」。イベント会場で支給された私も「マジでなんだこのピンク英二は」と驚愕したのを覚えています。ここから全てが始まった。

どこかから自然発生したTシャツ
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イベント会場では、普段の番組制作スタッフ数人以外にも、専門の音響さんや照明さん、テレ朝のえらい人やらいろんな事業部の方やらなんやらが一同に会するわけでして、まさに「ガリベンガーV関係者大集合」になります。毎週毎週テレビ番組を作っていると、意外と顔を合わせる機会はなかなか無いので新鮮。

 

で、そういったスタッフが一気に集合して、バックヤードをあちこち駆けずり回ると「誰が味方で誰がゲストなのか」がわからなくなります。しかし、巨大な小峠教官を身につけていれば、同じ英二の信仰のもと集った戦士ということが一目でわかり、フレンドリーファイアを防ぐことができるのです。会場に来たみなさんに合法的にサブリミナル英二も仕掛けられるし。ということで余りある利便性を言い訳に「100人強の関係者が英二を背負う」という狂気が常態化することになったのです。以上あらすじでした。

 

ということで零号機はイベント開催時期である夏に合わせて半袖Tシャツでしたが、筋肉&妖怪段進撃から連なる周年イベントは冬や春に開催されているため、ファースト・セカンド・サードは全て長袖のフードつきパーカーという形でリリースされています。

 

実は私はもともとファッションに関係するお仕事をやらせていただいておりまして、最近では「バーチャル×ファッション」といったアプローチで、業界の中でいろいろプロジェクトをやらせていただいております。

 

その中でもスタッフの制服というジャンルは、いろんな会社さん用につくった制作実績がある得意ジャンルです(メタバース系の会社さんやお金管理系の会社さん、ウェブ制作系の会社さんなどなど。私の個人名義の仕事です)。そういう文脈もあって「じゃあ、ガリベンガーVの制服を作るならどうなるだろう」という形でデザインしたのがきっかけでした。

 

ちなみにファースト・セカンド・サード全てが前開きのジップパーカーなのは、「被りだと演者さんのヘアメイクが崩れるかもだし by ロボ太郎」「シャツネクタイの上から上着として着やすいし by タツノP」という理由があります。ただ、そういった理由を押しのけて最も大きな理由がひとつ。それは「身体がデカくて入らない by 匿名希望」です。ここでいうデカいというのは縦にではなく横にデカいことを指します。

 

基本的にプリント用のボディというのは、XXLか、どんなに大きなサイズでも3XLぐらいまでしかありません。ただそれでも「入らない」というキャスティング担当スタッフの声が聞こえるため、「前を開いて腕に通しているだけなら、身幅の概念がなくなる。どんなにおなかが出ていても、これならいけるはずや」という意思決定の下、パーカーという形になっています。ちなみにそんなスタッフの着こなしは、3年間前開きっぱなし。フォルムがゆるキャラグランプリエントリー候補者なんだよな。

 

ファーストモデル

殿堂入りのファーストモデル
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まず最初にご紹介するのがファースト。ご存じの方も多いであろう人気モデルです。こちらはガリベンガーV1周年を記念して開催された「超人女子戦士 ガリベンガーV ヒロイン危機一髪!筋肉&妖怪大進撃!!」というイベントに合わせて作られた1着になります。

 

ボディの黄色は、ガリベンガーVのロゴにある黄色からチョイス。これは「コンセントひっこ抜いてやろうか」という小峠教官の名台詞から「電気で動く電脳戦士たち」という意味もひっかけています。ただ、ガリベンガーVのロゴをじっと見ると……小峠教官の顔が浮かんできます。ここでもう少しこらえて、静かに瞼を閉じると……聞こえてくるのは激しいギターの音。そう、パンクなんですね。ということでガリベンガーVのロゴには黄色とピンク。となると、まっさきに思い浮かぶのはUKパンクの雄、セックス・ピストルズの「勝手にしやがれ(原題:NEVER MIND THE BOLLOCKS)」。そうか、ガリベンガーVってパンクだったんだ!もちろんパンクは小峠教官の大切なルーツ。リーバイスさんとのコラボ企画の際にも、俺の人生といえばパンクなんだよな、ビビっちゃいけないんですよ、とおっしゃっていたほど。この英二のパンクマインドを一人でも多くの人に背負わせたい、絶対に強制的に信仰させたい……着た人が気付いたら最終的に英二になってしまうような呪いの一着が作りたい……という気持ちからデザインを練り始めました。

