過去の放送

2015年10月3日放送 「みそ」

『信州の里が育む 手作りみそ』ロケ地:長野県須坂市

今回注目する食材は、信州みそ。名店『つきぢ田村』三代目の田村隆氏と、ロンドン五輪銅メダリストである元水泳選手の寺川綾さんが、長野県・須坂市の味噌蔵を訪ね、信州みそのおいしさの秘密を探っていく。

長野県の北東部に位置する、須坂市。中心部には蔵造りの建物が並んでおり、昔からこの建物を生かしたみそ作りが盛んな街だ。
2人が訪ねたのは、みそ作りの匠がいる“中村醸造場”。三代目の主人・中村元保(もとお)さんの腕前は、長野県の卓越した技能者に贈られる“信州の名工”として認められるほどで、現在は跡継ぎの友紀(ゆうき)さんと共に伝統の手法を守っている。

信州みその原料は、大豆と塩と米麹の3つだけ。これらを熟成し寝かせることにより、風味豊かな味に仕上がるという。中村醸造場では豆と麹の配合によって辛口、中甘、甘口のみそを作っているが、その味わいに大きく影響するのが米麹。機械で大量に仕込む醸造場が増えている中、中村さんは機械を使わず、すべて手作業で行うことにこだわっているという。
2人は中村さんの味噌蔵を見学し、手間暇かけ、繊細に熟成させていく伝統のみそ作りに感動! そして、蔵でしか見ることのできない“みその卵”“みそだまり”を味見! はたしてその味とは…!? また、番組ではおいしいみそが生み出される秘密を、科学の視点から迫っていく。
その後、中村さんの家庭のみそ汁と、みその街・須坂市で昔から食べられている“みそすき焼き”をいただき、2人はやさしい味わいに感激!
そんな匠のこだわりに共鳴した田村シェフが、中村さんのみそを使って、お礼の料理を作ることに…! 信州みその匠と和食の達人である田村シェフ…。2人の作り手のコラボは、どんな料理を生み出すのか…!?

今回のシェフ・レポーター

寺川綾(水泳・オリンピック銅メダリスト)
(つきぢ田村 三代目)

地元の匠

中村元保さん(中村醸造場)

地元の店

「中村醸造場」
長野県須坂市本郷町726-1
TEL:026-245-1102 FAX:026-245-1369

今回登場した料理

中村元保さん「みそ汁」

中村元保さん「みそすき焼き」

田村隆シェフ「田村流 肉みそそば」

田村隆シェフ「鴨肉のサンドイッチ」

『みそ』

みその甘味を生む米麹

みその熟成が進むと、塩味が丸くなります。
これを「塩馴れ」といい、塩分濃度は変わらないのですが実際に舌で感じる塩辛さが減ります。

また麹菌の酵素は、お米や大豆のタンパク質を少しずつ分解して、甘味とうま味を生み出します。

みその熟成が最も進むのは、気温が30度前後の時で、
主に大豆のたんぱく質がアミノ酸に分解されてうま味に。
お米のデンプンが糖に分解されて甘味になります。

匠は米麹と大豆の配合を変えることで、甘口から辛口まで
違う味に仕上げているのです。

みそとお肉のおいしい関係

みそに含まれる分解酵素には
タンパク質をアミノ酸に変え、
うま味をアップさせる効果があります。

肉や魚をみそ漬けにすると美味しくなるのはこのためです。

さらにこの分解酵素には肉や魚を柔らかくする効果もあります。
そのため、煮込み料理にもみそは重宝されるんです。