過去の放送

2018年3月24日放送 「千葉県富津市産 江戸前海苔」

『江戸前海苔』
ロケ地:千葉県富津市

江戸前海苔の一大産地として知られる、千葉・富津。富津漁港(新富津漁協)の海苔の漁場は約42ヘクタール、東京ドーム約9個分の広さで海苔の養殖を営んでいるという。
富津漁港の海苔は浮きなどを利用して海面近くに網を張り、海苔を育てる“浮き流し式栽培法”。海苔漁の“匠”、浜名富彦さんたちは“潜水艦”とよばれる船に乗り、船ごとそのまま網の下に潜って収穫する。見学した2人は、その豪快な漁の仕方にビックリするばかり…!

鮮度を保つため、積み替えた海苔は急いで港へ。トラックに積み込んだら、港の近くの加工場に運ぶ。加工場は浜名さんの母が取り仕切っており、歯切れのよさを考えて毎日、0.1ミリ単位で海苔の厚さを調節しているという。朝、東京湾に揺られていた海苔が、およそ4時間で見事な江戸前海苔に姿を変えた…!
そしていよいよ、江戸前寿司の“匠”前田親方が腕を振るうことに…。握るのはスミイカやアナゴ、ハマグリなど春の房総の味覚! 親方はどうやって江戸前海苔を使うのか…!? 海苔が最もおいしく味わえる、前田流のかっぱ巻きとは…!?

今回のシェフ・レポーター

前田康衛(『築地青空三代目』総親方)
田中律子(タレント・女優)

地元の匠

浜名富彦さん

地元の店

さざなみ

今回登場した料理

スミイカの握り桜塩

焼きハマグリの握り

穴子の握り

昆布と〆キスの握り 海老のおぼろのせ

酢〆アジの握り

カワハギの握り 肝のせ

本マグロのネギトロ 手巻き寿司

前田流塩カッパ巻き

『海苔』

おいしい海苔は「一番海苔」

柔らかくておいしいのは「一番海苔」。
最初に収穫される海苔は一番海苔や初摘みなどと呼ばれ、食感が柔らかく、うま味が溶け出しやすいのでもっとも風味が良い海苔になります。
収穫しても網にはまた海苔が生えてきますが、収穫を重ねると、次第に組織が固くなり、食感や風味が落ちると言われます。
新富津漁協では、4回程収穫すると網を一枚一枚手作業で交換。
一番海苔とそれに近い風味の海苔を多く出荷しているんです。

前田流カッパ巻き

海苔はうま味の宝庫。
「グルタミン酸」「グアニル酸」などうま味成分が豊富にあります。
ネギトロの場合、マグロのうま味や甘みが強いので海苔はわき役に回ります。
パリパリの食感を味わえるように巻いてすぐ食べられる「手巻き」にしました。
一方、カッパ巻の場合、きゅうりにはほとんどうま味成分がないので、海苔のうま味を強く感じられ、きゅうりに振った塩が、海苔のうま味を引き立てます。

さらに、前田親方の巻きすの技にも秘密がありました。
普通細巻きは、海苔を横に敷いて巻くんですが、前田親方は海苔を縦にして巻きました。
普通の細巻より海苔が長くなるので、海苔を二重に巻くことになります。
巻きすで巻く場合、海苔が酢飯の湿気を吸って、食感が悪くなりがち。
二重に巻けば外側の海苔は湿気を吸いにくいのでパリパリの食感のまま食べられるんです。