 

私は小峠教官の楽屋に行くときに、教官の私物の靴やズボン、上着がどのブランドのどのサイズかというのを舐めるように盗み見るという習性があります。これは、ガリベンガーV関連の企画の成果物を小峠教官に見せたとき、「なんか俺の好きな感じだな」とか「サイズ言ってないのにぴったりだな」とかだったらいいなという理由からです。婚約指輪をサプライズで渡すときのアレですね。そっちの方がきっと喜んでくれるだろうなという純粋な気持ち……。

 

ファーストの制作中、教官との思い出を反芻していると、私物で履いていたスリッポンがドクターマーチンとセックス・ピストルズのコラボのものだったことを思い出しました。また同時期にEIJI KOTOUGEの企画も走っていたということもあり、完全に気分はUK。これしかない!と思いつつ、せっかくだからもうちょっと掘りたいなという気持ちに。何かを制作するとき、一通り基準点となる「ザ」を勉強しないと気が済まないタイプのため、ラフを書く前に教官の着ていた服のブランドや車、ルーツとしてきたカルチャーを改めて一通りさらった上で(私も元々パンクは大好きでした。キラ☆○ラいいよね。鹿子ちゃんが一番好き)、UK〜ヨーロッパに強い古着屋さんに通い詰めてイメージを膨らませていきました。その当時、本当にそっち系の服(ジャミロクワイなBerghaus、カジュアルズノリのCP Company、今やみんな着てますがStone Islandとか)ばかり着ていました。教官はUKパンクもお好きなんですが、USももちろん大好き。パーカー、しかもプリントものというと、どちらかといえばUSのノリの方が相性がいい気もして、なるほどなるほどと。遠回りですけどこういうのが楽しかったりします。今さらですがなんかすごくガリベンガーVっぽいなこれ……。

 

ということで、海外の音楽レーベルが作る、ある意味ごちゃまぜで雑なんだけど愛があるマーチャンダイジング、みたいなノリを目指すコンセプトに。

デザイン画
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背面上部の文字は、ブリティッシュ・パンク的なラフさを出しつつ……実はアメリカのお店の前に置いてあるSidewalk Signの感じをひっかけています。アルファベットのカードを組み合わせて文字をつくる看板みたいなやつ。スタッフパーカーということで、いわゆる「ようこそいらっしゃいませ」という、視聴者の皆さんをお出迎えする気持ちも表現したいなと思い、このあしらいにしたんですが……デザインした当時はまだリアルイベントだと思ってたんです!パシフィコ横浜で!晴れの舞台!残念ながら遠隔イベントになってしまったんじゃが……。

 

背中にある大きなVはもちろんガリベンガーVのVから。真ん中に鎮座するのは我らが小峠教官。見てください、教官の頭のフォルムって本当に綺麗。デザインの収まりがよすぎる。教官が売れっ子タレントなのは、カメラ映りの良さというのも大きな理由のひとつだと思います。マジでタピオカかクレープか英二かってレベル。髪が無い(また髪の話してるAA略)のはもちろんなんですが、頭のフォルムが神。ジョジョ7部だったら英二の頭見ただけでジョニィが黄金の回転の爪弾打てる。

 

Vが大きく配置されているということもあり、基本的にはアド物の感じで中央ぞろえにしています。「everything for fun / since 17 JAN.2019」。1月17日というのはガリベンガーVの初回放送日。everything~ は、「楽しいことぜんぶ!」の意。この文言は、実はロボ太朗のリクエストから。何かちょっと入れたいんですけど、大事にしてることとかってありますか?と聞いたら帰ってきた一言。ガリベンガーVのコアコンセプトですね。遊びと学び、ガリベンガーVではどちらも同じ楽しいこととして扱われます。勉強だけが学びじゃない。そして、遊びだけが楽しいことじゃない。大人になって気付く人生の秘訣です。

 

フロントには「Minions of the Animations」。そう、最初のイベントで小峠教官が最初に叫んだセリフ「はしゃいでんじゃねえよ!このアニメーションの手下共!」からです。

 

