過去の放送

2017年2月25日放送 「黒糖」

『奄美大島・黒糖でつくる和菓子』
ロケ地: 鹿児島県 奄美大島

今回注目する食材は、奄美大島産の黒糖。そのおいしさの秘密を求めて、和菓子界の重鎮・佐々木勝さんと元バドミントン日本代表の潮田玲子さんが、黒糖作りの“匠”のもとを訪ねる。

二人が訪れたのは奄美大島。すでに桜も咲き、ひと足早く春を満喫できる奄美大島で出会ったのは、黒糖作りの匠、叶辰郎(かのう・たつろう)さん(64歳)と、妻の淳子(じゅんこ)さん(54歳)。
叶さんはおよそ3,000坪の畑でサトウキビを栽培しており、すべて夫婦2人、手作業で収穫しているという。
収穫したサトウキビを味見させてもらった2人は、その甘さ、おいしさにビックリ。一般的なサトウキビの糖度は14度ほどだが、叶さんのサトウキビの糖度はなんと21パーセント。
収穫したサトウキビは、叶さんの黒糖工房に運ばれる。まずは圧搾機にサトウキビを入れ、搾り出たサトウキビジュースを釜で煮こみ、ひたすらアクを取り除いていく。
作業開始から約3時間!やっと完成した黒砂糖は上品で、佐々木さんも感嘆の声をあげる。番組では匠の黒糖がおいしい理由を、科学的な視点から分析。そのキーワードは“うま味を残して雑味を除く”だというが、いったいどんな秘密が隠されているのか!?

奄美大島で生まれた叶さん、実はサトウキビ栽培をはじめたのは、15年前に患ったがんがきっかけ。病気を機にかねてからやりたいと思っていたサトウキビ作りに取り組みはじめたが、なかなかうまくいかず、収入が生まれるまで10年。その間、淳子さんが働いてご主人を支える。
今では一流の料理人からも注文がくるほどの黒糖を作るようになった叶さん。
そんな二人の現在の夢は…作業場の隣にレストランを作ること。
地元の友人たちも応援にかけつけ現在建設の真っ最中。
黒砂糖の風味を生かした料理とデザートでお客さんをもてなす…
そんな夢が、もうすぐ実現しようとしている。

今回はその“夢のレストラン”で提供する予定の料理、
黒糖を使った「ロウニンアジの煮つけ」を、ご馳走してもらうことに!
佐々木さんも、奄美の食材に大満足する。

そして、いよいよ日本を代表する和菓子の“匠”・佐々木さんが、叶さんが作った黒糖を使って極上の和菓子を披露することに。今回のテーマは、“奄美大島の春の自然”。はたして佐々木さんはどんな技で春を表現するのか…!?
このほか、佐々木さんはホットプレートでできる黒糖どら焼きの作り方も伝授してくれる。

今回のシェフ・レポーター

潮田玲子(元バドミントン日本代表)
佐々木 勝(『菓匠 京山』 主人)


地元の匠

叶辰郎さん 淳子さん(黒糖生産者)


今回登場した料理

叶淳子さん
「ロウニンアジの煮付け」

佐々木勝さん
「奄美の春」

『黒糖』

匠の黒糖のおいしさの秘密
キーワードは”うま味を残して雑味を抜く”
黒糖はサトウキビの搾り汁を煮詰めて作ったものですが、
この搾り汁にはえぐ味や苦味など、さまざまな雑味も含まれています。
それを取り除く大事な作業があのアクとり、ただしその加減が難しいんです。
アクを取り過ぎるとうま味成分や香り成分まで取り除いてしまいます。
長年の試行錯誤の末に匠が見つけ出したのが黄金色のサイン。
うま味や香りが楽しめ、余分な雑味がない極上の黒糖が生まれました。

佐々木さん直伝!ホットプレートでできる黒糖どら焼き

【生地の材料】*直径8センチ 15個分
上白糖   90g
粉末黒砂糖 90g
卵(L)  3個
薄力粉   200g
重曹    2g
みりん   10ml
はちみつ  20g
水     適量

中の餡   25g目安/1個

【生地の作り方】
(1)卵を割り、空気を入れながらかき混ぜる。
(2)上白糖と粉末黒砂糖を混ぜ合わせる。
(3)砂糖を混ぜ合わせたものにかき混ぜた卵1/3ずつ入れる。
   ※3回に分けて卵を入れる
(4)混ぜ合わせたものに薄力粉を全部入れ、かき混ぜる。
(5)30分寝かせる。
(6)重曹・みりん・はちみつ、水を入れ混ぜる。
   ※すくって流れる状態にする
(7)150℃ほど<弱火>のホットプレートで
   キツネ色になるまで焼く。
   焼けた生地に餡をはさんで完成。