過去の放送

2016年3月12日放送 「〜福岡県糸島市 ハマグリ〜」

『手掘りで獲る天然ハマグリ』ロケ地:福岡県糸島市

今回注目する食材は、貴重な“国産の天然ハマグリ”。フレンチに和のテイストを取り入れた独創的な料理が国内外で高い評価を受けている創作料理の匠・米村昌泰シェフと、女優の櫻井淳子さんが福岡県糸島市を訪ね、ハマグリのおいしさの秘密を探っていく。

まず2人が訪ねたのは、まだ夜明け前の加布里漁港。ハマグリ漁の匠・(やまさき・かずじ)さんと共に、漁場へ向かうことに。
さんをはじめとするハマグリ漁師たちで作るハマグリ会のメンバーに混じって、鎌を手に漁のお手伝いに精を出した米村シェフ。波に押されないよう、足を踏ん張ってハマグリを探すが、はたして天然ハマグリをとることはできるのか…!?

漁を体験した2人は、さんが見せたいという場所へ。案内してくれたのは、加布里の海に注ぎ込む泉川の河口。川の中程にある干潟を掘ると、そこにはハマグリの稚貝が…!
さんによると、ハマグリの稚貝は塩水と山のキレイな水が交わる河口で過ごし、成長した後、再び海に戻っていくという。おいしいハマグリを育てるには山から生まれるキレイな水が必要不可欠なため、漁師たちは年に一度、植林活動に協力している。番組では、そんな加布里でおいしい天然ハマグリが育つ秘密を科学的な視点から探っていく。

山から戻った2人は、ハマグリ会の女性漁師たちが用意してくれたハマグリづくしの昼ごはんを味わう。お吸い物、炊き込みごはん、フライなど、天然のハマグリをふんだんに使った地元の漁師飯に舌鼓を打つ。
お世話になった漁師の人々、そしておいしいハマグリを育てる海と山への感謝の気持ちを込めて、米村シェフが恩返しの料理を作ることに。
米村シェフがひらめいたのは、“春の山菜と天然ハマグリのリゾット”。ハマグリに木の芽、ふきのとうなど、ひと皿に春の海と山を盛り込んだ一品だ。ジャンルにこだわらない米村シェフならではの発想が生きたリゾット、そのおいしさの秘密とは…!?
さらに都内の自身の店に戻ったシェフは、天然ハマグリのうま味を極限まで引き出した、絶品料理を作り出す。いったい、そのメニューとは…!?

今回のシェフ・レポーター

櫻井淳子(女優)
米村昌泰(レストランよねむら オーナーシェフ)

地元の匠

さん(ハマグリ会会長)

地元の店

米村シェフの調理場所
「惣菜畑がんこ」
福岡県糸島市加布里950-1
TEL:092-323-5135

今回登場した料理

ハマグリ会の女性漁師による料理
「ハマグリのお吸い物」

ハマグリ会の女性漁師による料理
「ハマグリの炊き込みごはん」

ハマグリ会の女性漁師による料理
「ハマグリフライ」

米村昌泰シェフ
「春の山菜と天然ハマグリのリゾット」

米村昌泰シェフ
「天然ハマグリのブイヤベース」

米村昌泰シェフ
「すっぽんの焼リゾット
ふぐの白子と卵醤油のエスプーマ」

米村昌泰シェフ
「丹波の和牛と高坂鶏のアンサンブル」

『ハマグリ』

ハマグリのおいしさの秘密(1)
キーワードは「ミネラル豊富な川」

日本産の天然ハマグリは、今や環境省のレッドリストに登録された絶滅危惧種。貴重な資源を守るため、11月から3月までの5か月だけ漁が許されています。獲ってよいのは5センチ以上に成長したハマグリだけ。一人が1日に獲る量も制限されています。
元々ハマグリの産地として有名だった加布里は、70年代後半、乱獲のためその数は激減。そこで、地元の漁師たちが協力して漁獲量の調整を始め、さらに、ハマグリの育つ環境を守るため、植林活動に協力しました。クヌギやカエデといった落葉広葉樹の落ち葉は微生物の栄養となり、ミネラル豊富な地下水が、山から湧きだし、川になります。森を守ることは、水を守ること。ミネラル豊富な水が、おいしいハマグリを育てるのです。

ハマグリのおいしさの秘密(2)
キーワードは「ダブルスープ」

ハマグリはうま味成分がたっぷり、濃厚で上品な味わいがあります。米村シェフがハマグリから出る汁、いわゆるハマグリジュースを使ったのは、このうま味を無駄なく生かすため。
鶏ガラのスープとハマグリから出る汁を合わせダブルスープにすることで、相性抜群の味を引き出したのです。