ご時勢的にリアルイベントが中止となり、大量に背負われた教官という光景をパシフィコ横浜でお見せできなかったってのは非常に悔やまれるのですが、リモートイベントでもこのパーカーはかなり目立ちまして、いわゆる殺陣シーンのスタントマンさんや、ボディビル軍団のみなさんなど、たくさんの方が着てくださり、「緊急事態宣言に負けない!」という一致団結感が出たのを覚えています。

 

スタジオを急遽横浜から六本木に映して実施したドタバタでしたが、おそろいのパーカーを着て、フロアがすごく華やかになって良かった、とほっとしました。全員が同じ服を着てるとちょっとアガるというか、文化祭っぽい感じがあって、完全に味をしめた感じがしますね。

 

もちろん小峠教官には完全に事後承諾で作りました。

ファンクラブの会員特典アイテムに
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ちなみにこんなにもぶ厚く解説をした理由は、何を隠そう、このパーカーはみなさんも手に入れることが可能だからです。

 

番組ファンクラブ「私立ガリベン大学」に入会し、単位ポイントを溜めてください。初回入会で10ポイント、毎月の会員継続で毎月5ポイント、おたより採用で1ポイント、などを重ねていくと溜めていくと、必ずパーカーがゲットできます(ちなみに、現在100~150ポイント溜めた方もそこそこいらっしゃいます)。

 

ちなみにポイントは春のパン祭り的な消費型ではなく累計なので、200ポイント溜まった人は、左から右までの5つのグッズ全てをゲットできる計算になります。

 

ガリ大は「番組を一緒に作る」「いっしょに学びと遊びを深める」という、ガリベンガーVを応援してくださるみなさんのためのシステムなので、スタッフからのプレゼントだとお考えください。みんなで盛り上がりたいというピュアな気持ちです。ぜひゲットしてください!

そんなガリ大の会員登録はこちらから!

ちなみに会員になっていると、この図書館ブログのコンテンツ全てが読めます。会員じゃないと無料記事以外はログイン画面が出てきて読めません。読んでほしいな〜。

 

セカンドモデル

後に本物の男の証となるセカンドモデル
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撮影:講師クリエイター はいぬっか先生

続きましてセカンドの解説です。イベントは2周年記念の「みんなのおかげで2周年!ガリベンガーV大感謝祭 VTuberぜんぶ推しSP」。六本木のEXシアターで行われる予定が、急遽5日前にリモートイベントに変更になった伝説のイベント。

イベント本番3日前のアナウンス
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今となっては懐かしい、歯を食いしばりながらタイピングしたツイートお知らせ

このイベントはマジでヤバかったです(結果最高のイベントになったのでよかった)。観客動員中止決定からの怒涛の5日間については24時間生配信のときお話した裏話をぜひ聞いていただきつつ、今回はまだどこにも話してない裏話をちょっとだけ。

 

実はこのイベント、番組ファンクラブであるガリ大が2019年12月中旬にオープンした後、はじめて開催されるイベント……ということで、この日はいわゆる「ガリベンガーVのコンセプトを形にすべく発足した一大プロジェクトであるガリ大を、より多くの人に直接お伝えできる日」だったのです。今でこそガリ大は1周年+4か月を迎え、ガリベンガーVに無くてはならない存在となりましたが、当時はまだ手探りの状態(特別ゼミも今の形になる前でしたね)。

 

ということで、実はイベント会場であるEXタワーを会場に、けっこう大がかりな展示を建設予定でした。私自身も会場の下見に何度も足を運び、「ここの場所は絶対欲しいので待機列はあっち経由でお願いします」的な打ち合わせを繰り返しつつ、手元で展示のデザインを作りまくる日々。

 

展示テーマは「オープンキャンパス」。まさに本当の大学のオープンキャンパスが如く(ガリベンガーVは本当の大学じゃが…?)、「入学者募集中!」と書かれたのぼりを何本も立て、ニロクの長机を置き、パイプ椅子を置き、会場に来てくださったみなさまにスタッフから入学パンフレットを手渡しで配る……という、「あれ?ライブイベントに来たと思ったらなんか大学に来ちゃったんだけど?」というサプライズ体験展示というのをギリギリまで準備していたのです。

 

