過去の放送

2018年1月13日放送 「駿河湾の深海の幸」

『てんぷら近藤・深海の幸を揚げる』
静岡県沼津市 

今回注目する食材は、駿河湾の深海でとれる海の幸。天ぷらを極めたと称される、名店『てんぷら近藤』の主人・近藤文夫さんと浅香唯さんが駿河湾の新鮮なネタを求めて、戸田漁港を訪れる。漁師と天ぷら職人…。それぞれの道を追求してきた2人の“匠”の出会いが生んだ、極上の天ぷらとは…!?

大正時代から底引き網漁が行われている、戸田漁港。2人が訪ねたのは底引き網の“匠”、山田勝美(かつみ)さん(82歳)と、漁師修業中の甥っ子・大村真史さん。さっそく山田さんたちがとったネタを見せてもらうと、アマダイや静岡県のブランドエビ“本エビ”、タカアシガニ、メギスなど、近藤さんがまだ揚げたことのないものがズラリ!
番組では、山田さんの底引き網漁に密着! 船には魚群探知機もあるが、山田さんが見ることはほとんどない。実は、駿河湾は水深2500mを越える、日本一深い湾。1000種類を超える魚が生息しており、深海魚の宝庫ともいわれているが、海底の地形が複雑で漁師の腕が試される海でもあるという。山田さんはそんな駿河湾の漁場を知り尽くしており、まるで海底に潜む魚が見えているかのように狙った魚を網にかけていく…!

そんな山田さんたちがとった深海の幸の中から、近藤さんが選び抜いたネタを揚げることに。この道52年という近藤さんも、まだ揚げたことのない駿河湾のネタ。はたして、巨匠・近藤さんは、駿河湾のネタをどんな天ぷらに仕上げるのか…!?
さらに、近藤流の天ぷらの技を科学的な視点から分析するコーナーも。

今回のシェフ・レポーター

浅香唯(歌手・タレント)
近藤文夫(『てんぷら近藤』主人)


地元の匠

山田勝美さん

地元の店

てんぷら 旬海
静岡県沼津市高島町5-11 HOTEL WEST内
TEL:055-941-9888



今回登場した料理

近藤さん
アマダイのてんぷら

近藤さん
メギスのてんぷら

近藤さん
本エビのてんぷら

近藤さん
駿河湾丼 (タカアシガニ・本エビ・葉生姜)

『駿河湾の深海の幸〜本エビ〜』

近藤流 本エビをおいしく揚げる技
甘味を活かす火加減

本エビは水分が多く、そのまま揚げると衣に水分が移ってサクっと揚がりにくいんです。
そこで…

近藤さんはエビの食感が残るように粗めに刻み、エビ団子の中にわさびを入れて、布巾で包んで余分な水分を取り除きました。
そして170℃の高温で1分半、揚げました。
包丁がすっと入るその団子の中は、エビが半生に仕上がっています。

なぜ半生にするのか?
エビの甘味成分は主に、熱に弱いグリシンというアミノ酸。火を入れ過ぎると甘味が飛んでしまうんです。
そして、わさびのツーンとした辛味成分・アリルイソチオシアネートは揮発性で、加熱するとその揮発性が促進され、たくさん使ってもそれほど辛くはありません。一方、さわやかな香り成分・グリーンノートはエビの生臭さを消し、エビの甘味、うま味を引き立ててくれるんです。

匠の技には科学が隠れているんですね!