過去の放送

2016年8月6日放送 「卵」

『放牧鶏の卵で究極の親子丼づくり』ロケ地:山梨県甲斐市

今回注目する食材は、山梨県にある黒富士農場の卵と鶏肉。そのおいしさの秘密を求めて現地を訪れるのは、稀代の美食家であり、料理家でもあった北大路魯山人の直系弟子に当たる笹岡隆次シェフと、演歌歌手の水森かおりさん。はたして、黒富士農場の卵と鶏肉には、どのような秘密が隠されているのか…!?

景勝地・昇仙峡のさらに奥、標高1100メートルの場所に広がる黒富士農場。2人が訪ねたのは、卵作りの若き匠、向山洋平(37歳)さんと弟の一輝(いっき)(34歳)さんだ。2人は父・茂徳さんがはじめた農場を継ぐため、共に東京農業大学で学び、世界の畜産技術や最新の農業技術を取り入れている養鶏のスペシャリスト。15ヘクタールの広大な土地でおよそ6万羽の鶏を放牧飼育しており、2年前にはその卵で内閣総理大臣賞を受賞している。

笹岡シェフと水森さんは、兄弟が実践している農場の土、水、飼料などの徹底したこだわりにビックリ。特に、水は黒富士山系の湧水を使用しており、このミネラルを多く含んだ水を飲ませているため、殻の強度が上がり、卵にコクやうま味が生まれるという。
番組では黒富士農場の卵の成分を分析。さらに卵殻強度計で、殻の強さも実験。福岡伸一博士が、卵の殻について解説を加えていく。

その後、2人は農場にあるロッジで、兄弟のお母さんの料理をいただくことに。卵のおいしさを知るには生よりもゆでた方がよいと聞き、さっそくとれたての卵をゆで卵にしていただくと、濃厚さと香りのよさに驚く。もちろん、卵かけごはんも体験。黄身の濃さに、うなるばかりの2人…。
さらに、じっくりと煮込んだ鶏肉の照り焼きをご馳走になり、その歯ごたえと味わい深さに脱帽。放牧で運動させることで、地鶏のように肉質も締まり、うま味の強い鶏肉を作ることができるのだという。

そんな兄弟の作り上げた卵と鶏肉を使って、笹岡さんが挑むのは、なんと“本当の親子丼”。はたして、本当の親子丼の秘密とは…!?

今回のシェフ・レポーター

水森かおり(歌手)
笹岡隆次(恵比寿 笹岡 オーナーシェフ)

地元の匠

向山洋平さん 一輝さん

今回登場した料理

向山かず美さん
「ゆで卵」

向山かず美さん
「卵かけごはん」

向山かず美さん
「鶏のほろほろ煮」

笹岡隆次シェフ
「笹岡流 親子丼」

『卵』

匠の卵のおいしさの秘密「腸内フローラ」

親鳥の健康が卵のおいしさを解く鍵

黒富士牧場は、健康な鶏が育つ環境がそろっています。
自由に走り回れる環境。
ミネラルが豊富な水や、研究を重ねて配合したエサ。
土に混ぜる放線菌やおからにもおいしい卵の秘密があります。


最近、よく聞く腸内フローラ
人の腸の中には、何百種類もの腸内細菌が住んでいます。
乳酸菌のような、体にいい善玉菌と
大腸菌のような悪玉菌がいるのですが
鶏にも、腸をきれいにしてくれる細菌がいるのです。

匠が混ぜていた放線菌は、鶏の腸内フローラを改善する働きがあるんです。さらに・・ 匠は、えさに加えたおからのオリゴ糖で
鶏の腸内フローラを整えていたんです。

卵の黄身は全方位外交!?

福岡伸一
(生物学者、
青山学院大学教授)

卵黄っていうのは、油を含んでいるのと同時に水も含んでいるので油に溶けやすいものも吸収するし、水に溶けやすいものも吸収するし、要するにいろんな食材を包み込んでくれるベールのようなものとして料理の中に有効に使われているので口の中でほどけていろんな味を引き出してくれる。

水と油は、本来混ざらないものですが卵の黄身は、この二つを結び付けて包み込む働きがあります。
これが卵の全方位外交。