2010年02月07日 09:30
イタリアのトリノに来て1週間が経ちました。到着してすぐにブリテンのオペラ「ピーター・グライムス」の本番に向けて稽古開始です。僕にとっては初めてのイタリアでのオペラプロダクションですので、ワクワクしているのと同時に、大変難しいオペラなので、プレッシャーは大きいのですけれど、それを越えるには毎日こつこつ勉強する以外に方法はなく、いつも思っていることですが、こうして大きなプレッシャーを感じられるということは、ある意味とても幸せなことだと思います。

嬉しいことに、トリノに来て良いことばかり続いています。最初にこの街に来たのは、もう10年ほど前のことですが、寒くて、暗くて、地味で…。それまでローマやミラノでの仕事が多かったので、正直ちょっと退屈な街でした。でも、頻繁にこの街で演奏会をするようになって、僕にとっては、どんどん魅力が増して来ています。今回起きた良いことの一つは、借りたアパートが広くて凄くお洒落!リビングだけでも測ってみたら、僕の歩幅で17歩ありました。そして天井は4メートルほどでしょうか。家に帰る度に素晴らしい空間に住めることに溜息が出ます。それに置いてある家具がまたお洒落なのです。古い家の作りを大事にし、とてもモダンな家具が置いてあって、イタリア人の素晴らしい美に対するセンスを感じます。このアパートを設計したのがここのオーナー。設計事務所をされていて、同じ建物の一階に住んでらっしゃるのですが、彼のアシスタントをしている女の子が、これまた面白いことに物凄いクラシックファンで、トリノの劇場でこれから「ピーター・グライムス」を指揮する僕のこともよく知ってくれていて、話が弾みました。「素晴らしい建物ですね」と声をかけたら、「日本には安藤忠雄さんという素晴らしい設計家がいますね」と言いだしてきて、「僕は神戸で、彼の作ったマンションに住んでいるんだよ!」等など、どんどん話が展開していくのでした。トリノでの良いこと、まだまだありますから、この先このブログで3月の初めまで連載していきたいと思います。

 

さて今回はこの番組でもすっかりお馴染、強烈な個性を発揮してくれている「クレーマー・ちさこ教授」の登場です。前にも書いた気がしますが、ちさちゃん、本当は物凄くいい人です!僕と彼女は面白い縁があって、札幌で今も毎夏行われているPMF音楽祭に、最初彼女はオーディションを受けにきたのです。僕は当時、この音楽祭のレジデントコンダクターで、もちろん彼女は優秀な成績でオーディションにパスし、その年オーケストラのコンサートミストレスも務めました。でも、ちさちゃんにしてみると、緊張してヴァイオリンのオーディションを受けた、若いころの姿を僕によく知られているわけで、今週の収録でも、<ユーモレスク>を演奏してくれたのですが、僕の前でヴァイオリンを弾くことを物凄くいやがっています。イメージとしては「どこからでも、かかっていらっしゃ~い!」っていう感じですけれど、とても繊細で、優しく、頭のいい人なのですよ!まあ、買い物好きなところは、昔も今も変わっていないようですが(笑)
 
視聴者からのコメント
2010年02月11日 23:52
Miyabi

作曲家それぞれの人生とさらに一つ一つの作品にドラマがあるということを知ると、作品を聴く楽しみが何倍にも膨らみますね。
高嶋ちさ子教授、加羽沢美濃助手のコンサートを、何度か聴きに行きましたが、いつも楽しい内容でクラシックの敷居を低くして頂きました。
こんな楽しい「題名のない音楽大学」でもっと学びた~い♪
佐渡さんはこの大学の学長といったところでしょうか?トリノからの学長レポートお待ちしています。

2010年02月08日 12:44
ヴォルフガンゴ

とても面白かったです♪作曲家の素顔や私生活、家族の事を知ると、また違った感じで曲が聴けると思います。
モーツァルティアンの私としては、もうちょっとしっかりした奥さんをモーツァルトがもらっていれば、もっとたくさんの貴重な楽譜や書簡が遺されていたり、モーツァルトのお墓だって遺骨とともに立派に建ててもらえたんじゃないかと思ってしまいますが、モーツァルトは大変愛妻家だったそうですので、それは余計なお世話というものなのでしょう。悪妻あっての天才音楽家・・・凡人から見ると非常に面白いですね。

2010年02月08日 10:47
K.Matz.

emiemiちゃん、いつも応援してますよ!! 蘭ちゃんも好きです、頑張って!!