オープンキャンパスなら授業の紹介とかするよね、ということで、今までガリベンガーVで行われてきたような名場面や、今までのスペシャル企画で描かれてきたたくさんのイラストを全部印刷して、あらゆるところに展示する予定でした。EXシアターは2階バルコニーの待機列、1階物販エリア、B1階席、B2階席、と階層がある豪華な会場なのですが、そこの廊下の壁ぜんぶに展示を大量に展開する想定だったのです。EXシアターというライブ会場を大学の校舎に見立て、イベントのステージを大教室の黒板にする、といったイメージ。だからこそ、「入学パンフレット」というのがすごく大事なアイテムでした。いわゆる謎解きイベントの特典パンフレット的、ディズニーランドのキャラクターの耳カチューシャ的なポジション。あれがあるからこそ世界観の一員として没入できる、体験のキーアイテムとして制作していました。だからこそパンフレットの中身は、表紙から中身まで超気合を入れて徹頭徹尾「本物の大学かのように」作ってあったんです。あれを見ながら、2階から入ったら地図が印刷してあって、1階に下りて生協があって、地下に入ったらポスター発表が廊下に大量に貼ってあって……みたいな。最初から最後まで本気でやるからこそ笑いになるという、ガリベンガーVの得意技ですね。このパンフレットはBOOTHで発売開始した3周年記念本セットについてくるので、ぜひゲットしてほしいです。観客動員中止になっちゃったんですけどね!!

 

そして、このような体験を形作るピースの一部としてデザインされたのが、このセカンドモデルのパーカー。テーマはズバリ「私立ガリベン大学の職員」。ボディカラーはもちろんガリベンガーVロゴのメインカラーである青。

デザイン画
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講師クリエイターの手による、ガリ大を象徴するガリベンガーVのエンブレムロゴを背中に大きく背負わせ、積み重ねてきた歴史を表現するためにあえて古めのセリフフォントを配置しています。これは、走り回るスタッフたちを大学の職員アクターとして機能させ、来場者に「大学じゃん」と感じてもらうトリガーとしてという意図がありました。

 

そしてこのセカンドだけ、前面プリントが片胸だけになっています。実はこれ、いわゆるタツノP、コンPといった歩き回る系のネームドスタッフには、会場で胸元に名札をつけてもらうという目論見があったのです。何故名札をつけたかったのかといえば、もちろん「学校感」の演出のため……なのですが、それだけではなく、大学のキャンパスを歩いていたら教授を見つけてちょっかいをかけるといった、リアルのキャンパスライフにあるようなコミュニケーションの機会を作りたかったからです。視聴者のみなさんの顔を見て、直接感想をお聞きすることができる機会は、テレビを作っているとほとんど経験できません。過去に行ったリアルイベントのその体験が衝撃的で、かつ学びが多かったため、ぜひスタッフからもお声がけをしたい、感謝を伝えたい、という気持ちが制作スタッフ全員にあったための仕掛けでした。ただ残念ながら本当にギリギリで観客動員が中止になってしまい……オツイAPがこのパーカーを着て、大量のパンフレットをドナドナするという涙なしには見られない名場面が生まれてしまったのです(くやしいので後日私のパーカーには、自分でitopoidと名前を刺繍しました)。

 

そのためスタッフ的には、ちょっと悔しい思い出がいっぱい詰まったこの青いパーカー。

 

しかし、このパーカーに腕を通し、大きな背中でエンブレムを背負い、天高く上り詰めた一人の男がいます。

 

そう、ガリ大広報室室長こと漫才コンビ「錦鯉」の渡辺隆さんです。

本物の男 渡辺隆
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錦鯉渡辺のVTuber広報室(ゲスト:大空スバル)【2022/1/28】より

ガリ大では毎月1回、ガリベンガーVだからこそできるフラットな視点からVTuberの魅力を世の中に広く伝えるべく、渡辺さんに広報室の室長に就任していただき、「錦鯉渡辺のVTuber広報室」というスペシャル配信番組をネットで展開させていただいております。実際に番組を見ていただければ渡辺室長がVTuber好きの「本物の男」ということは秒でわかるので、解説はここでは割愛させていただきつつ。私もVTuberをずっと見てきていますが、ワンチャンそれよりも詳しい。室長とやり合えるのは山上先生くらいなのでは?

