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特集

2019年5月1日

新皇后・雅子さまと新たな皇室像

療養生活に入られた雅子さまは、公務や宮中祭祀にも出席できない日々が続いた。そんななか、東日本大震災が起きた。雅子さまは震災の1カ月後から避難所を訪問。病と闘いながら、その後、何度も被災地を訪れ、人々と向き合われてきた。そんな雅子さまに、多くの被災者から「お元気ですか」「身体大丈夫ですか」など、次々と雅子さまを励ますような言葉がかけられた。当時、岩手県大船渡市の仮設住宅に住んでいた、村上裕子さんも励ましの声をかけた一人。村上さんは雅子さまに「身体の弱いところ、遠いところ、わざわざいらしていただいて、本当に心の支えになります」と声をかけたという。村上さんの自宅には今もその時の写真が飾られている。
雅子さまご自身も「厳しい状況にある被災地の方々から、逆に私の体調のことをお気遣いいただき、有り難く感じたことなどが昨日のことのように思い出されます」と振り返られている。被災地に同行したテレビ朝日・宮内庁担当の横地明子記者は「必ず何人かの方たちから『大丈夫ですか』『来てくださってありがとう』『あなたも大変なのに、よく来てくれました』と声をかけられた。それは多分想像していなかった光景で、そういう風に声をかけてくれる方がいるのに少し驚いているようにも見受けられた。今は公務の数が非常に増えてきているけど、振り返ってみると、被災者の方たちから励まされたということが、長い月日をかけて、ご自身の中で考えになって、今の大きな心の支えになっているのではないかと思う」と語る。

雅子さまは、困難な状況に置かれている子どもたちに特に心を寄せられてきた。児童養護施設の子どもたちが演奏や踊りを披露する発表会には、何度も通われてきた。児童養護施設『至誠学園』の高橋利一名誉学園長は「雅子さまは『どのくらいケースがあるのか』『施設にどのくらい全国では子どもたちが生活しているのか』など虐待の問題について非常に関心が高かった。そういう子どもたちを含めた若い人たちの先頭に立つような意欲を持たれているように感じるし、それを期待したい」と話す。雅子さまは去年5月、日本赤十字社の全国大会に15年ぶりに出席された。名誉総裁を美智子さまから引き継がれる。

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