過去の放送

2018年12月1日放送 「鮭 イクラ」

『宮城 旬の鮭・イクラで和の伝統料理を再現!』
ロケ地:宮城県仙台市

今回、注目する食材は、宮城・仙台湾でとれる鮭とイクラ。そのおいしさの秘密を求めて、焼き魚にこだわりを持ち、8年連続でミシュランの星を獲得している日本料理の“匠”、小林雄二さんと神保悟志が現地へ。小林さんが鮭の身でイクラを包む、仙台の郷土料理“子籠り鮭(こごもりざけ)”を、現代の和食の技で再現する。

2人が出会ったのは、鮭漁師の佐藤義忠(さとう・よしただ)さん。義忠さんは、息子の慎太郎(しんたろう)さんや仲間たちと共に宮城県の仙台湾で、名取川や阿武隈川に戻って来る鮭を狙って、定置網漁を行っているという。2人は佐藤さんたちの漁に同行するが、はたしてイクラがたっぷり入った鮭は掛かっているのか…!?

義忠さんは、9人兄弟の8番目に生まれた5男坊。鮭の定置網漁は3人の兄が引き継ぎ、義忠さんは赤貝をとる漁師として暮らしていたという。しかし東日本大震災で3人の兄を失い、船も流されてしまった。漁師はもう続けられないとあきらめかけたとき、定置網用の船が奇跡的に無傷で見つかったのだ。義忠さんは、当時65歳。亡くなった兄弟の仕事を引き継ぐため、漁師仲間からの応援を受けて、一から定置網漁を学ぶことに。そして昨年、息子の慎太郎さんも会社を辞め、漁師の道を歩みはじめたという。

そんな佐藤さんの家族への思いがつまった鮭とイクラを使って、小林さんが仙台藩・伊達家の正月料理・子籠り鮭を現代風にアレンジ! 子籠り鮭は仙台藩・伊達家で愛された正月のごちそうだと伝えられているが、いったい小林さんはどんな工夫をプラスするのか…!?
今回はさらにもう一品、宮城県の郷土料理“はらこ飯”も、小林流にアレンジして振る舞うことに。はたして、小林さんはそこにどんな和食の技を加えたのか…!?

また、生物学者の福岡伸一氏が“鮭はどうやって生まれた川に戻るのか”“イクラのおいしさの秘密”などを科学的な視点から解説する。

今回のシェフ・レポーター

神保悟志(俳優)
小林雄二(『青華こばやし』主人)

地元の匠

佐藤義忠さん

今回登場した料理

鮭の竜田揚げ(家庭料理)

三平汁(家庭料理)

小林流はらこ飯(小林雄二さん)

小林流子籠り鮭(小林雄二さん)

『鮭・イクラ』

生まれた川に戻ってくる 鮭の不思議な生態とは!?

福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)

鮭はどうやって、生まれた川に戻るのでしょうか?

福岡「これは生物学の大きな謎なんですけれども、水の中にいる魚は味と匂いとちゃんと識別できているんですよ」
「だから自分が生まれた川の匂いを覚えてる。その匂いの手掛かりになっているのは、その川に溶けてるアミノ酸のいろんな成分のバランスを感じているらしい」

鮭は、生まれた川の匂いを覚えていて匂いを手掛かりに、生まれた川に戻って来るというのですが…

日本で生まれた鮭は、ベーリング海からアラスカ湾までエサを求めて回遊します。
しかしそんなに遠くまで匂いは届きません。


福岡「鮭は実は目が良いらしい」
草野「鼻も良いし、目も良い」
福岡「太陽光線がその一日のうち、どちらからどういう風に射しているのかという太陽コンパスと言われているものが動物には備わっていて、ちゃんと自分の方角が分かっているらしいんです」

遠くにいるときは、太陽の光や海流などを感じて帰る方向を判断している…などいろいろな説があり。
鮭の生態は、まだまだ謎が多いのです。

こばやし流 だし漬けイクラの作り方

(1)ボールにすじこを入れ、60〜70℃のお湯でほぐします。
お湯がきれいになるまで何度も繰り返します。

(2)ほぐしたすじこを炭酸水で洗います。薄皮がとれます。

(3)ほぐれたら軽く塩をふり色を戻します。

(4)かつおだしに6時間以上つけて出来上がり。