過去の放送

2016年11月26日放送 「れんこん」

『伝統のくわ掘り加賀れんこん』
ロケ地:石川県金沢市

今回注目する食材は、加賀野菜。中でも“加賀れんこん”のおいしさの秘密を求めて、世界の食通たちが足繁く通う“てんぷら近藤”の主人・近藤文夫シェフと真琴つばさが石川県金沢市を訪れる。

まず2人が訪問したのは、金沢の名店“日本料理 銭屋”。近藤シェフのお目当ては、“加賀蓮根の蓮蒸”。加賀れんこんをすり下ろして、つなぎを使わずにまとめ、蒸した上から出汁の餡をかけた一品だ。デンプン量が豊富な加賀れんこんは甘みと粘りが持ち味で、2人は加賀れんこんの甘さとモチモチの食感を堪能する。

その後、2人は加賀れんこん作りの“匠”、横井禮一さん(72歳)のもとに向かう。横井さんは妻の久代さん、息子の辰則さんと共に、昔ながらの“くわ掘り”にこだわってれんこんを収穫している。近年、れんこんの収穫はホースから放つ水の圧力で土を削って掘り出す“水掘り”が一般的だが、横井さん親子は水を抜いて手作業で収穫するくわ掘りを続けているという。
くわ掘りを手伝った近藤シェフは、深い土に足を取られて大苦戦。重労働の末にれんこんが収穫できることを身をもって体験し、横井さん親子の苦労にただただ脱帽する。

そんな横井さん親子の作った加賀れんこんに合わせる食材を探すため、近藤シェフは金沢の食材の宝庫“近江町市場”へ。かねてから、加賀野菜を揚げてみたいと思っていたという近藤シェフ、はたして加賀れんこんとどんな食材を合わせるのか…!?
そして加賀野菜をどう揚げるのか…!?
また、生物学者の福岡伸一氏が、れんこんの食感の秘密やれんこんの天ぷらがおいしい理由を科学的な視点から解説していく。

今回のシェフ・レポーター

真琴つばさ(歌手・女優)
近藤文夫(『てんぷら近藤』主人)

地元の匠

横井禮一さん、辰則さん(れんこん生産者)

地元の匠

燒リ慎一朗さん、燒リ二郎さん(銭屋)

地元の店

「日本料理 銭屋」
石川県金沢市片町2丁目29-7
TEL:076-233-3331
FAX:076-262-7560



今回登場した料理

銭屋
「あわびステーキ」

銭屋
「加賀蓮根の蓮蒸」

銭屋
「香箱蟹 茹で上げ」

近藤文夫シェフ
「加賀れんこんのてんぷら」

近藤文夫シェフ
「サツマイモ(五郎島金時)のてんぷら」

近藤文夫シェフ
「加賀れんこんと金沢産甘エビのかき揚げ」

『れんこん』

れんこんのおいしさの秘密
何もないのに大事なものとは!?

草野満代
(ごはんジャパンナビゲーター)

福岡伸一
(生物学者、青山学院大学教授)

福岡「れんこんってこんって言いますし大根とか人参みたいに根菜っていわれてますよね、でも実はれんこんは根じゃないんです。」

れんこんはハスの地下茎、つまり茎なんです。
ハスの葉をよく見ると、穴が開いているそうなんですが、
断面図で見てみると穴が葉につながっているのがわかります。


草野「へえー。」

福岡「れんこんの穴はれんこんが呼吸するために空気を通すための大事な穴なんです。
これがないとれんこんは生きていけないんですよ。」

何もないのに大事なもの、それがれんこんの穴。
穴がなければ、おいしいれんこんはできないんです。

れんこんとご飯のおいしさの共通点とは!?
れんこんを揚げると ふっくらするのはなぜ?

福岡「ご飯が炊けることと天ぷらのれんこんをおいしくいただくことには同じ科学が潜んでいます。植物は成長のためにデンプンを蓄積しています。熱と水分をかけるとデンプンはアルファー化という化学反応を起こします。」

*アルファー化…デンプンに熱と水分が加わることで分子がほぐれやわらかくなること

福岡「天ぷらも、実は揚げ物ではなく蒸し物ともいえます。
天ぷらのれんこんは自分で持っている水分で、アルファー化を起こしているのです。
天ぷらとれんこんは非常に相性がよいのです。」