過去の放送

2017年5月13日放送 「岐阜 美濃焼&飛騨牛」

『美濃焼の器と飛騨牛の極上の一皿』
ロケ地:岐阜県土岐市/多治見市/中津川市

今回注目するのは、“飛騨牛”と“美濃焼”。2つの豪華コラボを実現するため、『パーク ハイアット 東京』内にある日本料理『梢』料理長・大江憲一郎さんと菊池桃子さんが現地を訪ねる。

まず2人がやって来たのは、岐阜・土岐市で開催された“TOKI-陶器祭り”。市場価格のおよそ6〜8割引で美濃焼を購入することができるとあって、2日間で約2万人もの来場者が詰めかける人気イベントだ。器に格別のこだわりを持つ大江料理長の導きで、2人は牛肉の色みとうまく調和する美濃焼の器を探し歩いて…!?

その後、2人は中津川市にある、飛騨牛の“匠”・西尾順三さんの牧場へ。西尾さんは標高およそ600m、周囲を森に囲まれた広さ6ヘクタールの広大な牧場で、息子の忠臣さんと共に牛を飼育している。西尾さん親子は毎年末に行われる岐阜県の飛騨牛コンテストでメスの部で1位を獲得した経験のある“匠”。広さはなんと東京ドームの1.3倍。作業は親子で分担しており、匠は母牛を育てると共に繁殖を担当。その子牛を引き取り、さらに成長させるのが息子・忠臣さんの役目だという。

牛のために環境にこだわる親子の努力に感動した、大江料理長。西尾さん親子が育て上げた飛騨牛を使って腕をふるうことに…!
大江料理長が美濃焼きの器にあしらったのは、“飛騨牛の炙り焼”。もう1品、“飛騨牛の朴葉包み焼”も披露! 大江料理長のあぶり焼きのおいしさの秘密とは…!? そして、同じ料理を丸皿と角皿に盛り付ける、その技とは…!?

また、なぜ陶器の器で食べるとおいしく感じるのか、生物学者の福岡伸一教授が科学的な視点から分析! さらに、フライパンでできる和風ステーキを大江料理長が伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

菊池桃子(女優)
大江憲一郎(『パーク ハイアット 東京 梢』料理長)


地元の匠

飛騨牛の匠 西尾順三さん 息子の忠臣さん


地元の匠

美濃焼の匠 蔵珍窯 小泉蔵珍さん


地元の店

「TOKI-陶器祭り」
毎年4月の第3土日に開催される美濃焼の市
岐阜県土岐市土岐津町高山4
場所:セラトピア土岐&周辺道路


地元の店

「蔵珍窯(ぞうほうがま)」
岐阜県多治見市太平町6-87
TEL:0572-25-6255


今回登場した料理

大江憲一郎シェフ
「飛騨牛サーロインと山菜の汁しゃぶ」

大江憲一郎シェフ
「飛騨牛の炙り焼」
陶器市で見つけた手描きの丸皿
小泉蔵珍作 朱銀 市松 八寸角皿

大江憲一郎シェフ
「飛騨牛朴葉包み焼」
小泉蔵珍作 雲錦大鉢

『飛騨牛』

おいしい牛肉は“遺伝より環境”?

福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)

福岡「肉は赤い所の筋肉(赤身)と白い所の脂肪なんですけれど脂はただそこに脂が入っている訳ではないです。
脂も脂肪細胞という脂をためる細胞があり、
どれくらい筋肉の細胞になるか、脂の細胞になるか、その散らばり具合は、遺伝、血統で決まってくるんです。」

飛騨牛を始め、日本のブランド牛の大半は黒毛和種。
筋繊維が細く、脂肪が網の目のように細かく入った、いわゆる「霜降り」がこれは黒毛和種が持つ、遺伝的な特徴なのです。


福岡「実は育ちというのがとても大事で、その脂肪細胞に入ってくる脂肪はエサとか環境要因から来るもの。
だからどういう風に育てられるか、どれだけ良い脂がサシの所に入っているかという事が大きく関係しているんで、それが芸術品みたいにピッタリ調和しているのが飛騨牛じゃないでしょうか。」

脂肪などの肉の風味を左右するのが、育て方。
広々とした牧場と匠親子の努力があってこそのおいしさだったんです。

大江憲一郎料理長直伝 フライパンで簡単 和風ステーキの作り方
【材料】※2人前
飛騨牛サーロイン160g
サラダ油 適宜
塩・胡椒 適宜
和風ソース 日本酒 60cc
      みりん 50 cc
      濃口しょうゆ 15cc
      無塩バター 15g

【作り方】
(1)肉は冷蔵庫から出して、1時間ほど置き、常温に戻す。
   ポイント:肉の表面だけでなく芯まで常温に戻さないと、レアやミディアムに焼いた時、肉の中心が、冷たいまま生になってしまうことがある。(焼き上がりにムラが出来る)
   急ぐ時は、耐熱の密閉袋に密封し、55度から60度で湯煎する。(7〜8分)

(2)フライパンを熱し、サラダ油をひく。塩・こしょうした肉を入れ強火で表面を焼き、肉汁を閉じ込める。

(3)表面を焼いたら、フライパンを火からおろし、硬く絞った濡れ布巾の上に置いて一旦冷ます。

(4)フライパンに蓋をして、今度は中火にかけ、蒸らし焼きにする。約2、3分。(好みの焼き加減に合わせて)

(5)強火にして、日本酒を入れ、アルコール分を飛ばす。

(6)肉を取り出し、そのフライパンで、和風ソースを作る。
   肉汁に、みりん、濃口しょうゆを入れ、味を整える。(中火)

(7)フライパンに焼いた肉を戻し、無塩バターを入れ、タレを絡める。