過去の放送

2015年11月7日放送 「サツマイモ」

『守り継がれる伝統の“紅赤”』ロケ地:埼玉県川越市/三芳町

今回注目する食材は、サツマイモの“紅赤(べにあか)”。ホクホクの食感と、どこか懐かしい自然な甘さを持つ紅赤のおいしさの秘密を探るため、世界の食通たちが訪れる名店“てんぷら 近藤”の店主・近藤文夫シェフと真琴つばささんが、埼玉・川越を訪れる。

風情ある蔵造りの街並みが残る、川越。小江戸とよばれ、多くの観光客が訪れている。まず2人が訪れたのは、サツマイモ専門の日本料理店。ここには、紅赤を使った究極の料理があるという。
2人の前に現れたのは、白く大きな塊…!これは、塩の中に紅赤を丸ごと入れた“紅赤の塩蒸し焼き芋”で、江戸時代に最もおいしいサツマイモの食べ方とされていた料理なのだという。
塩蒸し焼き芋を味わって、改めて紅赤のほのかな甘味と香りを確認した2人は、紅赤を育てる生産者を訪ねることに…!やって来たのは、川越の南に隣接する三芳町。元禄時代から300年続く農家の12代目・伊東藏衛さん(65)は、紅赤作りの匠。真琴さんが収穫の手伝いにチャレンジしたところ、川越地方のサツマイモがおいしい理由が次々と明らかに…!そのおいしさの秘密は、大地に舞い落ちるあるモノ、そして地下の貯蔵庫に隠されていた…!?はたして、サツマイモをおいしく育てる秘訣とは…!?
また、2人は伊東さん一家に、いつも食べているサツマイモ料理“紅赤のコロッケ”をごちそうになり、大満足!

次は、紅赤の味に感動した近藤シェフがお礼に料理!“てんぷら 近藤”の名物といえば、円筒状のサツマイモの天ぷら。通常、店ではベニアズマという品種を使っているが、シェフはかねてから紅赤を天ぷらにしたいと思っていたという。
いよいよ、憧れだった紅赤を使って天ぷらを揚げる近藤シェフ。紅赤のおいしさを引き出すために独自の切り方を披露するが、そこにはいったいどんな匠の技が…!?

今回のシェフ・レポーター

真琴つばさ(歌手・女優)
近藤文夫(てんぷら 近藤 店主)

地元の匠

神山正久さん(いも膳)

伊東藏衛さん(サツマイモ農家)

地元の店

「いも膳」
埼玉県川越市小室15-1
TEL:049-243-8551 FAX:049-241-7050

今回登場した料理

神山正久さん「サツマイモの塩蒸し焼き芋」

伊東久子さん「サツマイモのコロッケ」

伊東久子さん「紅赤の皮のチップスサラダ」

伊東久子さん「サツマイモのちりめんじゃこ焼き」

近藤文夫シェフ「紅赤の天ぷら」

近藤文夫シェフ「紅赤と秋野菜のかき揚げ」

『サツマイモ』

“落ち葉”においしさの秘密あり!?

伊東さんのサツマイモ畑の肥料の元は、「落ち葉」。

伊東さんは年が明けると、林中の落ち葉をかき集め、
3ヵ月以上発酵させます。
こうして出来上がるのが、栄養たっぷりの堆肥。
これを畑に撒くことで土を活性化。さらに、
土がふかふかになるので、芋が成長しやすく
甘くて大きな紅赤ができるそうです。

近藤流のサツマイモてんぷらの秘密とは!?

近藤さんは、「てんぷらは揚げ物ではなく、蒸し物。
衣の中で、素材を蒸す調理法」だといいます。
衣はカリッと、中は蒸したようにジューシーに仕上げるのが
近藤流。
焼き芋の美味しさに勝るてんぷらを作ろうと
生み出したのが、あの名物のサツマイモの天ぷら。

大きな塊にじっくり火を通すことで、
ホクホクの食感と、上品な甘味を引き出しています。
ただし、大きな塊に均等に火を通すのは、まさに匠の技。

これはちょっと真似できませんが、
今回、紅赤で試したように、2センチほどの厚さに切り、
余熱を利用すれば、家庭でも美味しく揚げられるそうです。