 

その渡辺室長が、2022年のM-1グランプリの決勝に進出されるということで、番組中にサプライズでスタッフからお守りをプレゼントさせていただき、当日はスタッフ一同テレビの前でガチ応援体制。

 

そうしたら……どこかで見たことのある青いパーカーを渡辺室長が着て、M-1の会場にいる姿がカメラに!衝撃のまま決勝へ。

 

結果は皆さんご存知の通り。感動と狂乱の中、一晩中いろいろな番組に出演ラッシュをされた室長が朝、テレ朝から出るときに……着ているのは青いパーカー

 

1日中着てるじゃん……。

 

実力で優勝を勝ち取り、ガリベンガーVのエンブレムを背負ってメディア行脚。本当にVTuber広報室の室長って、すごい。そう思いました。この世で考えられる限り最強の広報ムーブすぎて、かっこよすぎてくらくらしました。

 

もちろん、錦鯉のおふたりが優勝された瞬間は私も泣いちゃったのですが、後日、その興奮が落ち着いたタイミングでふと冷静に考えると、本当に渡辺さんがVTuberの広報のトップで良かったというか……やっぱり、なんだか運命的なものを感じてしまって、また目頭が熱くなりました。VTuberをこんなに好きで応援してくれる人がいるんだ、ということが嬉しくて胸に来ます。もちろん応援してくれる人というのは、他でもない渡辺室長のことです。

 

そんなリスペクトをもって、渡辺室長の飛ぶ鳥を落とす勢いのご活躍(トークサバイバーマジでおもしろかったですよね)を見てたら、相席食堂で壇蜜さんにパーカー奪われそうになってマジで声出して笑いました。下着とトレードを持ちかけられて揺らぐ室長の男っぷりにあっぱれ。

 

そんな室長なんですが、実はこの間の配信の前に、エンブレムがフロントにプリントされたSTUDENT UNIONのパーカーをプレゼントしたんですね。みなさんに販売したカラーではなく、この世に3枚くらいしかないサンプル生産用の激レアバージョンのやつ。それを、タツノPに「これ渡辺さんにお渡しください、荷物になっちゃうので本番前の楽屋でお渡しした方がよさそうですし」とお願いして持っていってもらったんです。

 

そしたら本番10分前に早速そのパーカーを上から着てスタジオに上がっていらっしゃって、行動がマジで早すぎるとみんなでゲラゲラ笑って本番を迎えました。結局そのまま3時間ほど配信にご出演くださって。本当にありがたいなと。

 

セカンドモデルは、ガリベンガーVという番組がいかに皆さんに愛していただいているかということを感じた、運命的な1着になったなと思います。

 

サードモデル

集大成としてのサードモデル
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最後にこちら。みなさんの記憶に新しい最新モデルとなります。きっかけになったイベントは「3rd Anniversary ガリベンガーV 超感謝祭 ~英二と君と僕の未来~」。

 

このモデルに関しては、個人的に温故知新・心機一転、という気持ちでデザインしました。

 

ありがたいことにガリベンガーVも3周年を迎え、絶好調で4年目を爆進中……なのですが、あらゆる新規事業やプロジェクトにおいて、普通であれば立ち上げから3年も経つと、「やれることは大体やった」「だんだんマンネリ化してる気がする」「このままだらだら継続することもできるけど、どうしよう」という雰囲気が出てきます(これはテレビ番組に関わらず、世の中一般の共通の話です)。3年経ったというのは、そういう一区切りのタイミングなんですね。

 

そんなことを考えながら3周年のイベントの準備をしていて、スタッフパーカーという小さなピースではありますが、改めて既存の延長線上ではないものを作るべきだなと考えました。そこでぶつかった命題が「そもそもガリベンガーVって何」というものです。

 

番組のスタートが超ドタバタだった話は以前にもさせていただきましたが、ガリベンガーVは、最初から全て設計して、地図を描いて、意図通りに進化してきたか、というわけではぜんぜんありません。ガリベンガーVという名前もロゴもそんな感じでこの世に生まれました。ゴールが明確にあるわけではなく、スタッフが背中を丸めてパソコンを目の前にして早朝4時5時にあーでもないこーでもないとやっている、みたいな世界観で今までやってきています。しかもそれを、視聴者のみなさんと一緒になって作ってここまでやってきた。だからこそ、そんな偶然の産物としてのガリベンガーVというという名前を改めて大きなテーマにしたいな、と考えました。そこで一度、この番組ロゴを一旦全てぶっ壊してリミックス的に再構築し、その様子をビジュアルに起こすことで番組の過去と未来を表現しようかな……と思ったんですが、いや待てよと。ガリベンガーVとは?と言われると、その答えは「小峠英二」なのでは……?再構築するなら、英二なのでは……?ということにふと気付きました。ちなみに再構築というのはぶっ壊してバラバラにしてもう一度作り直す的な意味のことばです。この時点で既に教官を人間扱いしていないことがわかります。

