過去の放送

2018年5月12日放送 「青森 ウスメバル」

『津軽海峡メバル』
ロケ地:青森県中泊町小泊

今回注目する食材は、津軽海峡産の高級魚“ウスメバル”。潮の流れが速い津軽海峡でとれるウスメバルは身が締まり、淡白で上品な味わいがあるという。刺身はもちろん、焼いても煮ても絶品の味わいだとか。小泊港で水揚げされるウスメバルは“津軽海峡メバル”と呼ばれている。
そのおいしさの秘密を求めて、『パーク ハイアット 東京』の『梢』で料理長を務める和食の“匠”、大江憲一郎さんと佐野岳が津軽半島の小泊漁港を訪れる。

2人が訪ねたのは、漁師歴34年、ウスメバル漁の“匠”、太田直喜さん。太田さんの漁に同行した佐野は、荒波の中、指先の感覚で“当たり”を判断する太田さんの技に脱帽する。

太田さんは現在、離れて暮らす娘たちの学費を稼ぐため、漁に精を出しているという。そんな太田さんの家族6人が1年4カ月ぶりに揃うこととなり、大江さんが料理をプレゼント! しかし、今回は特別に、大江料理長の指導で太田さんの長女と次女が調理することに…。

2人が挑戦するのは、酒好きな父にうってつけの“荒炊き”。感謝を込めて作った娘たちの料理に、父の反応は…!? そして、荒炊きをふっくら仕上げるポイントとは…!?
さらに、大江さんは津軽海峡の海の幸を詰め込んだスペシャルな炊き込みご飯を一家にふるまう。太田さん一家を驚かせた、大江流の炊き込みご飯とは…!?

今回のシェフ・レポーター

佐野岳(俳優)
大江憲一郎
(『パーク ハイアット 東京 梢』料理長)

地元の匠

ウスメバル漁の匠 太田直喜さん

今回登場した料理

大江憲一郎料理長監修 太田さん姉妹作
「津軽海峡メバルの荒炊き」

大江憲一郎料理長
「津軽の海ごはん」

『ウスメバル』

津軽海峡のウスメバルがおいしい理由

メバルと名前がつく中では、アカメバル、クロメバル、シロメバルが知られていますが、津軽海峡のメバルは、ウスメバルという別の種類です。
ウスメバルは沖合の岩礁に生息するので沖メバルとも言われ、オレンジ色の魚体が特徴です。

津軽海峡は潮の流れが速いので、適度な運動量で身が締まり、また、暖流と寒流がぶつかりあう豊かな漁場で育つため、肉質が良く、刺身にしても煮ても焼いてもおいしいと言われています。

大江憲一郎料理長直伝 ふっくら仕上がるメバルの荒炊き

普通の煮付けは煮汁を魚に染み込ませて仕上げますが、今回、大江料理長は、お酒に合う荒炊きにしました。
煮汁は魚にコーティングするように絡め、身は白くふっくらと仕上げます。

ポイント(1)水から煮ること
煮付けにする場合は熱い煮汁に魚を入れます。
すぐに表面のタンパク質が固まり、味を入れるために長く煮ることになって、全体が締まった感じになります。
一方、荒炊きは水から煮るので、ゆっくり火が通り、味も入ります。
煮汁をしみ込ませないので、短時間で仕上がり、身がふっくら仕上がります。

ポイント(2)砂糖を先に入れ、甘みを入れてから、しょうゆで調整する。
最初に砂糖は分量全部入れ、しょうゆはほんの少したらす程度で、煮込みはじめます。
ずっと甘さ先行で煮て、しょうゆは3回くらいに分けて少しずつ入れ、照りがでるくらいまで煮詰めたら、残りのしょうゆを入れて、みりんで仕上げます。

ポイント(3)最初から最後まで強火で炊き上げます。
落し蓋の脇から煮汁が湧きあがって、上から魚を巻き込むように炊くことが大切です。
だいたい15分くらいで出来上がり。