過去の放送

2017年3月18日放送 「コウイカ」

『春の房総 海の幸で極上てんぷら』
ロケ地:千葉県富津市

今回は、世界の食通たちが足繁く通う“てんぷら近藤”の主人・近藤文夫シェフと真琴つばささんが、千葉県富津市へ。近藤シェフが、コウイカをはじめとする春の房総の食材を揚げる!

千葉県の南、東京湾に面した富津市は、四季折々、さまざまな海の幸を楽しむことができる街。富士山も一望できる富津岬などレジャースポットも満載だ。
そんな富津市を訪れた近藤シェフと真琴が出会ったのは、コウイカ漁の“匠”・平野裕敏(ひらの・ひろとし)さん。
さっそく平野さんの船に乗り込み、底びき網漁を手伝わせてもらった2人。平野さんは引き上げた網の中からすぐにコウイカだけを取り出し、きれいに表向きに並べてクーラーボックスへ。実は、この作業に、コウイカのおいしさの理由が隠されているという。いったいその秘密とは…!?

また、平野さんをはじめとする富津漁協の漁師たちが取り組んでいるのが、“コウイカ存続作戦”。海水温の上昇や産卵をするための藻場、干潟が少なくなっている状況に漁師が立ち上がり、平野さんたちは15年前から1年に1度、産卵床を海の中に設置してコウイカの産卵場所を提供、コウイカの減少を防いできたという。

その後、とれたてのゲソの塩ゆで、バター醤油炒めなど豪快な漁師料理をご馳走になった2人は、その甘さや歯ごたえに大感動!
そして、平野さんたちの情熱に感心した近藤シェフが、恩返しのために腕を振るうことに…! コウイカ、ホウボウ、アナゴなど春の房総食材を、近藤シェフが熟練の技を使って揚げると…いったいどんなてんぷらが出来上がるのか…!?
さらに、福岡伸一教授が、近藤シェフの揚げるてんぷらがおいしい理由を、科学的な視点から分析。近藤シェフは、“爆発”しない、家庭でのイカの揚げ方も伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

真琴つばさ(歌手・女優)
近藤文夫(てんぷら近藤 主人)


地元の匠

平野裕敏さん


今回登場した料理

「コウイカの刺身」

瀬田一成さん
「ゲソの塩ゆで」

瀬田一成さん
「コウイカのバター醤油炒め」

近藤シェフ
「ふきのとうのてんぷら」

近藤シェフ
「たらの芽のてんぷら」

近藤シェフ
「コウイカのてんぷら」

近藤シェフ
「富津の春 天丼」

『コウイカ』

イカは繊細な生き物!?おいしさを逃さないポイントとは!?

福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)

福岡「イカは非常に繊細な生き物でストレスに弱いんですよ。背中は硬い甲羅になっていますから、外敵に向けても大丈夫で柔らかいお腹は隠しながら泳いでいるんです。」

博士が注目したのは平野さんが甲羅を上にしてコウイカを保存したことでした。イカは裏返しにしただけでストレスを感じ弱ってしまうという繊細な生き物。平野さんは甲羅を上にして並べ、鮮度を保っていたのです。


福岡「やっぱり漁師さんの段階から工夫があってそれを受け取った料理人もイカの繊細さを大切にして食卓にあがるという、そこまでにいたる長い時間のプロセスの上にたっている”芸術”といえるんじゃないですか。」

近藤流 イカのてんぷらの作り方

【材料】4人分
イカ2杯

イカをさばき、背中側、お腹側の薄皮を2枚ずつむく。
2枚目の薄皮をむくときは、端に切れ目を入れてからやるとむきやすい。
丸まらないよう縦に切るのがポイント

<衣>
水 400ml
卵 (L) 1個
薄力粉 (卵水と同じ割合)
油 適量(鍋底から4cm程度かぶる量)

【作り方】
(1)水に卵を入れてよく混ぜ、卵水と同量の薄力粉(1:1)を数回に分けて加え、混ぜる。
(2)イカに衣をつけ、180℃の油で15〜20秒揚げる。

◆新鮮なイカを使い、中を半生に仕上げるのがポイントです!