過去の放送

2017年8月5日放送 「石川 奥能登 あごだし」

『奥能登 焼きあごだし』
ロケ地:石川県珠洲市

今回注目するのは、石川県、能登半島の珠洲市産のあごだし。上品な香りとうま味で、最近人気だが、そのおいしさには秘密があった…!?そんなあごだしの謎を探るべく、美食家・北大路魯山人の精神を受け継ぐ和の料理人・笹岡隆次さんと俳優・勝村政信さんが、現地を訪問。笹岡さんが、あごだしを使った夏にピッタリの料理を披露する。

まずは珠洲市の蛸島漁港へ向かった2人。あごだしの原料になるトビウオの水揚げを見せてもらい、港から車で10分ほどの場所にある“焼き干し”の工房へ。同じあごだしでも、トビウオを煮干しにする地方もあるが、奥能登の名物は焼いてから干す“焼き干し”だという。

この工房では、68歳から82歳までの10人の女性たちが、抜群のチームワークであごだしを作っている。流れ作業でウロコや頭、内臓を取ったら5匹ずつ串に刺して焦がさないよう焼いていく。焼いて香ばしさを出す地域もあるが、奥能登の焼き干しはすっきりした味わいを出すため、焦がさないように焼くのが特徴だとか。

焼き上がったら今度は中骨と血合いの部分を取り除くことに。こうすることでさらに臭みがなくなって、透き通っただしが出るのだという。その後24時間、乾燥させたら、焼き干しはようやく完成だ。
この日の作業が終わったところで、2人は皆さんの休憩時間にお邪魔。“あごだしの煮物”や“あごだしの佃煮”をご馳走になって大満足する。

そしていよいよ、笹岡さんが感謝の気持ちを込めて皆さんに料理をふるまうことに。笹岡さんはあごだしの上品な風味を生かして、夏にピッタリのメニューを考えたというが、いったいどんな料理を作り上げたのか…!?
このほか、笹岡さんは冷たいだしの活用術も伝授。さらに、生物学者の福岡伸一氏が科学的な視点から、あご出しのうま味の秘密や、焼き干しに使われている珠洲市特産の“珪藻土のコンロ”の意外な効果について解説する。

今回のシェフ・レポーター

勝村政信(俳優)
笹岡隆次(『恵比寿 笹岡』主人)


地元の匠

あごだしの匠
新谷吉江さん



今回登場した料理

「あごだしの佃煮」
「あごだしの煮物」

笹岡隆次シェフ
「奥能登の焼きあごだし 笹岡流そうめん」

笹岡隆次シェフ
「海老と揚げなすのあごだしシャーベット」

『あごだし(トビウオ)』

海のアスリート! トビウオは飛ぶから旨い

福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)

福岡「水の中からジャンプするために必要なのは筋肉、トビウオはムキムキの筋肉マン、海のアスリートなんです。」

飛ぶための筋肉が発達し、タンパク質も多いのです。
しかも、いろいろなうま味成分を含んでいるので、トビウオから作るあごだしは、スッキリとした中に、独特の風味があります。また、脂肪分が少ないので、魚臭さが出にくいことも、料理人に重宝される理由です。

おいしさの秘密
料理人が注目する「珪藻土のコンロ」

珠洲市は、日本有数の珪藻土の産地で切り出しの珪藻土のコンロが有名です。

珪藻土とは藻類の一種である珪藻の殻が永年に渡って堆積し、化石化したものです。
珪藻土で作られたコンロは、細かいミクロの穴がたくさんあります。
その穴に匂いが吸着し、いやな臭みを和らげる効果があるんです。

匠のあごだしは、この珠洲産の珪藻土のコンロでこだわって焼いているので、さらに魚臭さが少ないく、スッキリとした味わいになるのです。

笹岡流! 夏にピッタリ! 冷たいだしの活用術 
だしシャーベットの作り方

だしや麺つゆが余ったときに、シャーベットにしておくと便利です。
そうめんを冷たく頂けるだけでなく、ちょっとしたお惣菜にかけるだけで、涼しげなおもてなし料理になります。

【材料】
だし 300cc
しょうゆ 30cc
みりん 50cc
※材料を合わせ、ひと煮立ちさせて冷ます
※余った麺つゆならそのまま凍らせます

【作り方】
(1)冷凍庫へ入れて約3時間凍らせる
(2)氷をくずし、再度冷凍庫へ入れる
(3)1時間おきに氷をくずして、3回繰り返すと完成