過去の放送

2016年3月19日放送 「金目鯛 いちご チーズ」

『春の房総 匠たちのスペシャルフルコース』ロケ地:千葉県 房総半島

今回は、春の気配をいち早く感じられる房総半島が舞台。イタリアンの巨匠・片岡護シェフと世界的パティシエ・氏が房総半島でとれる数々の恵みの秘密に迫ると共に、生産者ファミリーの絆を紹介。感謝の思いをこめて、“春の房総フルコース”をふるまう。さらに今回は特別に、生物学者の福岡伸一教授がおいしさの科学を解説!
福岡教授は、イチゴの酸味と甘味に関する興味深い実験を披露!今回、解き明かされるイチゴの謎とは…!?

まずは、片岡シェフとさん、早見優さんが金目鯛のおいしさを探るため、勝浦市の浜行川漁港へ。漁師歴50年の匠・野村敬治(よしはる)さん、そして父と共に船に乗る娘・友紀さんに出会う。勝浦沖でとられた金目鯛で、11月から6月に漁獲された700グラム以上のものは“外房つりきんめ鯛”という名で、“千葉ブランド水産物”の認定品となっている。
野村家で“煮付け”や“刺身”などをご馳走になった3人は、脂ののった金目鯛に大興奮!しかし、当の敬治さんは魚の臭みが苦手で、一口も手をつけない。それを見た片岡シェフは、魚が苦手な人でもおいしく味わえる“金目鯛のイタリアンしゃぶしゃぶ”を作るが、そこにはどんなシェフの技が隠されているのか…!?

また、パティシエのシェフは元プロビーチバレー選手の浅尾美和さん、プロフィギュアスケーター・織田信成さんと共に、勝浦市の北、一宮町(いちのみやまち)へ。実は、この町にシェフが注目するイチゴ作りの匠、近藤正博さん兄弟がいるのだ。近藤さん兄弟が作っているイチゴは、26種類もあり、赤、黒、白…など彩りも豊か。近藤さんはイチゴの甘さを増すため、水にあるものを加えてイチゴに与えているというが、はたして何を入れているのか…!?
近藤ファミリーの歴史を聞いて胸を打たれたシェフは、近藤さんが育てたイチゴを使って、絶品スイーツ“いちごのミルフィーユ ピスタチオアイス添え”を作る。

そして、片岡シェフとシェフ、元プロ野球選手の古田敦也さん、さん、浅尾さんは、世界に認められたチーズとそのチーズを生む牛乳を求め、いすみ市へ。牧場を経営するさんファミリーを訪ねる。ここで育てられる牛は国内で数々の賞を受賞し、その牛のミルクから作られるチーズは世界の品評会でも最優秀賞を受賞している。そんなチーズを作っているのは、チーズ職人の吉見真宏さん。一同は、さん親子の秘話と絶品チーズに感動!

最後は、金目鯛漁師の野村さん親子、イチゴ生産者の近藤さん兄弟、酪農家のさん親子を招いて片岡シェフ、シェフがスペシャルメニューを作り上げる。いったいどんな春の房総フルコースが出来上がるのか…!?

今回のシェフ・レポーター

片岡 護(『アルポルト』オーナーシェフ)
(『モンサンクレール』オーナーシェフ)
浅尾美和(元プロビーチバレー選手)
織田信成(プロフィギュアスケーター)
(タレント)
早見 優(歌手)
古田敦也(元プロ野球選手)

福岡伸一(生物学者、青山学院大学教授)

地元の匠

野村敬治さん、野村友紀さん(漁師)

近藤正衛さん、長谷川せつ子さん、近藤正博さん(イチゴ農家)

さん、奈緒美さん、温香さん(酪農家)

吉見真宏さん(チーズ生産者)

地元の店

「近藤いちご園」
千葉県長生郡一宮町一宮9177-7
TEL:0475-40-6115


〒298-0106 千葉県いすみ市須賀谷1339-1

今回登場した料理

片岡シェフ
「金目鯛のイタリアンしゃぶしゃぶ」

シェフ
「イチゴのミルフィーユ ピスタチオアイス添え」

シェフ
「大地の力 チーズフォンデュと自然の恵み」

片岡シェフ
「金目鯛のブルーチーズソース 〜菜の花とイチゴ添え〜」

片岡シェフ
さんの5種チーズペンネ カリカリベーコン添え」

シェフ
「ソレイユフロマージュ」

脂たっぷり!金目鯛 おいしさの秘密

草野満代
(ごはんジャパン
ナビゲーター)

福岡伸一
(生物学者、
青山学院大学教授)

草野「なぜ金目鯛って、こんなに脂がのっているのですか?」

福岡「その前にまず、金目鯛はなんで目が大きいか知ってますか?」

草野「たしかに、大きい」

福岡「金目鯛は、深い海の光がなかなか届かない所で生きていて、出来るだけ沢山の光を集めようとしている。生存競争の結果、そういう能力を身に付けたんです。
普通の魚は”浮き袋”があって、そこに空気を入れて浮いたり抜いて沈んだりするんですけど、深海なのでもの凄い水圧がかかって、浮き袋はあんまり役に立たない。その代わりに、脂は水より軽いでしょ?身体の中に沢山脂を取り入れて、浮き袋の代わりにしているんです」
※諸説あります

草野「へえ〜」

福岡「その進化の戦略が、巡り巡っておいしさに繋がったんです!」

イチゴの甘味の秘密!?

イチゴとみかんの味を比べると・・実はイチゴの方が甘味が少なく、苦味や渋味が多いのです。

甘味、酸味、苦味、渋味、うま味など、人間の味覚には、相互作用があり、酸味や苦味、渋味、うま味には甘味を強調する働きがあります。
イチゴには酸味や苦味、渋味、うま味などがバランスよく含まれているので、スイーツの甘味を引き立ててくれるのです。

福岡「人間の舌の上の味覚っていうのは相互に協調し合ってるわけなんです。ほかの味と共同作業で1つの味が強調されたりするんです。甘味を強調する酸味と苦味とうま味、渋味これが非常にバランスよくイチゴの中に入っているんですね」