過去の放送

2018年4月28日放送 「広島 アサリ」

『海の畑で育つ大粒の大野アサリ』
ロケ地:広島県廿日市市

今回注目する食材は、広島・廿日市市大野地区でとれる“大野アサリ”。そのおいしさの秘密を求めて、イタリアンの片岡護シェフ、遼河はるひが現地を訪ねる。大粒のアサリを使って、片岡シェフが絶品パスタを作り上げる…!

2人が訪ねたのは、アサリ漁の“匠”、下戸成治美さん(69歳)と妻の敏子さん(71歳)。夫妻はアサリ漁をはじめて、まだ10年足らず。60歳を過ぎ、治美さんがどうしてもやりたかったアサリ漁に取り組むことを決意。その熱意に負け、敏子さんも承諾したという。

夫婦の漁場は、嚴島神社から西へおよそ3.5キロの干潟。大野地区では、明治時代から100年以上に渡って、全国でも珍しい“区割り漁法”を行っており、東京ドーム2つ分の干潟を700以上の区画に仕切っているという。漁師たちは漁協から1区画、年間3000〜1万円で借り、各自で区画を管理し、アサリを収穫するという仕組みだ。自分の区画にアサリの稚貝を巻き、新しい砂を入れるなど手入れをしながら大きくなるまで育てるため、まさに干潟は“海の畑”のよう…。

実は、60歳を機にアサリ漁をはじめた下戸成夫妻には大きな試練があったという。アサリ漁をはじめた当初は、最も管理が難しい沖の区画を割り当てられるのだが、その管理をなんとかこなし、1つだった区画も今では7区画まで拡大。真面目な人柄が信頼され、今では漁協の役員を務めるほどになった。

アサリ漁にのめり込んだ治美さんと、彼を支える妻・敏子さん。そんな下戸成さん夫婦のために片岡シェフが作るのは、“ボンゴレビアンコ”。シンプルな料理だけに、アサリのうま味が決め手となるという。はたして、片岡シェフのボンゴレのおいしさの秘密は…!?

今回のシェフ・レポーター

遼河はるひ(タレント)
片岡護(『西麻布 アルポルト』オーナーシェフ)

地元の匠

アサリ漁の匠
下戸成治美さん
奥様
敏子さん

今回登場した料理

下戸成さん
「大野アサリの水蒸し」

片岡シェフ
「大野アサリのボンゴレビアンコ」

『アサリ』

大野アサリが大きくておいしい理由

大野アサリは、干潟を利用した区割り漁法で獲られます。
杭で仕切られた自分の区画はまさに‘海の畑’。
アサリに適した砂作りや、保護ネットでナルトビエイなどの天敵から守るなど、2年〜3年、手塩にかけて育てるのです。
また、世界遺産にもなっている宮島の原生林から流れ出る水が、植物プランクトン豊富な海を作ります。
その栄養を取り入れるからこそ、大野アサリは大きく育てることができ、その上、身が詰まっていて、うま味もたっぷりなのです。

片岡シェフのボンゴレビアンコ
おいしく作るコツ

ボンゴレはシンプルな料理なので、イタリアンの基本のコツが大切なんです。

【材料】 塩、こしょう、パセリ、白ワイン、オリーブオイル、ニンニク、鷹の爪、アンチョビペースト、アサリ、パスタ

ニンニクと鷹の爪をオリーブオイルで炒め、香りが出てきたら、アサリを入れて、白ワインで蒸します。
ポイント(1) ここで塩は入れずに、アンチョビペーストでうま味のアクセントをプラスします。
ポイント(2) 貝が口を開けたら、すぐに取り出します。
火が入れすぎると身が硬くなり、うま味も逃げてしまいます。
ポイント(3) 貝を取り出した後、残ったエキスを3分の2くらいまで煮詰めます。
最後に貝を戻し、パスタに絡めて、パセリを振ってできあがりです。