過去の放送

2017年9月30日放送 「西伊豆 スルメイカ」

『船上で作る“沖干しスルメイカ”』
ロケ地:静岡県賀茂郡西伊豆町

釣り上げてすぐに船上で開いて干す、鮮度抜群の干物、“沖干しイカ”。今回は、静岡・西伊豆産の沖干しイカのおいしさの秘密を求めて、中国料理の達人・五十嵐美幸さんと俳優・佐野岳さんが西伊豆の仁科漁港へ。うま味たっぷりの沖干しイカを使って、五十嵐シェフが極上の一皿を披露。日本伝統の食材である沖干しを、五十嵐シェフはどんな中国料理に仕上げるのか…!?

2人が訪ねたのは、スルメイカ漁師の鈴木恵輝さん。しかしこの日、台風の影響で海は大荒れ。そのため漁には出ることができず、ひとまず鈴木さんから沖干しイカの炭火あぶり焼きをご馳走になって、2人はそのプリプリ感と凝縮されたうま味に感動する。

後日改めて、佐野さんが漁に同行! 漁場に着くと、鈴木さんは通称“イカロボ”とよばれる自動イカ釣り機を操り、深海に潜んでいるイカを見事な手腕で次々と釣り上げていく。しかも釣り上げたら休むことなく、すぐにさばいて内臓を取り、海水で洗っては沖干しを作っていくので、佐野さんもそのスピードと忙しさに、ビックリする。

実は、16歳のとき父親について漁の手伝いをはじめたという鈴木さん。父に代わって、初めて舵を握ったのは22歳のとき。当時からチャレンジ精神が旺盛で、実は仁科漁港にイカロボを導入したのも、鈴木さんだという。現在、使用しているイカロボにも、鈴木さんならではのこだわりが多々秘められていた…。

そして…うま味たっぷりな沖干しのスルメイカに感動した五十嵐シェフは、“沖干しイカのうま味たっぷりおこげ”を作って、鈴木さんと漁師仲間にふるまうことに! 五十嵐シェフが今回、工夫を凝らしたのは出汁だという。そこに秘めたシェフならではのアイデアとは…!?

このほか、生物学者の福岡伸一教授が、沖干しイカをおいしくする紫外線の働きを科学的な視点から解説。五十嵐シェフが作った中華おこげのおいしさの秘密も分析する。さらに、五十嵐シェフはチャーハンにも合う、“イカあんかけ”の作り方も伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

佐野岳(俳優)
五十嵐美幸(『中国料理 美虎』オーナーシェフ)


地元の匠

スルメイカ漁の匠
鈴木恵輝さん

地元の店

「伊豆漁協 仁科直売所(沖上がり食堂内)」
住所:静岡県賀茂郡西伊豆町仁科980-6
TEL:0558-52-0018
営業時間:8時〜16時
定休日:火曜日



今回登場した料理

五十嵐シェフ
「沖干しイカのうま味たっぷりおこげ」

五十嵐シェフ
「イカのまるごとあんかけチャーハン」

『沖干しスルメイカ』

お肌の大敵、紫外線がイカをおいしくする!?

福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)

福岡「紫外線はお肌には大敵ですが、食べ物をおいしくするという面で、とても大事な作用を持っているんです。
特に、紫外線のUV-A(紫外線A波)はイカの体に入っていくと、細胞の深いところに届きます。
そうするとタンパク質の分解が促進されて、うま味成分の素のアミノ酸が増えるんです。
お肌の大敵と言われる紫外線も、意外なところで役に立っているんですね」

また、イカは傷みがはやく、風味が落ちやすいんですが釣りたてをさばいて作る沖干しは、鮮度が抜群。
だから、タンパク質分解酵素の働きも活発で、さらにアミノ酸が増えるんです。

五十嵐シェフ直伝
家庭で簡単!イカのあんかけ

【材料】 2人分
イカ 1杯(わたを抜いたもの)
白菜 2枚
鶏がらスープ 200cc
水溶き片栗粉 大さじ2〜3(水と1:1)
サラダ油 適量

(チャーハンの材料)
イカの肝 (あん用のイカから抜いたもの)
ごはん(温かいもの) 300g
卵 1個
豚こま肉 100g
にんにく(みじん切り) 大さじ1
みそ 大さじ1 1/2
しょうゆ 大さじ1
サラダ油 大さじ1


【イカあんかけの作り方】
(1)やわらかく仕上げるため、イカの身はそぐように切り込みを入れながら、薄く大きめに切る

(2)フライパンにサラダ油をしき、弱火でイカを軽く炒め半透明の状態になったら、イカを取り出す
   ※温度が高いと油がはねるので、低い状態から炒めていく

(3)白菜は食べやすい大きさに切り、ボウルに入れ、サラダ油を絡めてオイルコーティングする
   フライパンに鶏がらスープを入れ、白菜を加え、蓋をして加熱する
   ※ オイルコーティングすることで、炒めなくても、火の通りが早くなり、食感も良くなります

(4)沸騰したら、イカを戻し入れ、最後に水溶き片栗粉でとろみをつける
   チャーハンにかけていただきます

【イカの肝チャーハンの作り方】
イカは肝を抜き、墨を取り、肝、目、口、ゲソ、身と切り分ける
骨を抜き、中を掃除する。身とゲソは、あんかけの材料として使う
肝は皮を除いて切る

(1)フライパンにサラダ油、肝、ニンニク、みそを入れ、弱火で炒める
   豚肉は、粗みじん切りにしてから加え、炒め合わせる

(2)ごはんに生卵を加えて軽く混ぜ、(1)に入れ炒める
   仕上げに鍋肌からしょうゆをまわし入れて、出来上がり