 

ここで急に、小峠教官について最近私が考えたことを早口で話しますね。

 

ガリベンガーVと同じ制作チームが作っている「電脳ワールドワイ動ショー」という番組があるのですが、そこで小峠教官とがスタジオで共演させていただいてはや半年。マジのぶっつけトーク番組で恐れ多くもひな壇に座っている(空中に浮いていますが)なかで最近よく思うことがあります。それは、小峠英二という男は本当に特殊な存在で、生まれながらに愛される人というか、そういう星のもとに生まれてきた男なんだろうなということ。普通の人間ではない(もちろんいい意味で)。なんで普通じゃないかというと、「小峠英二に対するイメージ」って、パッと一言で言えないところにあると思うんです。○○な人、みたいなのが言いづらい。彼はたぶん、いろんな人の頭の中で解釈されて、共通のイメージとしてふわっとある、想像力の化身みたいなものなんじゃないかなと(ついに教官を形而上の存在にしました。今日はもう止まらねえぞ)。小峠教官という男のパーソナリティには、実は強めの癖・個性・偏り・どうしてもこうなってしまう力学、みたいなものは、実はあまりない気がするんです。トークというフィールドで彼を見ると、つるっとしていて、意外ととっかかりがない。でも、その顔が視界に入ると、人をなんか幸せな気持ちにする癒し系の効果は確かにある。もちろんそのフォルムの問題もあるんですけれども(初見であれば99%くらいフォルムの印象に全てを持っていかれるのですが、そういうところも含めて)、この在り方こそ「キャラクター」ではないか、と最近思うんです。いろんな人の想像力が集まってできた妖怪みたいな存在、という意味のキャラクターです(さっきから本当に人間扱いしていない)。「家鳴」という妖怪がいますが、これは家の立てつけが悪かったり水漏れしたりで「ミシッ……」って音がなるのを、「すわ妖怪のしわざじゃ」と誰かが言い出し、その想像力をみんなで共有して生まれた、と考えられています。そういった妖怪のように、想像力によって生まれる存在がキャラクター。小峠教官は、彼の元来持つ自分をキャラクターとして認識させる才能と、ガリベンガーVという「アニメーションのキャラクターどもがいる空間」の相乗効果によって、みんなの頭の中で共有されるキャラクターとしての存在を強めてきたんじゃないか、と思ったんですね。だからこそガリベンガーVの「小峠教官」は、それくらい他の番組にいるときの「小峠英二」の感じとやや違う、妖怪として一歩進化した存在なんじゃないかと。やべえ結論が妖怪になってしまった。マジで河童じゃん

 

長くなりましたが、ガリベンガーVを表現するビジュアルを作るなら、そんな「みんなの小峠教官」を表現したいなと思いました。そのため、小峠英二という人間のありのままの姿というよりは、ガリベンガーVと共に歩み、みんなのイメージの断片によって構成された「小峠教官」という存在を表現したい。VTuberというキャラクター(ここではあえて、強く、キャラクターと表現します)が多数登場する前代未聞の教育バラエティ番組であるガリベンガーVは、そういう「イメージの断片」を合わせて作られているのではないか、と。

 

これは非常に繊細な成り立ちで、吹けば飛ぶような在り方です。けれど、小峠教官というキャラクター、そしてVTuberというキャラクター、そんなみんなに愛される、イメージの集合体であるキャラクターたちがあの教室に一同に集合することで、愛というパワーであの空間はギリギリ成立している。それがガリベンガーVという「ここではないどこか」を成立させている正体なんじゃないかと私は思うのです。

 

みんなの想像力が小峠教官と、ガリベンガーVを作っている。

 

