過去の放送

2017年6月17日放送 「千葉 イワシ」

『九十九里の“入梅イワシ”』
ロケ地:千葉県山武郡九十九里町

今回注目する食材は、千葉・九十九里産のイワシ。そのおいしさの秘密を求めて、イタリア料理界の重鎮、片岡護シェフと雛形あきこさんが現地へ。イワシを使って、片岡シェフが“イタリアン蒲焼き”を披露する。

房総半島東側の刑部岬から太東岬まで南北約66キロメートルに広がる九十九里浜は、江戸時代からイワシ漁が盛ん。この時期のイワシは産卵前で脂がのっているため、1年で最もおいしいとされ、“入梅イワシ”とよばれている。

九十九里の片貝漁港を訪ねた2人が出会ったのは、イワシ漁船船長の小栗山尚宏さん。小栗山さんはこの道40年のベテランで、総勢26人の漁師を束ねて“まき網漁”を行っているという。26人の漁師たちを家族のように思い、全員が“匠”だと言い切る小栗山さん。番組では、小栗山さんたちの漁に密着。信頼関係で結ばれたチームだからこそ可能な、過酷なまき網漁の様子を取材する。

この日、残念ながら入梅イワシの水揚げはなかったが、どうしても新鮮なイワシを食べたいと考えた2人は、港近くの直売所へ。イワシの刺身を特別にご馳走になって大満足する。
さらに、小栗山さんの母・花子さん(82歳)が作る、小栗山家の名物料理“玉子フライ”もいただく。花子さんは漁師の妻として水揚げを手伝い続け、夫を亡くした後も80歳まで港に出て働いてきた女性。今では、息子や孫だけでなく、乗組員たちに船上で食べる朝食のおかずを差し入れたり、夕飯のおかずをおすそわけしたりと世話を焼いている。

そしていよいよ片岡シェフが腕をふるう番に…! 片岡シェフが漁師たちや花子さんのためにイワシを使って作るのは“イタリアン蒲焼き”。イタリア風の蒲焼きとは、いったいどんなレシピなのか…!?
番組では片岡シェフの料理のおいしさの秘密だけでなく、イワシのおいしさについて科学的な視点から解説。さらに片岡シェフは、イタリアン蒲焼きのソースを利用した“イワシハンバーグ”のレシピも伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

雛形あきこ(女優)
片岡護(『アルポルト』オーナーシェフ)


地元の匠

小栗山尚宏さん 裕太さん

地元の店

「漁師の店 ばんや」
住所:千葉県山武郡九十九里町不動堂450
TEL:0475-76-0071


「九十九里漁協直売所 おさかな新鮮大使」
住所:山武郡九十九里町小関2347-36
TEL:0475-76-6207


今回登場した料理

小栗山花子さん
「玉子フライ」

片岡護シェフ
「イタリアン蒲焼き」

片岡護シェフ
「イワシのハンバーグ」

『イワシ』

入梅イワシのおいしさの秘密

一口にイワシと言っても、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシなど、いろいろな種類があります。
“入梅イワシ”とは 梅雨の時期にとれる脂がたっぷりのったマイワシのこと。
産卵前の初夏に栄養を蓄えているので通常のマイワシと比べると、皮下脂肪の厚みの違いがわかるほど、脂が乗っているんです。
ただし、鰯(イワシ)は漢字で「弱い魚」と書くぐらい、傷みが早い魚。
そこで九十九里の匠たちは、網を揚げたら、すかさず氷の水槽で冷やし、運搬船ですぐに港へ。
鮮度を保つ工夫が、入梅イワシのおいしさを支えているんです。

片岡シェフ直伝 イワシのハンバーグの作り方

【材料】 ※2人前
イワシ 3尾
ニンニク 小さじ1
パセリ 大さじ1
ショウガ 大さじ1
ネギ 大さじ4
パン粉 大さじ2
パルメザンチーズ 大さじ2
片栗粉 大さじ1
溶き卵 1/4個
ショウガ汁 大さじ1
塩・コショウ・オリーブオイル 適量
白ワイン20cc

【トッピング】
白髪ネギ
シブレット
セルフィーユ
レッドキャベツスプラウト
あさつき

【作り方】
(1)イワシの頭と内臓をとり、骨に沿って指を入れ、手で開いていき(手開き)、中骨と小骨をはずす。

(2)イワシの皮をはいで、粘りが出るまで包丁で叩いてミンチにする。

(3)材料と調味料を入れて、混ぜ合わせ、叩くようして、空気を抜き成形する。

(4)温めたフライパンにオリーブオイルをひいて、両面を焼き中まで火を通す。
   白ワイン、オリーブオイルを加え、蓋をして約4分、蒸し焼きにする。

(5)ソースをかけ、トッピングの野菜をのせて、出来上がり。

片岡シェフ直伝 イタリアン蒲焼きソースの作り方

【材料】 ※出来上がり約200ml(作りやすい分量です)
エシャロット 2個
シェリービネガー 200ml
ポルト酒 200ml
フォン・ド・ボー 300ml
みりん 100ml

【作り方】
材料を鍋に入れて、約5時間、煮詰める。
最後に、こして、出来上がり。