過去の放送

2017年12月16日放送 「赤貝」

『寿司職人の憧れ 閖上赤貝』
ロケ地:宮城県名取市

夜明け前の閖上港で待っていたのは、赤貝漁の“匠”、出雲浩行さん。震災の後、赤貝漁の再開に努めてきた赤貝漁組合の組合長だ。挨拶もそこそこに、2人は出雲さんの船に乗り込んで漁に同行する。
出雲さんたちは“マンガン”という熊手のような仕掛けで海底の砂地を掘り起こし、貝や底魚を網にとらえていくが、赤貝漁ができるのは、午前7時から9時半までの2時間半だけ。資源を守るために1日の漁に制限を設けているという。はたして、前田親方をうならせる閖上の赤貝は、どのくらい引き上げられるのか…!?

漁を終えた2人は、出雲さんから“赤貝のお吸い物”をご馳走になる。このお吸い物は、なんと赤貝に湯を注いでしょうゆをたらしただけ! 超簡単なのに、深い味わいが感じられ、2人は感動の声をあげる。実は、東日本大震災では閖上の港も津波の被害に遭い、20隻近くあった船も港の設備も全滅したという。そんな中、漁の再開を目指して立ち上がったのが、出雲さんと漁師仲間たち。5カ月後には、瓦礫の中から漁具をかき集め、船を借りて赤貝の調査を開始。赤貝が無事育っていることを確認すると、中古の漁船を調達して漁を再開。今では震災前の半分ほどまで、赤貝がとれるようになったという。

震災から6年が過ぎた今…。閖上の赤貝の復活に尽力した漁師たちのため、江戸前寿司の“匠”、前田康衛親方が、赤貝をはじめとする宮城の海の幸を握ることに。はたして、そのこだわりとは…!?

今回のシェフ・レポーター

真壁刀義(新日本プロレス)
前田康衛(築地青空三代目 総親方)


地元の匠

出雲浩行さん

地元の店

福寿司



今回登場した料理

赤貝のお吸い物

メバチマグロの漬けの握り

煮カキの握り

煮ダコの握り

金華サバの握り

ホシガレイの握り

赤貝の肝の軍艦巻き

赤貝のヒモの握り

閖上赤貝の握り

『閖上赤貝』

閖上赤貝のおいしさの秘密

肉厚でつやがあり、歯ごたえが抜群の閖上赤貝ですが、その風味にも定評があります。
閖上の沖合は、深いところでもおよそ50mほどの遠浅の海。
そこに名取川をはじめ5つの川が流れ込み、豊富なプランクトンが餌となって、肉厚の赤貝が育ちます。

専門家の分析によると閖上赤貝はアミノ酸が多く、うま味が強いことが明らかになっています。
また、プランクトンなどに含まれるにおい成分が赤貝に移り、潮の香りとともに若草のようなさわやかな香りを放つ
という説もあります。

前田親方 叩きの技

赤貝を叩くと刺激でネタが縮み、歯ごたえが良くなります。
ただし、その方法は職人によってさまざまです。
まな板で強く叩くと、歯ごたえは固めになります。

一方、前田親方はシャリに赤貝を乗せてから、指の腹で軽く叩きました。
もともと歯ごたえの良い閖上の赤貝を、叩きの微調整で絶妙の歯ごたえに仕上げたのです。