それを表現したいなー、ということを考えました。いや入稿〆切まで4時間くらいしか無くてそんなコンセプト練ってる場合じゃないはずなんですけどね。

 

ということで「断片によって構成される小峠教官」をやりたいな、というシンプルなテーマが決まりました。ここで普通にコラージュアートをやってもよかったんですが、ベタにやってしまうと卒業アルバムっぽくなってしまうなと。10年後の8月にまた会おうな……英二、みーつけた!みたいな感じになるとsecret baseが流れ始めてしまうので(それはそれで見たい)、ここで改めて一息ついて、せやこれスタッフパーカーやんけ、スタッフが着るものやしそこの意味もひっかけたいな、と思いました。

 

ここで頭に浮かんだのが、教官がおっしゃっていた「電源引っこ抜いてやろうか」とか「パソコンがないと動けないだろお前ら」といった名セリフです。バーチャルな存在は電気と、ディスプレイと不可分です。そもそもインターネットからはじまったVTuberカルチャーということはもちろん、何を隠そうガリベンガーVという番組も「画面」上で流れている。つまり、ガリベンガーVは徹底的にオンスクリーンの想像力で構成されている、ということになります。

 

そういうことを考えていると、ロボ太郎と精神と時の部屋みたいなカンヅメ部屋にある大きな曲面ディスプレイに小峠教官の写真を大量に並べて、どの英二を宣材としてサムネイルにするのか、一番輝いている頭が映っている画像はどれなのかというのを、あーでもないこーでもないと選んでいた深夜3時を思い出しました。笑っちゃうようなエピソードなんですが、この作業って実は大事な基本で、映像を作るときは「いろんなアングルで撮影したカメラから、その瞬間一番魅力的で、みんなが楽しくなるカットを選ぶ」という作業が何よりも大事だったりします。大量のデータから選んで、組み合わせて、つなぐ、というのは、テレビの本質なんです。

 

となると、もう「たくさんのデータが小峠英二になる」という、電子の妖怪を作るしかないなという結論になりました。英二は妖怪や。

 

おまたせしました。コンセプトメイキングは完了です。あとはもう繋ぐだけ。フラットなデザインでウインドウを重ねることが容易に想像がついたため、ボディカラーは白をチョイス。濃い色にインクジェットできれいに白を印刷するのは難しいので、いさぎよく白です。アニメーションの手下どもにふさわしい、白衣的な感じにもなっていいんじゃないかなと。

 

ガリベンガーVというタイトルを大きく使いたいという一番最初のコンセプトもあったので、「みんなで作り上げたガリベンガーVである小峠英二」を表現するためにWIP的なニュアンスを出したく、あえていわゆるトンボと言われる印刷ガイドをデザインに残しました。番組を形作るロゴのベクターデータ、というイメージです。

 

そこからもう気合いです。小峠教官の顔を切り刻み、頭や目、鼻、ほうれい線など、いちばん魅力的に映る組み合わせはないかを30通りほど作り、一番いい刻み英二を選びます。

 

そうしてできたデザインがこちら。

デザイン画
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このウィンドウに写っている背景は、ガリベンガーVの化身たる小峠教官にゆかりのある写真を配置しています。反時計回りに見ていきましょう。

 

最上部のEijiKotouge_head_top.jpgの背景は、番組オープニング映像で「ガリベンガーV」のタイトルが出てくる宇宙&惑星のシーン背景から。頭のアールとシンクロしてます。

左上のEijiKotouge_head_R.jpgは右脳。ということでやわらかあたまを鍛えるガリベンガーの教室の生徒机です。時計の針はいつも4時6分やんけのやつ。

EijiKotouge_ear_R.jpg。ガリ大配信の頭に鳴るのはチャイム、ということで右耳にはキャンパスのメインビジュアルを。

EijiKotouge_cheek_R.jpg。これ、実は小峠教官をお通しする畳のこあがり付き楽屋です。楽屋ではいろいろな企画が生まれたので。ファッションブランドを立ち上げたり、新聞に取り上げられたり、インタビューをしたり、パンツ一丁になっていただいたり、それを一眼レフで撮影したり……。

