過去の放送
2017年1月28日放送 「イチゴ」
ロケ地:茨城県鉾田市
今回注目する食材は、茨城県鉾田市産のイチゴ。そのおいしさの秘密を求めて現地を訪れるのは、昨年10月、パリで行われた世界最大級のチョコレートの祭典で4年連続最高位の金賞を受賞したパティシエ・博啓さんと、スポーツキャスターの寺川綾さん。今、シェフをはじめ、フルーツ業界が大注目している極上イチゴとは…!?
2人が訪ねたのは、鉾田市に住むイチゴ作りの“匠”・村田和寿さん(47歳)一家。村田さんは妻・恵子さん(49歳)、父・民夫さん(74歳)、母・ケイ子さん(70歳)と共に36棟のハウスで年間約70トンものイチゴを生産している。
村田さんファミリーが作っている品種は“とちおとめ”。さっそくごちそうになった2人は、甘味だけでなく、その酸味と香りに感動の声を上げる。
村田さん一家のイチゴ作りは50年前、父・民夫さんの代からはじまった。だが、和寿さんが家業を継いですぐ、イチゴを購入した客から直接、「見かけは大きくて立派だが、食べてみると味がしない」という手紙が届き、ショックを受けたという。
以来、イチゴ生産者としての考えが変わり、栽培の土台となる土壌について猛勉強。もみ殻やぬかなどを加えて自家製の“土”を作ることで、極上のイチゴを生み出すことができるようになったという。いまや、そのイチゴは旬の果物の最高峰が集まる“銀座千疋屋”で取り扱われているほか、国内の有名ホテルや一流料亭でも使われている。
そんな村田さん一家のこだわりのイチゴを使って、シェフが、とっておきのバレンタインスイーツを作ることに。村田さん一家の思いのこもったイチゴと、シェフの“世界の技”の競演が生み出す、絶品スイーツとは…!?
このほか、生物学者の福岡伸一氏が、“イチゴの種と実の秘密”、“チョコレートとイチゴのおいしい関係”について、科学的な視点から解説を加えていく。
- 今回のシェフ・レポーター
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博啓(パティシエ)
寺川綾(テレビ朝日スポーツキャスター)
- 地元の匠
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村田和寿さん(イチゴ生産者)
- 今回登場した料理
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パティシエ
「イチゴのフォンダンショコラ」パティシエ
「モンアムール」
『イチゴ』
- 驚きのイチゴの成長方法とは!?
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草野満代
(ごはんジャパンナビゲーター)福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)イチゴは親株からランナーというツルを伸ばし新しい株が出来ます。普通イチゴ農家は、この新しい株を活用してたくさんのイチゴを収穫するのですが…
福岡「この中心から広がれば広がるほど、その細胞分裂の回数が増えますから、ちょっとずつ変化していくわけです。ちょっとずつ変化する変化の中に香りとか味とか酸味とかに影響を及ぼす変化が出てくると、親株ほどおいしくないイチゴになっちゃうことがあるんです。
そういう場合は仕方がないので原点に戻らないといけない。」
草野「親株に戻る?」
福岡「そう。」
ランナーで増えた新しい株が全部、親株と同じ、おいしいイチゴになるとは限らないんです。
だから村田さんは、親株に近いイチゴしか栽培しないことで、
酸味と甘味のバランスがよい、濃厚な味を守っているんです。