過去の放送

2015年9月19日放送 「飛騨野菜」

『高山の飛騨野菜に出会う』ロケ地:岐阜県高山市

今回取り上げる食材は「飛騨野菜」。
女優の藤吉久美子さんと、イル ギオットーネの笹島保弘シェフが、岐阜県高山市を訪ねる。
飛騨地方ではこの時期、夏野菜と冬野菜がいっぺんに育つという。
なぜそんなことができるのか?2人はその理由を探しに農家を訪ね、その秘密を探ることに。
その後2人は、飛騨野菜を使った料理が食べられるという地元の日本料理店を訪ねる。
飛騨の食材に惚れ込み、東京から高山に移転したという地元の匠が作る飛騨野菜を使った料理は、見た目も美しい仕上がりに。果たしてどんな料理が出てくるのか。
さらに、お世話になった農家さんたちを招いて、笹島シェフからお礼のオリジナル料理をプレゼント!飛騨野菜に合わせる意外な食材を使った料理とは?

今回のシェフ・レポーター

藤吉久美子(女優)
笹島保弘(イル ギオットーネ オーナーシェフ)

地元の匠

瀬谷賢司さん

地元の店

「日本料理 瀬谷」
岐阜県高山市七日町2-198
TEL:0577-62-9295

今回登場した料理

瀬谷賢司さん
「飛騨野菜絹田巻き 利休酢倉かけ」

笹島保弘シェフ
「宿儺かぼちゃと鶏ミンチの簡単ラビオリ
大根のソース」

笹島保弘シェフ
「含め煮にした大根と『天使の海老』
宿儺かぼちゃのソースで」

『飛騨野菜』

飛騨トマトのおいしさの秘密
キーワードは「太陽と温度の素敵な関係」

トマト栽培が盛んな丹生川地区は、東西に町が広がっており、日照時間が長く、日の出から日没まで目いっぱい陽が当たります。
一般的に野菜や果物は、日照時間が長いほど甘くなります。光合成で糖を多く作りだし、蓄えるからです。
しかし気温が高すぎるとトマトは、すぐに熟してしまい糖を十分に蓄えられず、甘くなりません。
その点、飛騨の丹生川地区はこの時期、最高気温もトマトの栽培に適した25度前後のため、トマトはゆっくり熟し、甘味をたっぷり蓄えるというわけです。
また、さらに昼と夜の寒暖差も、甘さを生み出します。
野菜や果物は、日が落ちると光合成ができなくなるので、昼にためた糖をエネルギーとして使います。
この時、気温が低いと活動が抑えられ、糖をあまり使わずにすむため、トマトが、より甘くなるのです。
飛騨トマトが育つ標高600メートルの地域の9月の最高気温は、東京と1.5℃ほどしか変わりません。でも最低気温は、なんと6℃以上の差。この寒暖差が甘いトマトを育てるのです。

このように農家の人たちは、飛騨の地形と寒暖差をうまく利用して栽培を行っているのです。

宿儺かぼちゃのおいしさの秘密
「湧き水」

多くの作物は、弱酸性の土壌で良く育つと言われています。
しかし日本は雨が多い国。雨は大気中の二酸化炭素を溶し込んでいるため、多く降ると土壌が酸性になってしまうんです。
しかし、ここ飛騨地方を囲む山々は大昔、海から隆起してできたため、地層には、海中のサンゴなどからできた石灰岩が多く含まれています。その石灰岩の中を、時間をかけゆっくりと通って出てくる飛騨の湧き水は、石灰質を豊富に含んだ弱アルカリ性。
この水を畑に引いて使うことで、酸性の土壌が弱酸性となり、宿儺かぼちゃ栽培に最適な土ができるというわけです。