2010年02月07日 21:59
柚子Soda

すごく面白かったです!私も旦那の為に悪妻になろうと思います…作曲家ではありませんが…高嶋ちさ子さん題名でもバラエティーでも面白過ぎてバイオリニストってすっかり忘れてました!なので演奏が聞けて感動しました!!素敵です!又 題名で演奏して下さい!!
しかし…魔王…本当に怖かったです…

2010年02月07日 21:08
サドラー2号

クレーマー・ちさこ教授、最高です!
ぜひともまた登場していただきたいです。
高嶋ちさ子さんといえば、かなり以前佐渡さん指揮のとあるコンサートで、恒例の客席飛び入りのアンコール曲のステージにヴァイオリンを構えて乗っておられて、プロのヴァイオリニストがなんで!?と驚いたことがありましたが・・・。お若い頃からのお知り合いという事情を思い出して妙に納得したことがありました。素人のお客さんにまじってステージに上がるなんて、茶目っ気もある方なんだなあ~と思ったものです。まさか、ここまでやってくださるとは思ってませんでしたが。
それにしても、面白いキャラが続々登場で番組の幅もぐっと広がった気がします。これからも、楽しい番組を期待しています。

2010年02月07日 19:54
40年来のファン

法則1: 不倫といえば、シェーンベルクの
かみさんも。ダンナの不倫もあるようで。
法則2: 呪いといば、むしろ、9番では。第九をかくと、死に
直面する。あるいは、避ける。
法則3:「10代で最高傑作を書くと早死にする」最高傑作となると、そうゆうこと
でしょうか。
法則4: プーランクもそのようで。ブラームス場合、必ずしも最晩年ではないようです
ね。ドビィッシー、オネゲル、ストラビンスキーも作曲しているようですが、免れて
いるようで。いずれにしても、クラリネット作品って、すくないですね。
法則5:「執念深い作曲家はモテない」 ブラームスは、クララですよね。ふられた
わけではないのでは。ブルックナーの作曲年数がながいのは、クレームが多かった
からでは。クレーマー・ちさ子教授がクレームいれたんでは。ブラームスも目の敵
にしたようで。何稿もあるので混乱しますね。ハース稿がいいと思ってます。
60歳の頃、求婚してふられたとのコト。どんな女性だったのか、顔が見たいと思って
ます。

2010年02月07日 18:50
ミイちゃんママ

高嶋ちさ子さん、大好きです。はっきり物を言うし、あの毒舌が好きです。多分竹を割ったような正確なのでしょうね。コンサート又聴きに行きますね。

2010年02月07日 14:52
トクちゃん

ちさ子教授の解説、楽しくて朝からテレビの前で声を出して笑ってしまいました!・・・あのメガネ(イメージとしては教育ママ)をあげる仕草、本当は可愛い女性なんだろうな~って見ててわかります!
「魔王」・・・小学生の頃、音楽の授業で鑑賞した思い出が・・・でも、こんなにドラマがあったなんて・・・今日初めて知りました♪

2010年02月07日 12:59
目からウロコ

いつもと違った雰囲気で、楽しかったです!またいろんな裏話、見たいです。

2010年02月07日 11:02
にっちま

しまむらでのお買い物が好きだというちさ子さんと、クレーマー・ちさ子教授のギャップがたまりません。
佐渡さんのトリノのお話し、妄想しながら楽しみにしております!

2010年02月07日 10:23
まみ

高嶋ちさ子さん、面白い!他の皆さんもいい味出してますね。またこういうのを見たいです。

2010年02月07日 09:54
emiemi

「ちさ子教授」シリーズは、本当にためになりますねぇ。。。
30分じゃ物足りないです。特番にして欲しいですぅ。