過去の放送

2017年10月7日放送 「唐辛子」

『江戸の伝統野菜 内藤とうがらし』
ロケ地:東京都三鷹市

今回注目する食材は、400年ぶりに復活したという江戸の伝統野菜“内藤とうがらし”。そのおいしさの秘密を求めて、本場イタリアで修行を積み、2016年にミシュラン1つ星を獲得した注目のシェフ・小倉知巳さんと菊池桃子さんが、東京・三鷹を訪れる。

2人が訪ねたのは、東京・三鷹にある“冨澤ファーム”。経営者の冨澤さんは主にトマトやネギを栽培する農家だが、“内藤とうがらし”を復活させた成田重行さんに頼まれて、畑の一角で唐辛子も育てているという。
まず2人は、唐辛子の収穫を体験。生でかじってみた小倉シェフは、内藤とうがらしの甘味とうま味に感動する。菊池さんは唐辛子の葉っぱも食べてみるが、辛くなく、さわやかな味わいにビックリ。
さらに、内藤とうがらしを使った3種類のおにぎりをご馳走になった2人は、内藤とうがらしのマイルドな辛みとうま味を堪能。おにぎりに使ったごはんは、なんと内藤とうがらしの出汁で炊いたもの。マイルドな辛みとうま味を持つ内藤とうがらしだからこその使い方に感心する。

しかし、なぜ内藤とうがらしという名なのか…!? 実は江戸時代、ぶっかけそばに唐辛子をかけて食べるのが庶民の間で流行ったのだが、当時、新宿には内藤家の屋敷があり、その畑で作られていたため、この名でよばれるようになったという。ところが、町が発展すると共に畑はなくなり、かつ辛みの強い“鷹の爪”が主流になったことから、内藤とうがらしはいつしか作られなくなったようだ。
一度は途絶えた内藤とうがらしを復活させたのが、成田さん。成田さんは大企業の常務取締役だったが定年退職後、自分が生まれ育った新宿に内藤とうがらしという名物があったことを知り、この伝統野菜復活に第二の人生をかけたという。今では、内藤とうがらしは江戸東京野菜に認定され、都内10カ所で栽培されている。

そんな成田さんの情熱に感動した小倉シェフは、皆さんを店に招待。サンマを使った、具だくさんの“内藤とうがらしのペペロンチーノ”をふるまう。出来上がったパスタはなぜか唐辛子の姿が見えない…!? はたして、小倉シェフ特製ペペロンチーノのおいしさの秘密とは…!?
このほか、小倉シェフは、唐辛子を使った“ピカンテオイル”の簡単な作り方も伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

菊池桃子(女優)
小倉知巳(『レガーロ』オーナーシェフ)


地元の匠

成田重行さん



今回登場した料理

(現地でのお料理)
梅七味唐辛子
葉唐辛子の佃煮
唐辛子とネギの味噌和え

(現地でのお料理)
内藤とうがらしラー油の冷奴

小倉知巳シェフ
北海道産 さんまのスパゲッティー ペペロンチーノ

小倉知巳シェフ
スパゲッティー アッラビアータ

小倉知巳シェフ
卵とフォアグラのグラタン白トリュフ風味

『内藤とうがらし』

内藤とうがらしの「辛味とうま味」

唐辛子の辛味成分は、もともと綿の成分にあるので、生の唐辛子は比較的辛くありません。
収穫して乾燥させると、辛味成分が全体に広がって辛くなります。

うま味成分のグルタミン酸は鷹の爪の2倍以上。
一方辛味は弱く、甘みが強いんです。

唐辛子が見えないペペロンチーノのおいしさの秘密

小倉知巳
(『レガーロ』オーナーシェフ)

唐辛子をオリーブオイルに入れ、ミキサーで撹拌。

小倉「オリーブオイルに、唐辛子の香りや辛さが混ざっているジューサーで回すことで、細かくなって辛さと味が均一化します」

細かく刻んで唐辛子の風味をたっぷりオイルに移し、パスタ全体に風味を効かせたので、唐辛子が見えなかったんです。

ピカンテオイルマヨネーズの作り方

【材料2人分】
ピカンテオイル…7.5g
卵黄…1個
塩…1g(ひとつまみ)
砂糖…1g(ひとつまみ)
ニンニク…少量
ワインビネガー…5g
オリーブオイル…35g

【ピカンテオイルの作り方】
唐辛子をオリーブオイルに入れ、ミキサーで撹拌。
約3時間寝かせると完成。

【ピカンテオイルマヨネーズの作り方】
・卵黄に塩、砂糖、ピカンテオイルを入れかき混ぜる
・ニンニク、ワインビネガーを加えかき混ぜる
・さらにオリーブオイルを加えかき混ぜる