過去の放送

2017年7月8日放送 「秋田 じゅんさい」

『水が育む“食べるエメラルド” じゅんさい』
ロケ地:秋田県山本郡三種町

今回注目する食材は、秋田県・三種町産のじゅんさい。そのおいしさの秘密を求めて、10年連続でミシュラン三つ星を獲得した日本料理の名店『かんだ』料理長・神田裕行さんと遼河はるひさんが、現地を訪ねる。

じゅんさいは澄んだ淡水の沼に生息し、春から夏にかけて沼一面に鮮やかな緑色の葉を浮かべる水草の一種。食用として摘みとるのは茎から出てくる若葉とよばれる部分で、ゼリー状でプルプル、ヌルヌルしたもので覆われているのが特徴。収穫時期は5〜8月の3カ月で、まさに今が旬の食材だ。

秋田県の三種町は、生産量日本一を誇るじゅんさいの産地。じゅんさい農家が約200軒以上ある中で、皆から一目置かれているのがじゅんさい摘みの“匠”、石川カツ子さん(76歳)。2人が訪問した日は強風吹き荒れる雨の日だったが、今はじゅんさいの最盛期で新たな若葉がたくさん出てくるため、葉になる前に摘みとらなければならず、雨が降っても休むわけにはいかないのだという。

2人は収穫を手伝うため、およそ1畳ほどの小舟に乗り込み、1粒1粒、手作業で摘みとる作業に挑戦。その重労働に2人はただただ驚く。
その後、カツ子さんの沼で穫れた新鮮なじゅんさいをいただいた2人。その歯ごたえととろみの豊かさに感動する。さらに、収穫作業が終わった後も、仕分け作業など休む間もなく働くカツ子さんに、2人は脱帽するばかり。

毎日忙しく奮闘するカツ子さんのため、今度は神田料理長がじゅんさい料理を振舞うことに。神田料理長が作ったのは、“冷やし茶碗蒸し じゅんさいと胡麻ゼリー 梅肉風味”。はたしてその味は…!?
このほか、生物学者の福岡伸一氏がじゅんさいのぬめりとおいしさの関係を科学的な視点から解説。神田料理長は、じゅんさいに合わせた胡麻ゼリーの作り方も伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

遼河はるひ(タレント)
神田裕行(『かんだ』料理長)


地元の匠

じゅんさい摘みの匠
石井カツ子さん



今回登場した料理

石川カツ子さん
「じゅんさいの酢味噌あえ」

石川カツ子さん
「じゅんさい鍋」

石川カツ子さん
「じゅんさいの天ぷら」

神田裕行料理長
「冷やし茶碗蒸し じゅんさいと胡麻ゼリー 梅肉風味」

神田裕行料理長
「アジの押しずし」

神田裕行料理長
「胡麻ゼリーのサラダ」

『じゅんさい』

じゅんさいのおいしさの秘密「ヌルヌル」


福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)

じゅんさいのヌルヌルは、科学的にいうと「多糖類」という食物繊維の一種。
その働きは…

福岡「基本的には保水して、保湿する効果があるんです。
植物の場合は特に、新芽など花が咲く前の非常に攻撃されやすい、食べられやすい柔らかい部分にカバーを作って身を守るという作用もあります。」
さらに…
福岡「食物繊維なので、整腸作用があり、胃や腸を整えます。
腸内細菌、特に善玉の腸内細菌にとってはとても大事な栄養素となり、腸内細菌をうまく活性化させてくれる作用があると考えられています。」

神田料理長直伝 いろいろ使える胡麻ゼリーの作り方

じゅんさいの冷やし茶碗蒸しに合わせた胡麻ゼリーの作り方。
ドレッシングやだしとして、サラダや、冷やっこ、豚の冷しゃぶなどにぴったりです。
ゼリー状なので、野菜などに合わせても水っぽくならず、おいしくいただけます。

【材料】
だし (かつお節と昆布) 400cc
みりん 40cc
薄口しょうゆ 40cc
煎りゴマ 10g
ゼラチン 10g

【作り方】
(1)だしを火にかけ、煮たってきたらみりんと薄口しょうゆを入れる
 ※調味料は塩分の低いものから入れること

(2)煎りごまを入れてさらに加熱する
 ※加熱することによって、ごまに味がしみこみます
 ※ごまは、自分でじっくりと煎ったものを使うと、より味がしみこみます

(3)火を止めてから、水で戻したゼラチンを入れる

(4)1〜2時間ほど冷蔵庫で冷やして、固まれば完成
 ※氷をはったバットに容器を置いて冷蔵庫に入れると時間短縮になります