過去の放送

2016年5月21日放送 「新茶 〜静岡県藤枝市〜」

『新茶の香りの秘密を求めて』ロケ地:静岡県藤枝市

今回注目する食材は、静岡県産の“新茶”。日本の食文化にほれ込み、来日して22年になるフランス人パティシエ、サントス・アントワーヌさんと、元プロビーチバレー選手の浅尾美和さんが、新茶の香りの秘密を求めて静岡県藤枝市を訪れる。

藤枝市は玉露の産地としても有名だと聞いた2人は、まず道の駅“玉露の里”へ。ここで玉露をいただいた2人は、その甘い味わいに感嘆する。番組では、手揉み特有の育て方や、湯の温度によって茶の味がどう変化していくかを解説する。

その後、2人は手揉み茶の匠・住田恵朗さん(75歳)に会いに行く。住田さんは手揉み茶の世界において今や国内でただ1人しか認定されていない“永世名人”の称号を持つ人物だ。

実は今が1年で最も忙しい時期だと聞いた2人は、茶摘みを手伝うことに。そして摘んだ茶葉を、住田さんにすぐに手揉みで煎茶にしてもらう。住田さんは摘んだ茶葉を、蒸してほぐした後、こねる、揉むなどの作業を繰り返し、乾燥させながら煎茶に仕上げていく。
わずか100gの茶を作るのに、およそ6時間の作業…。精魂こめて手で揉んだ貴重なお茶を住田さんに入れてもらうと、その味わい、香りはまさしく極上!
さらに、“お茶の葉そのままの天ぷら”など、茶を生かした料理をご馳走になって、2人は大満足する。

続いて、サントスシェフが感謝の思いを込めて、茶を使ったスイーツ作りに取り掛かる。出来上がったのは、何層にもわかれたキュートなスイーツ“モンパルフェ”。抹茶のクレームダンジュ、抹茶のマシュマロ、茶葉をそのまま使ったクッキーなどが組み合わさった、さまざまな食感を楽しめるスイーツだ。中でも、ふわふわの食感の抹茶のクレームダンジュに、浅尾さんは感動する。

また、東京に戻ったシェフは都内の自身の店で、茶の香りとしっとりふわふわの食感が特徴の抹茶スイーツを作る!
はたして、サントスシェフが生み出した、絶品の抹茶スイーツとは…!?

今回のシェフ・レポーター

浅尾美和(元プロビーチバレー選手)
サントス・アントワーヌ(『クリオロ』パティシエ)

地元の匠

住田恵朗さん(茶匠)

地元の店

道の駅「玉露の里」
藤枝市岡部町新舟1214-3
TEL:054-668-0019

今回登場した料理

道の駅 玉露の里
「玉露と和菓子」

住田恵朗さん
「手揉み茶」

住田すみ江さん(奥様)
「新茶の天ぷら」

住田すみ江さん(奥様)
「水出し緑茶」

サントス・アントワーヌシェフ
「モンパルフェ」

サントス・アントワーヌシェフ
「ルレ・マッチャ」

サントス・アントワーヌシェフ
ウォーターカッター(ドイツ製)

水の圧力で形を崩さずにカットできるマシン。
コンピューター制御で複雑な形も自由自在。

『新茶』

手揉み茶がおいしい理由

キーワードは「テアニン」

摘んだお茶の葉にお湯を注いでも、細胞がしっかり結びついているのでうま味成分はあまり溶け出しません。
しかし、手で揉むと組織がほどよく壊れてうま味成分が溶けやすくなり、おいしいお茶になるのです。

日本茶の味を表現するのは、「甘味」「渋み」「苦味」という3つの味。
甘味やうま味の元となるのが「テアニン」、渋みは「カテキン」、苦味は「カフェイン」によるものです。

玉露や匠の茶畑に覆いをかけて日光を遮るのは、甘味やうま味を保つため。
お茶の葉に日光が当たると、テアニンがカテキンに変わり、甘味が減って渋みが強くなってしまうんです。

また、抽出する温度も影響します。
温度が低いと、カテキンやカフェインが溶けだしづらいため、テアニンの割合が多くなるので、甘くてうま味が強いお茶になるんです。

抹茶とスイーツのおいしい関係

キーワードは「テアニン」

生クリームとチョコレートやコーヒー、合いますよね?
生クリームの味は、主に「甘味」と「うま味」なので、チョコやコーヒーの「苦味」が合います。
抹茶には、「甘味」や「うま味」の他に「苦味」や「渋み」もあるので、甘味を引き立て、スイーツの味わいを豊かにしてくれます。

元々、和菓子と一緒にいただくものですから合うのも当然ですね。