過去の放送
2019年1月26日放送 「埼玉県 豆腐」
ロケ地:埼玉県所沢市
2人が訪ねたのは、神業を持つと評判の豆腐職人・山下健(たけし)さん。山下さんの豆腐店は明治から146年続く老舗で、彼の豆腐作りは大豆を育てるところからはじまるという。そう、山下さんは豆腐店の店主でありながら、大豆農家として市内に7カ所、合わせて6000坪の畑を持ち、およそ30種類の大豆を育てているのだという。
豆腐職人が自ら大豆を栽培するのは、とても稀なこと。毎年3月に行う畑の肥料やりにはじまり、種まき、草むしり、刈り取り…。10か月に及ぶ工程を、山下さんはひとりで行っている。集めた大豆も脱穀機にかけて殻と豆に分け、さらにひと粒ひと粒大豆を選り分けるという、気の遠くなるような作業もある。
国産大豆の収穫時期は、秋から冬。そのため、とれたての新豆を使った豆腐が出回るのが、この時期(1月〜2月)だ。山下さんによると、とったばかりの新豆は、風味が強く、香り高い豆腐が作れるのだそう。山下さんが目指すのは、甘味だけではない、大豆本来の豊かな風味を持つ豆腐なのだ…。
- 今回のシェフ・レポーター
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林亮平(「てのしま」主人)
浅香唯(歌手・タレント)
- 地元の匠
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山下健
- 今回登場した料理
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油揚げと金時人参の炊き込みご飯
豆乳湯豆腐
『豆腐』
- 極上の食感を生む技「2段寄せ」
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にがりを豆乳に混ぜて、固める工程を「寄せ」という。
にがりを加えて攪拌すると、豆乳に含まれるたんぱく質が、すぐに固まり始めるので、普通「寄せ」は1回だけ。
「2段寄せ」は、にがりを分けて「寄せ」を2回行う技。
一回目の「寄せ」で、固まりかけた状態の豆腐に、絶妙なタイミングで、2回目の「寄せ」を行うことで、全体が緩やかに固まった豆腐ができる。
「2段寄せ」によって、不均一なたんぱく質の固まりができ、 柔らかいのに複雑な食感を生み出す。 - 豆腐の良さを崩ず「湯豆腐」を仕上げる技
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絹ごし豆腐は、90%ほどが水分なので、沸騰させて炊くと、豆腐の中の水分が蒸発し、「す」が入って食感が悪くなってしまう。
そこで、豆腐を入れてから火を点けて、沸騰しないように約60度を保ちながら炊き上げて、豆腐の食感が失われない湯豆腐を作った。