過去の放送

2018年4月14日放送 「ミルク」

『住宅地の中で育まれる 乳牛』
ロケ地:東京都八王子

アジア最大級の食の祭典で金賞を受賞した牛乳を求めて、世界的パティシエの辻󠄀口博啓さんと元バドミントン日本代表の潮田玲子さんが東京・八王子へ…!
濃厚かつ甘味たっぷりのその牛乳を使って、辻󠄀口シェフが“旅立ち”を祝福するスイーツを披露する!

京王高尾線山田駅から、歩いて3分ほど。住宅地のすぐ隣に、広さおよそ6000坪の“磯沼ミルクファーム”がある。酪農の“匠”、磯沼正徳さんが自宅の裏山を切り開いたファームで放牧している乳牛はホルスタイン、ジャージー、ブラウンスイスなど約90頭。磯沼ミルクファームでは、そのすべてに名前を付け、毎月、乳脂肪やタンパク質などの成分を調べる牛群検定(ぎゅうぐん・けんてい)を行い、品質管理に役立てているという。
匠のこだわりが生み出す、磯沼ミルクファームの牛乳4種類のしぼりたてを飲み比べてみると、その微妙な味わいの違いに辻󠄀口シェフも納得。磯沼ミルクファームでは、4種類のミルクをブレンドし絶妙な味の牛乳を作っているほか、毎月の牛群検定によって最も適した1頭を選び、極上のヨーグルトを作っているという。

磯沼さんが放牧を始めたきっかけは、26歳のとき。研修旅行で訪れたオーストラリアで、広大な牧場でのびのび育つ牛たちを見て感銘を受けたとか。以来、牛が快適に過ごせる環境にこだわり、さまざまな工夫を重ねてきたという。その苦労が実って、アジア最大級の食の祭典で金賞を受賞するまでに…!
そんな磯沼さんに最近、さらにうれしい知らせがあった。目下、酪農修業中の杏さんの結婚が決まり、しかも将来夫婦で牧場を継いでくれることになったという。

磯沼家の新たな門出を応援するため、世界のパティシエ・辻󠄀口シェフがスイーツをふるまうことに。「杏さんのこれからの新しい旅立ち。結婚を祝って桜をイメージしました」と話す、辻󠄀口シェフ。磯沼さん自慢の牛乳やヨーグルトも使って、まるでイリュージョンのような、驚きのスイーツを披露! はたしてどんなスイーツが飛び出すのか…!? 世界的パティシエの技とは…!?

今回のシェフ・レポーター

潮田玲子(元バドミントン日本代表)
辻󠄀口博啓(『モンサンクレール』『LE CHOCOLAT DE H』オーナーシェフ)

地元の匠

磯沼正徳さん、杏さん

今回登場した料理

assiette yell〜アシェットエール〜(辻󠄀口シェフ)

『ミルク』

アジア最大級の食の祭典で金賞を受賞した牛乳作りの秘密

磯沼さんは牛が幸せに暮らしていける環境にこだわり、自宅の裏山を切り開いた牧場にて、乳牛を放牧しています。

牛舎がにおわないようにと、食品工場からコーヒー豆や粉、カカオの殻などを引き取り、敷き詰めています。
コーヒーの粉やカカオの殻には、消臭効果や湿気を取る作用があり、牛舎を清潔に保つことができます。

エサにも、磯沼さんのこだわりが。
八王子の周辺には、いろいろな食品工場があります。
そこから、余った野菜やフルーツを引き取って…エサに混ぜて与えています。
こういったジューシーなエサの方が食べやすくておいしいと牛が喜ぶそうです。

磯沼さんにとって、牛は家族も同然。
牛が健康に暮らせるような環境にしてあげることで、
ミルクも甘味が出てくるのです。

-196℃の世界!パティシエの技に隠されたおいしさの秘密

辻󠄀口「せっかくおいしいヨーグルトですから、そのヨーグルトの味わいをしっかりと伝えたくてこの液体窒素を使いました。」

今回のスイーツにも、世界のパティシエの技が詰まってます。
中でも一番派手だったのが、液体窒素でヨーグルトをソルベにする技。
液体窒素は、マイナス196度! ヨーグルトを3分ほどかき混ぜただけで…なめらかなソルベになります。
アイスクリームやソルベは凍らせる温度と時間によって、食感が変わります。
家庭の冷凍庫などで、ゆっくり時間をかけて凍らすと氷の結晶が大きくなり、シャリシャリの食感に。
一方、液体窒素で急速に凍らせると氷の結晶が小さく、食感は滑らかになります。

今やスイーツの世界でも科学の力が欠かせません。