過去の放送

2018年10月6日放送 「ワカサギ」

『茨城産の秋の幸で贅沢天ぷら』
ロケ地:茨城県かすみがうら市

今回、注目する食材は、茨城・霞ヶ浦産のワカサギ、シラウオ。そのおいしさの秘密を求めて、東京・赤坂の江戸前天ぷらの名店『天茂』の二代目主人・高畑粧由里さんと前川泰之が、現地へ。
江戸前天ぷらの“匠”である高畑さんが、今が旬のシラウオやワカサギ、さらには茨城県産の秋野菜を贅沢に揚げる。

2人が訪ねたのは、ワカサギ、シラウオ漁師の安部秀男(あべ・ひでお)さん(77歳)。漁師歴60年の大ベテランだ。番組では午前3時すぎからはじまる秀男さんの漁に密着、そこで発揮されるベテランならではの技に迫っていく。
午前6時、漁を終えた秀男さんは、そのまま自宅へ。安部さん一家は、魚の加工や販売も自宅で行っているという。そこで、2人も安部さん宅の敷地内にある、加工場にお邪魔!妻の癸江(みずえ)さんのおススメは生のシラウオの生姜しょうゆがけ。
さらに息子の知明さんが、霞ヶ浦名産の“ワカサギ煮干し”を作っているところも見学。安部さん一家によると、これは江戸時代の末期から霞ヶ浦周辺で作られていたもので、半生の状態で食べる“食べる煮干し”なのだという。

16歳から60年、漁師として霞ヶ浦と共に生きてきた秀男さん。そして結婚して50年、夫を地道に支えてきた癸江さん…。そんな安部さん夫婦の歴史に感動した高畑さんは、自身の店、東京・赤坂の『天茂』に2人を招待。匠の技を披露することに…。

今回、高畑さんが集めた食材は、ワカサギとシラウオのほか、汽水湖の涸沼(ひぬま)産シジミや、レンコンやサツマイモ、長ネギなど、茨城県の秋の旬。さらに、あの煮干しも匠の技で、天ぷらに仕上げるという。
日々、新たな江戸前天ぷらに挑戦し続けている高畑さんは、どんな技を駆使して茨城の秋の食材を揚げるのか…!?食材のうま味を最大限に引き出す匠の技とは…!?

今回のシェフ・レポーター

前川泰之(俳優)
高畑粧由里(『天茂』主人)

地元の匠

安部秀男さん

地元の店

「安部水産(あべ佃煮)」
〒300-0213茨城県かすみがうら市牛渡2716-13
TEL:029-898-2664 FAX:029-898-2328

今回登場した料理

シラウオのつきだし
(高畑粧由里さん)

ワカサギの天ぷら
(高畑粧由里さん)

レンコンの海老はさみ揚げ
(高畑粧由里さん)

サツマイモの天ぷら
(高畑粧由里さん)

ワカサギの煮干しの天ぷら
(高畑粧由里さん)

シラウオのかき揚げ天丼
(高畑粧由里さん)

赤坂「天茂」流 父から学んだ天ぷらの極意

草野:かき揚げへのこだわりってどういうところですか?
高畑:素材を生かす。ふっくらとして、そしてうま味を閉じ込めるようなかき揚げをつくりたいなって思ってます。

高畑:よく父は、海老などは真ん中にマッチ棒一本くらいの生を残した状態で引き上げるといいという風に、私は言われていたんですけども、しっかり火を通してしまうと、逆にその食材の良いところを殺してしまうことになるので。

そこで大事なのが、高畑さんが使っている金属の箸です。

高畑:私は金属の箸を使っているので振動が伝わるんですね、衣が固まってくると、感じてきた振動が少なくなる。

水分が抜け、表面の衣が固まり始めると、泡が小さくなり、振動も細かくなります。
この震動を手で感じやすいのが金属の箸。中まで火が通り過ぎない、絶妙なタイミングを逃さないんです。
父から娘へ・・受け継がれる江戸前天ぷら。妥協のない技と想いが注ぎ込まれていました。