過去の放送

2018年6月23日放送 「初夏の山菜と月山筍」

『山形県 月山 山菜』
ロケ地:山形県 西川町

今回、注目するのは山形の霊峰“月山”で採れる極上の山菜。そのおいしさの秘密を求めて、東京・神楽坂にある名店“御座敷天婦羅 天孝”の2代目店主・新井均さんと田中律子が現地を訪れる。

2人が訪ねたのは山菜採りの“匠”、今野信秋さん(67歳)。今野さんは月山の麓、標高700メートルの地点にある旅館を家族で切り盛りするかたわら、“マタギ”として42年にわたって山に入ってきた人物だ。

2人は、早朝からはじまる今野さんの山菜採りに同行。実は、月山の冬季の積雪量は10メートル以上。5月になると雪解けがはじまり、その標高によって季節が変化するという。標高600メートル付近では、関東で5月までが旬の山うどがこれから旬を迎え、標高700メートル地点では2〜3月が旬といわれるフキノトウを採ることができるという。

今野さんの後を追い、道なき道を進んだ2人。まずは、600メートル地点で山うどをゲットする。さらに700メートル地点に移動するが、100メートル上がっただけで冬の世界が広がり、ここではコゴミやフキノトウなどを採取する。

しかし、今野さんによると、月山には“お宝”ともいえる山菜があるという。それは標高1,300メートルの地点で採れる“月山筍”。チシマザサの新芽で、広くは“根曲がり竹”といわれるものだが、月山周辺の標高の高い一部で採れる根曲がり竹だけを“月山筍”とよんでいるとか。そんな“幻の山菜”の収穫に向かう今野さんに、新井さんが同行! 2人は2時間以上、山道を歩き続けるが、はたしてお宝の山菜に出会うことはできるのか…!?

そして…なんと合計7時間に及ぶ山菜採取を終えた新井さんが、今野さん一家のために、客の目の前で揚げたてを提供する“お座敷天ぷら”を再現することに…!
新井さんが揚げる、“月山と江戸前のコラボレーション天ぷら”とはどんなものなのか…!? さらに“月山の山菜がつまった宝箱のようなかき揚げ”とは…!? 新井さんはおいしい山菜のかき揚げを作る3つのワザも伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

田中律子(タレント・女優)
新井均(『御座敷天ぷら 神楽坂 天孝』二代目店主)

地元の匠

山菜採りの匠
今野信秋さん

地元の店

清水屋旅館
住所:山形県西村山郡西川町志津20
電話:0237-75-2211
宿泊:1泊2食付き ひとり 9,350円〜(税込)

今回登場した料理

清水屋旅館
「山菜御膳」

新井シェフ
「月山筍のあなご巻き」

新井シェフ
月山筍、ウルイ、フキノトウの
「山菜のかき揚げ天丼」

新井シェフ
「山菜の天ぷら」

『山菜』

山菜の風味をいかす天ぷらの技

揚げたり茹でたりすると、山菜のアクが抜けるのは、加熱することで、細胞壁が壊れ、えぐみや苦みの元になる成分が水や油に溶け出すためです。
ただし、茹でると香り成分も抜けてしまいます。
新井さんは、月山で採れた山菜はアクが少ないので、山菜のそのままの味を楽しんでもらおうと、山菜を刻んで、かき揚げにしました。
衣で包み込んでいるので、アクは抜けても香りは残るので、山菜の風味を最大限にいかすことができるんです。

御座敷天ぷらならではのきれいにあげるコツ

新井さんは、鍋斜めにすることによって油浅いところと深いところを作っています。
浅い方にタネを流し込むと、底につくのでタネが広がらず、形を整えることができます。
次に、温度を少し下げて、深い方に移します。
深い所に送ってあげて、そこで、均一に揚げるんです。
中まで火が通ったら‥最後に揚げあがる一瞬手前で油の温度を上げます。
油は温度が低いとドロっとしており、加熱するとサラサラになります。
なので、最後に温度を上げることで油切れが良くなるんです。