【本間のホン音・読者リクエスト、佐渡裕さんＱ＆Ａ特集！】

おはようございます

東京では春一番が吹き、高知からはいち早く桜の開花宣言も届きました。春本番も間近ですね。

 さて、次回の放送は2013年度の締めくくりとして、みなさんからいただいた「もう一度見たい、聴きたい！」の声を集めたリクエスト特集をお届けします。そこで、今回は『本間のホン音』でも、このページに寄せられたみなさんからのリクエストにお応えして、佐渡裕さんの指揮に関する質問と答えをまとめてご紹介しましょう！

【スタジオ収録の合間に、佐渡さんの楽屋でお話を伺いました】

まずは、43歳・女性・サンタさんからの質問。

．佐渡さんは、指揮棒は何本持っていますか？

佐渡　大体６本くらいかな。１本の寿命は１カ月くらい。譜面台に当たって折れるとか、そういう事故がなくても、しなり続けるから負荷がかかってダメになりますね。消耗品です。

続いて15歳・男性・小田原の中学生マエストロさんからの質問。

．佐渡さんのタクト選びについて、どんなことを考えて選びますか？

佐渡　実は長いこと全然こだわりがなくて、少し前まで普通の市販の指揮棒を使ってたの。指揮者というのは別に指揮棒がなくても指揮できるわけで、現に合唱曲を振るときは持たないこともあるし、例えるなら落語家さんが持つ扇子のような小道具的存在。でも、僕がベルリンフィルを振るというときに、友人の舞台監督が「オリジナルの指揮棒にしませんか」と提案してくれたんです。彼はカルロス・クライバーの指揮棒を持っていて、それをプレゼントしてくれたんだけど、持った感じがすごく良くてね。自分に合った指揮棒を持つのもいいかなと思って、それからはバランスをミリ単位で調整したものを使っています。材質は木。今は、カーボンとかグラスファイバーで折れないものもあるんだけど、僕は木のあの柔らかくしなる感じが好きなんで、木しか使わないです。

【お弁当の割り箸を指揮棒に見立て、色々とお話ししてくださいました】

佐渡　長さについてはおもしろいものでね。短いものを持っている方が安心やねん。長い棒はやっぱり操るのが難しいから、自分がその作品に対して勇気とか自信がないと持てない。一時期、僕の指揮棒も短くなってきたことがあってね。最近は、もう２センチ伸ばして欲しいとお願いしてます。

心境の変化が指揮棒の長さに現れるなんて、驚きました。さてお次は、14歳・男性・3-1の指揮者さんからの質問。

．上手な指揮のポイントを教えてください。

佐渡　アマチュアの皆さんには、指揮棒を持つことイコール指揮者になるという感覚があるかもね。でも、究極を言えば、手を後ろに組んでも指揮ができるかどうかというのが重要。つまり、足の指先からはじまって全身のパーツすべてが音楽を語るからこそ、それに応じて音楽があふれて出てくるんです。腕なんか使わなくても、呼吸や目力、体で取るリズムで指揮はできる。さらに言えば、指揮者はどう立てるか。例えば、カラヤンなんかは骨盤の立ち方からして攻撃タイプ。僕なんかはよく、緊張すると腰が引けて、体重がかかとにかかって、腕が前に出ちゃう。そうすると、いくら腕を振っても音は出て来ない。一番いいのは、木がストンと生えているように立てることだね。

【悪い立ち方の見本。いい立ち方は…撮るの忘れました】

最後に、私からの質問も。

．最初に買った指揮棒を覚えていますか？

佐渡　よーく覚えてるよ！　小学校の６年生の時で、学校の校歌を振ることになってね。すごくうれしくて、家の近くの『橋本楽器』っていう小ちゃい楽器屋さんに買いに行ったの。ショーウィンドウに指揮棒なんて飾ってないし、いくらするんだろうとか、いろいろ想像が膨らむわけじゃない。で、「指揮棒っていくらしますか？」って聞いたら、お店には指揮棒が１本しかなくて、なんと…150円！　安いでしょ。でもね、実際に校歌を指揮する時には、ものすごく長い竹の竿を渡されて、結局、自分で買った指揮棒の出番はなく、すっごくショックだった（笑）。

以上、佐渡さんへのＱ＆Ａ特集でした。佐渡さん、貴重なお話しをありがとうございました！

Chie

～～～～～～～～～～～～

『本間のホン音』では、出演者のみなさんや番組への質問を募集しています。

私に見て、聞いて、調べてきてほしいということがありましたら

下のバナーからどしどしお寄せください。楽しい質問をお待ちしています

～～～～～～～～～～～～