過去の放送

2017年11月18日放送 「サツマイモ」

『奇跡のサツマイモ 紅娘』
ロケ地:千葉県成田市 大栄地区

今回注目する食材は、千葉県・成田市産のサツマイモ。“奇跡のサツマイモ”とよばれる品種を求め、世界的に活躍するパティシエ・辻󠄀口博啓氏と的場浩司さんが現地を訪問。辻󠄀口シェフが2種類のサツマイモを使って、家族の絆を感じさせる極上のスイーツを披露する。

2人が訪ねたのは、大木八史郎(おおき・やしろう)さん。成田のブランド芋“大栄愛娘(たいえい・まなむすめ)”を生み出したことで知られる、サツマイモ栽培の“匠”だ。畑の広さは、およそ1万坪。妻の智恵子さん、娘の恵利子さんと3人で2万本のサツマイモを作っている。
大木さんが新たに生み出したのが、“奇跡のサツマイモ”とよばれる“紅娘(べにむすめ)”。生だと赤いが、加熱すると黄金色に変わる品種で、焼き芋を味わった2人はその甘さにビックリする。
なんと“紅娘”はめったに起きることのない“枝変わり”とよばれる突然変異によって、“大栄愛娘”から生まれたもの。ホクホクした味わいの“大栄愛娘”と異なり、しっとりしたおいしさが特徴で、“奇跡のサツマイモ”とよばれるようになったという。
2人は智恵子さんが“紅娘”を使って作ってくれたおやつ“いもっち団子”もご馳走になって、大満足!

実は、“大栄愛娘”も“紅娘”も、若くして亡くなった大木さんの長女を偲んで名付けたという。2つのサツマイモに大木家の家族の絆を感じた辻󠄀口シェフは、“大栄愛娘”と“紅娘”を使って、3つのデザートを生み出す。はたして世界的なパティシエ・辻󠄀口シェフは2つのサツマイモをどう使い分け、どんなスイーツを作り出すのか…!?

今回のシェフ・レポーター

的場浩司(俳優)
辻󠄀口博啓
(『モンサンクレール』
『LE CHOCOLAT DE H』オーナーシェフ)


地元の匠

大木八史郎さん

地元の店

SHARE's Kitchen『VEJIFURU Marche』
住所:千葉県成田市上町503-13
TEL:0476-24-5000



今回登場した料理

智恵子さん チーズ入り いもっち団子

智恵子さん サツマイモの肉巻き

辻󠄀口シェフ Patate 〜mon tresor〜

辻󠄀口シェフ Patate 〜mon tresor〜
「アシェット紅娘」

辻󠄀口シェフ Patate 〜mon tresor〜
「ビシソワーズ・パタット」

辻󠄀口シェフ Patate 〜mon tresor〜
「クロッカン・パタット」

『サツマイモ「紅娘」』

ホクホク系から生まれたしっとり系!?
奇跡のサツマイモ「紅娘」とは

サツマイモを食感で分けると、大栄愛娘や紅あずまのようなホクホク系と、
紅娘や最近人気の安納芋のようなしっとり食感で蜜のように
甘いしっとり系に分かれます。
デンプン量が多いホクホク系は、加熱しても食感が残り、
デンプンが少ないしっとり系は加熱するとほとんど糖に変わるので
しっとりした食感になるんです。

不思議なのが、しっとり系の紅娘が、ある日突然、
ホクホク系の大栄愛娘から生まれたこと。
大栄愛娘の中に、1本だけ、赤いサツマイモを見つけたんです。
食べてみると、おいしさ、食感、甘味も全然違うものでした。
これは、枝変わりという植物だけに起きる突然変異で、
同じ株に、全く違う葉や花ができること。

めったに起きない枝変わりから生まれ、おいしさが全く違う。
だから、「奇跡のサツマイモ」と呼ばれるようになったんです。

ホクホクとしっとり 食感・甘味の二重奏
様々な甘味を使い分ける世界のパティシエの技

ホクホク系の大栄愛娘としっとり系の紅娘。
二つのサツマイモをどう使い分けたのか?

ホクホク系の大栄愛娘はその食感を活かし、
しっとり系の紅娘は滑らかなペーストに。
二つのサツマイモの味わいを見事に融合させました。

さらに、甘味の使い分けにも秘密が。
甘味にはたくさん種類があります。
例えば焼き芋の甘味はデンプンから生まれるショ糖や加熱調理で生まれる麦芽糖が
融合した複雑な甘味。
一方黒糖は、ショ糖にブドウ糖、果糖などが合わさった重厚な甘味。
辻󠄀口さんは二つの甘味に加え、スイーツでは定番の生クリームの
乳糖の甘味も加えました。

一つのお皿で色々な食感と甘味の違いを味わえる。
辻󠄀口シェフの技が光るスイーツが生まれました。