過去の放送

2018年8月25日放送 「山梨県 ジャガイモ」

『江戸時代から伝わるジャガイモ“富士種”』
ロケ地:山梨県北都留郡小菅村

多摩川の源流部に位置し、“残された秘境”ともいわれる山梨県小菅村。その村で、“富士種”とよばれる在来種のジャガイモが育てられているという。
江戸時代から伝わる伝統のジャガイモのおいしさの秘密を求めて、洋食界の重鎮・大宮勝雄シェフと俳優の迫田孝也が小菅村を訪ねる。

東京・奥多摩駅から川沿いをバスで登ること、約1時間。2人がやって来たのは、人口700人ほどの小菅村。ジャガイモ作りの“匠”、守重廣子さん(70歳)と夫の敏夫さん(71歳)は小菅村の山の奥にある、先祖から引き継いだ畑でジャガイモの在来種“富士種”を栽培している。

富士種は60年ほど前までは小菅村の農家のほとんどが作っていたが、生産性の悪さや病気にかかりやすいなどの理由で、生産者は激減。現在、出荷まで行っているのは守重さん夫婦のみだという。
実は、50年前、小菅村に嫁いできた廣子さん。子ども好きが高じて、村唯一の保育所を立ち上げ、40年間、園長先生として子どもたちと共に過ごしてきたという。引退後は、おいしいジャガイモを作り、同じ村で暮らす孫たちに食べてもらうことが新たな生きがいになったと話す。

毎日子どもたちのために頑張っている守重夫妻のため、大宮シェフは“孫たちと過ごす、おいしい時間”を提供しようと考案! その舞台に選んだのは、小菅村にある玉川キャンプ場。なんとダッチオーブン3台を持ち込み、大宮流バーベキューをふるまうことに…。修業時代、キャンピングカーで世界を回り、キャンプ料理を極めたという大宮シェフが富士種を主役に作る、絶品キャンプ料理とは…!?

今回のシェフ・レポーター

迫田孝也(俳優)
大宮勝雄(『レストラン大宮』オーナーシェフ)

地元の匠

ジャガイモの匠
守重廣子さん 敏夫さん

今回登場した料理

守重廣子さん
「肉じゃがのお弁当」

大宮勝雄シェフ
「ポテトフライのダッチオーブン」

大宮勝雄シェフ
「野菜蒸しのダッチオーブン」

大宮勝雄シェフ
「ローストチキンと野菜のダッチオーブン」

大宮勝雄シェフ
「アリゴソース」

『ジャガイモ』

ジャガイモ本来の甘味とホクホク感を引き出す茹で方のポイント

ジャガイモを加熱すると、アミラーゼという酵素の働きで、デンプンが糖に代わり、甘味が出ます。
アミラーゼが活発に働く温度は、30〜65℃の間。
ただし、50〜60℃付近では別の酵素が活発に働いてジャガイモが固くなりホクホク感がなくなります。
ジャガイモを甘く、ホクホクに茹でるため、大宮さんはまず、お湯が64℃前後になるように火加減を調整しました。
このとき、ジャガイモの中は62℃くらい。
この温度をキープしながら茹でていくと甘味が増すといいます。
ほとんど沸騰もしてないしぐつぐつしてない状態です。

家庭で茹でる場合は水から茹で、ゆっくり温度をあげていくよう火加減を調整するのがコツです。
その後、一気に95度くらいまで温度を上げ、竹串がすっと刺さる柔らかさまで茹でます。
これが、ジャガイモをもっとも甘く、しかもホクホクに茹でる技なんです。

大宮シェフの絶品“アリゴ”の作り方

ジャガイモとチーズで作る絶品アリゴソース。
蒸し野菜やソーセージなどにかけてたり、肉料理のつけあわせにもオススメです。

【材料】※できあがりの分量 約300g
ジャガイモ (マッシュしたもの)150g
モッツァレラチーズ 70g
グリュイエールチーズ 30g
牛乳 30cc
生クリーム 30cc
バター 20g
ニンニク 半かけ
塩・胡椒 適宜

【作り方】
(1)ジャガイモは水からゆっくり茹で、柔らかくなったら、熱いうち皮を剥き、裏ごししてマッシュポテトにする。
この時、練らないように気をつけること。
(2)鍋を火にかけ、バターを溶かし、すりおろしたニンニクを入れて弱火で熱する。
(3)生クリームと牛乳を(2)の鍋にいれ、マッシュしたポテトを加え、木ベラで混ぜる。
ここでも練らないように注意。ポテトがなめらかになったら、塩・コショウで軽く下味をつける。
(4)削ったチーズを加えて、溶かす。
(5)チーズが溶けたら弱火にして、味を整える。
追いバターを入れ火をとめてからも混ぜる。
少し冷ますと、チーズがよく伸びるので、食べごろです。