EijiKotouge_smile.jpg。後ろにさりげなく見えているのは、ガリベンガーの教室の標語張り紙「さしすせそ」のさ。「さわやかな挨拶」と書かれています。我ながら誰が気付くんじゃこんなん。小峠教官の笑顔は、見ているこっちまでつられて笑ってしまう魔力があります。ガリベンガーVの現場ではよく見ますが、こんなに純粋な小峠教官の笑顔って実は超レアらしいです。なんだかこっちまでうれしくなっちゃいますね。あっ、これが魔力か。

EijiKotouge_chin_L.jpg。教官があごを思いっきり開いて叫ぶのはいつものここ。教卓と教官机です。

EijiKotouge_eye_L.jpg。夕方になっていつも見ている教室の風景も変わる、ということで放課後の教室です。放課後トークなど、番組初期のYouTube企画で登場している思い出の風景です。

EijiKotouge_head_L.jpg。小峠教官の脳内の半分以上はPUNK、パンクです。このPUNKは、EIJI KOTOUGEの集大成とも言えるリーバイスとのコラボ企画で完成した小峠教官シグネチャーモデルのジーンズに入っている刺繍の写真です。

以上が断片と化した英二の解説になります。

 

ちなみに右上にあるのはGBGUniv_logo.pngで私立ガリベン大学のロゴ、左下にあるのはbland_EK_logo.pngでファッションブランドEIJI KOTOUGEのロゴです。

右下にあるフォルダの名前は#01_since_2019/01/17。番組の初回放送の放送日が2019年1月17日。このフォルダから全てがはじまった、というイメージですね。

そしてフロントの右サイドにはstaff.app。VマークはもちろんガリベンガーVのVから。スタッフを、「クリックしてアプリを起動すると起動するプログラム」というイメージ。我ながら本当に人間を機械化するのが好きですね。普通の服のデザインなら、ワンポイント的に小さいサイズで配置するのですが、今回は前日のオールナイト配信であったり同時実況であったり、着た人がカメラに映る機会も多い想定だったので、わざと大きめにしています。

 

ということで小ネタ解説でした。3周年の区切り(しかも我が一族悲願のリアルイベント!)のガリベンガーVとして、集大成的な1着を作れてほっとしています。意外ですが小峠教官の実写写真を大きくプリントするというのはなかなかないことなので(当たり前である)、反響も良く、我らがアニキや広報室室長、相方の瑞樹ちゃんにもおもしろがってくださってほっとしています。小峠教官の生首を100人以上が背負うという世界線を現実にできてよかったです。

 

そんな中、何よりも一番嬉しかったのが、イベントの後半戦の冒頭で、教官がステージ上で「俺の顔が印刷されたやつをみんなが着ているが、あれは俺の許可を取っていないから、海賊版(ブート品)だぞ」みたいなことを言ってくださったことです。そうだよ(そうだぞ)

 

ということで3年のスタッフパーカーの歩みを振り返ってみました。ここまで読んでくださった方は相当ガリベンガーVが好きなんだろうなとしみじみ思います。1万5000字あるじゃんこれ。

 

振り返ってみれば、ファースト・セカンド・サードモデルのパーカーそれぞれにカッ飛んだエピソードが詰まっています。これも小峠教官の魔力のなせる技ですね。ぜひみなさんも袖を通す機会があれば、その魔力を感じてみてほしいです。

 

ガリベンガーVは出演者、作り手、視聴者と、たくさんの人に愛されて成立している奇跡みたいな番組だと思います。

 

VTuber、バーチャルという文化をみんなで楽しめればいいなと、何を隠そう私も番組ファンの1人として思っておりますので、ぜひ皆さん、引き続きいっしょに、ガリベンガーVを応援していきましょう。

 

せっかくのキャンパスライフです。いろんな物を作ったり遊んだり、いっしょに楽しいことを全部やっちゃいましょう。それではまた図書館で!イトウDでした。

 

ガリベンガーV アパレル部
poido_1_ファッション部レポ_blog-01
コメント
運が良いだけのマグレ野郎

ものすごい長文なのにスルスルと読めてしまいました! 僕の脳内でイマジナリー・イトウ司書が早口で読み上げる声さえ聞こえてくるほどです…… 様々な想いが込められたスタッフパーカー、是非とも200単位ポイントを集めて私もゲットしてみせますぞ!!

2022-04-01 17:39:01
Brandonhib

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2024-04-20 12:11:23
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2021.04.15 THU
19:15:59
GARIBEN-UNIVERSITY TIMELINE