過去の放送

2016年5月7日放送 「〜愛媛県 宇和島 新ジャガイモ〜」

『豊後水道を望む宇和島の段々畑で育てる新ジャガ』ロケ地:愛媛県宇和島市

今回注目する食材は、愛媛・宇和島産の新ジャガイモ。そのおいしさの秘密を求めて、素材にこだわった創作料理で高い評価を得ている米村昌泰シェフと元大関・把瑠都さんが現地を訪れる。
通常のジャガイモは熟したものを収穫するため、ホクホク感を感じやすくなるのに比べて、新ジャガは完熟する前に収穫するため、みずみずしい味わいと皮ごと食べられるのが特徴。しかし、そのみずみずしさゆえに、食感はホクホクではなくシャキシャキだといわれている。今回はその常識を覆す、ホクホク感をも味わえる特別な新ジャガの秘密を探っていく。

国の重要文化的景観に選定されている愛媛県宇和島の名所、遊子水荷浦(ゆすみずがうら)の段畑。そこで生み出されているのが、今が旬の新ジャガイモだ。米村シェフと把瑠都さんは、この段々畑の新ジャガ栽培の匠・鳥井康幸さんと出会う。鳥井さんは代々続く段々畑農家。ここ遊子水荷浦の段畑は高さ約60メートル、平均傾斜40度の急斜面に約60段、設けられており、石を手で積み上げて作られた石垣が階段状に連なっている。
1段の幅がたった1メートルほどしかない急な段々畑で、2人は新ジャガの収穫を体験!
さらに、石垣の補修も手伝う。大変な農作業で新ジャガが育まれていることを知った2人は、鳥井さんたちの苦労に敬服する。
実は、段々畑で育った新ジャガのおいしさの鍵を握るのは、把瑠都さんが補修を手伝った石垣だという。はたして、石垣にはどんな効果があるのか…!?

補修を終えると、“段畑を守ろう会”の女性メンバーがご馳走を持ってきてくれた。とれたての新ジャガのネギ焼き、みそで炒めた新感覚のみそ肉ジャガなど、メンバー自慢の新ジャガ料理に舌鼓を打つ2人。
伝統の段々畑をこれからも守っていきたいという匠たちの熱い思いに感動した米村シェフは、恩返し料理をふるまうことに。「甘くて子どもたちも楽しめる新ジャガ料理を作る」という米村シェフ。完成したのは、“新ジャガのハチミツバター和え”。この料理に秘められた、米村シェフならではのテクニックとは…!?
さらに、東京に戻ったシェフは都内の自身の店で、段々畑の新ジャガを使った極上の一皿を作る。はたして米村シェフはどんな新ジャガ料理を作り出したのか…!?

今回のシェフ・レポーター

米村昌泰(『レストラン よねむら』オーナーシェフ)
把瑠都(元大関)

地元の匠

鳥井康幸さん

地元の店

[米村シェフ料理の調理場所・試食場所]
「だんだん茶屋」
愛媛県宇和島市遊子2323-3
TEL:0895-62-0091

今回登場した料理

段畑を守ろう会の奥様方による料理
「新ジャガのみそ肉ジャガ」
「鯛飯のおにぎり」
「新ジャガの酢の物」
「新ジャガのネギ焼き」

米村シェフの料理(宇和島)
「新ジャガのハチミツバター和え
低温ローストポーク添え」

米村シェフの料理(都内店舗)
「3種の食感 新ジャガカレー」

米村シェフの店の紹介料理
「春野菜のオードブル」

米村シェフの店の紹介料理
「朝掘り筍と鯛のサラダ」

『新ジャガイモ』

遊子水荷浦の新ジャガのおいしさの秘密
キーワードは『石垣』

普通、新ジャガは茎が青く、十分成熟する前に収穫するので、デンプンが少なく、加熱してもホクホク感が少ないが、遊子水荷浦の段畑の新ジャガは成熟しているからホクホク感がある。
このホクホク感を生み出すのが、段畑の石垣。
石垣は昼間、太陽熱を吸収して土を温め、夜間の温度低下を防ぐ。
石垣の保温効果により、霜が降りにくく段畑のジャガイモは冬の間もよく成長し、デンプンを蓄えるので、ホクホクの新ジャガになる。
また、段畑に吹く潮風に含まれる、適度なマグネシウムがジャガイモを甘くすると考えられている。