過去の放送

2017年4月22日放送 「レモン」

『瀬戸内 岩城島のレモン』
ロケ地:愛媛県越智郡上島町岩城

今回注目する食材は、瀬戸内海に浮かぶ愛媛県・岩城(いわぎ)島産のレモン。そのおいしさの秘密を求めて、パティシエの高木康政氏とリオデジャネイロ五輪の競泳男子800メートルリレーで銅メダルを獲得した松田丈志さんが現地を訪れる。

瀬戸内海の島々を結ぶ「瀬戸内しまなみ海道」の因島から、さらにフェリーで15分。
岩城島(いわぎじま)は、船しか交通手段がない、周囲約14kmほどの小さな離島。レモン産業で成り立っている、レモンの島だ。

まず2人がやって来たのは、島の名物食堂“でべそおばちゃんの店”。「岩城島のレモンをもっと知ってもらいたい」という思いから、平均年齢72歳の女性たちがはじめた農家レストランだ。酢を一切使うことなく、すべてレモンの酸味で味付けされた料理が揃った“レモン懐石”をいただいた2人は、「レモンを使うと酸味がマイルドになる」と絶賛する。

食堂の女性たちから“レモン博士”がいると聞き、続いて2人が訪ねたのは、レモン栽培歴46年という、レモン作りの“匠”、脇義富さん(70歳)。さっそく脇さんが育てたレモンをかじらせてもらった2人は、その甘さと香りのよさにビックリ。さらに脇さん特製の自家製はちみつを使ったレモネードをご馳走になって、感激する。

香川県丸亀市出身の脇さんは46年前、果樹試験場に赴任就職し、岩城島にやって来たという。その頃、島ではミカンの価格が全国的な生産過剰の影響で暴落。ミカンに代わる柑橘類を研究することが、脇さんの使命だった。
島の農業を救うため、脇さんが選んだのは…当時希少な国産レモン。

脇さんは島で栽培しやすいレモンの品種を研究し、農家を1軒1軒回って、栽培を勧めた。その結果、島を挙げてレモン栽培に取り組むこととなり、今では年間150トンものレモンが島で生産されているという。

農家から“レモンの父”と尊敬される脇さんの新作レモンを試食させてもらった2人。中でも、丸かじりできるように皮を薄く柔らかくした品種“スイートレモン”に、高木シェフは大感動。「皮にはうま味成分や香りがあるから皮は大事。これは甘い!」と称賛する。

レモンをたっぷり味わった高木シェフは、岩城島のレモンや柑橘を使って、“究極の岩城島フルーツタルト”を作ることに…。なんと“でべそおばちゃんの店”で提供しているレモンゼリーのアレンジに伝授した“あるもの”も使用するというが、はたしてどんなタルトが出来上がるのか…!?
さらに番組では、岩城島レモンの香りの秘密を科学的な視点から解説。また、高木シェフが、家庭で簡単に作ることのできる“おもてなしスイーツ”のレシピも教えてくれる。

今回のシェフ・レポーター

松田丈志(競泳元日本代表・五輪メダリスト)
高木康政(『ル パティシエ タカギ』
      オーナーシェフ)


地元の匠

レモンの匠 脇義富さん


地元の店

「でべそおばちゃんの店」
愛媛県越智郡上島町岩城3057
TEL:0897-75-2843
営業時間:11〜14時
※完全予約制 4名様〜


今回登場した料理

でべそおばちゃんの店
「レモン懐石」
 3,000円

高木シェフのアレンジでグレードアップした、
でべそおばちゃんの「レモンゼリー」

高木シェフ
「岩城島フルーツタルト〜Tarte avx Fruits à Iwagi」

高木シェフ(店舗)
「丸ごとスイートレモン〜Gâteavx citron」

『レモン』

爽やかなレモンの香り
決め手は皮の“つぶつぶ”
レモン独特の香りの秘密は…実は「皮のつぶつぶ」にありました。
かんきつ類の皮にあるツブツブは…油胞と呼ばれる袋。
その中には香り成分のリモネンやシトラールが、
たっぷり詰まっているので…
皮に傷をつけると…その成分が飛び出します。
害虫から身を守り、殺菌効果などもある香り成分ですが、
人間にとっては、爽やかな香り。
脇さんはレモンの香りも存分に楽しんでもらおうと、
皮ごと食べられるレモンを作ったのです。
家庭で簡単に作る高木シェフ直伝「おもてなしスイーツ」
【材料】 3〜4人分
ジャム フルーツ(イチゴなど3種類ほど) 各75g
グラニュー糖 各60g
マスカルポーネチーズ 適量
クラッカー 適量
飾り用レモン 1/2個

【作り方】
(1)フルーツは食感が残る程度に粗くカットして、グラニュー糖を加える
(2)電子レンジで加熱(500Wで3分)して、ジャムを作る
(3)クラッカーの上にマスカルポーネチーズと作ったジャムをのせる
(4)レモンは半月の薄切りして、外側に重ねながら巻き、
   バラの花の飾りレモンを作る

※色彩りを考えてフルーツを選ぶと華やかになります