過去の放送

2016年7月9日放送 「スイカ」

『夏の味覚 キワまで甘いスイカ』ロケ地:千葉県富里市

今回注目する食材は、千葉県富里市産のスイカ。スイカが好きなあまり、スイカを使ってスイーツを作ったことがないという世界的パティシエ・博啓氏と元バドミントン日本代表選手の潮田玲子さんが、スイカ作りの“匠”のもとを訪ねる。

2人がやって来たのは、“日本特産 農産物協会”から、日本でたったひとり、スイカのマイスターに認定されている篠原弘安さん(56歳)。母・和子さん(79歳)と妻・幸枝さん(53歳)と、8000個のスイカを育てている。
収穫作業を手伝って、スイカ作りの大変さの一端を実感した2人。その後、篠原さんのスイカがどれくらい甘いのか、糖度計で計測してみたところ、意外な事実が判明する。一般的なスイカは中心に甘味が集まっているのが特徴なのだが、なんと篠原さんのスイカは中心部と皮に近い実の糖度が、わずか0.1度しか差がなかったのだ。なぜ篠原さんのスイカは端まで甘いのか、番組ではMRIでスイカの内部を確認してみるが…!?
そのほか、キワまでスイカを甘くするための、篠原さんこだわりの栽培方法も紹介する。

さらに、2人はキズなどで出荷できないスイカを利用して妻の幸枝さんが作っている“スイカ糖”をいただく。スイカ糖とはスイカの汁を煮詰めたもので、戦後の砂糖不足のときに重宝されていたという。スイカにはペクチンが入っているため、何も加えることなく時間をかけて煮詰めて水分を飛ばすことで固まり、甘味が濃縮するのだ。しかも、篠原さんのスイカはキワまで糖度が高いため、より濃厚な味わいに仕上がるという。

1個のスイカで大さじ12杯分ほどしか作ることのできない貴重なスイカ糖を味わい、篠原さん一家のスイカにかける情熱を聞いて感動したシェフは、スイカを使ったスイーツに初挑戦して感謝の気持ちを表すことに…!
シェフが挑むのは、篠原さん一家のスイカのよいところを、丸ごと味わうことのできるスイーツ。スイカ糖も使った見事なスイーツに、篠原さんファミリーも大感激! シェフが初めて作ったスイカスイーツに隠された、おいしさの秘密とは…!?
また、東京に戻ったシェフは自身の店で、スイカ糖を使用した絶品スイーツを披露する。

今回のシェフ・レポーター

潮田玲子(元バドミントン日本代表)
博啓(パティシエ)

地元の匠

篠原弘安さん

今回登場した料理

篠原幸枝さん
「スイカ糖」

博啓シェフ
「アシェットデセール夏休み」

博啓シェフ
「スイカロール」

『スイカ』

キワまで甘い匠のスイカの秘密は!?

果物が甘いのは、葉で光合成を行い、実に糖分を蓄えるからです。

一方スイカは、皮でも光合成を行うことができます。
スイカの表面の黒い線にも、葉緑素がたっぷり含まれています。
スイカを台に載せて、まんべんなく光を当てたり
成長が遅れたスイカに陽を当てるのも、光合成を促進して
甘いスイカを作るためだったんです。
それでは、なぜ皮の近くまで甘いのでしょう?

その秘密はスイカの中身に隠されているということで、
匠のスイカをMRIで調べてみました。

匠のスイカの断面。
スイカは「維管束」というパイプで栄養を送っています。
「維管束」はまず、大事な種に栄養を送り、残りを果実に送るので
維管束の周りは特に甘くなります。普通のスイカは、維管束が皮より3センチほど内側にしか伸びていませんが匠のスイカは…
この皮のすぐ下まで伸びています。
だから、皮の際まで甘いんです。

スイカにキュウリを合わせる!?さんの裏技の秘密とは!?

スイカならではの爽やかな香りは
「スミレ葉(は)アルデヒド」と「キュウリアルコール」によるものですが
その名が示す通り、キュウリにも同じ香り成分が含まれています。

例えばトマトとイチゴ、サツマイモとはちみつのように
同じ香りをもつ食材を組み合わせ、
料理に統一感と深みをもたらすことを「フードペアリング仮説」と言います。

さらに、キュウリに含まれる苦みには
スイカの甘味を引き立てる効果もあります。

シェフは、スイカとキュウリを組み合わせ、
匠のスイカの爽やかな香りと甘味をさらに引き立てたのです。