過去の放送

2017年2月4日放送 「海苔」

『出雲の最高級海苔 “十六島海苔”』
ロケ地:島根県出雲市

今回注目する食材は、島根県出雲市十六島(ウップルイ)産の海苔。そのおいしさの秘密を求めて、寿司職人・青木利勝氏と俳優・神保悟志さんが現地を訪れる。さらに、青木氏が出雲で旬の魚介を握りつくす…!

島根半島の先にある、十六島。
2人が訪ねたのは、海苔漁の“匠”・渡部喜美枝(わたなべ・きみえ)さん(67歳)。十六島で海苔漁を行っているのは約20人で平均年齢75歳。この道40年の渡部さんでも若手に当たるという。
さっそく、渡部さんの漁に密着することにした2人。だが、車に同乗させてもらったところ、なぜかどんどん山へ登っていくため、ビックリ。車を降りた後は、傾斜のある岩だらけの山道を徒歩で移動。たどり着いたのは通称“海苔島”とよばれる、日本海に面した平らな岩場だった。
実は、一般的な“板海苔”は養殖海苔を加工したものだが、十六島の海苔は天然の“はぎ海苔”とよばれるもの。十六島沿岸は元々、“海食台(かいしょくだい)”とよばれる崖を波が削ったことで生まれた台地で、このような海苔島は海苔漁を行う家庭1軒につきひとつ所有し、それぞれ自分の島で海苔を摘んでいるという。
収穫は年に1度、冬の短い時期だけ。冬の日本海は波も荒いため、作業は常に危険と隣り合わせだという。
さらに、渡部さんへの恩返しの気持ちを込めて、調達した食材と十六島海苔を使った握りをふるまうことに。はたして青木氏は、出雲の海の幸をどう握るのか…!?

今回のシェフ・レポーター

神保悟志(俳優)
青木利勝(銀座 鮨青木 店主)


地元の匠

渡部喜美枝さん


地元の店

「以久満」
島根県出雲市平田町2236-8
TEL:0853-62-2248



今回登場した料理

青木利勝さん
「しじみの握り」

青木利勝さん
「甘鯛に塩昆布」

青木利勝さん
「ゆずジャム漬けブリの握り」

青木利勝さん
「松葉ガニの手毬ずし」

青木利勝さん
「あん肝と干柿の最中」

青木利勝さん
「白魚酒蒸しと十六島海苔の握り」

『十六島海苔』

海と風と太陽の恵み「十六島海苔」

十六島海苔とは岩海苔の一種で、波が運ぶ海苔の「胞子」が
岩について成長したもの。
海苔島は満潮の時でも水面より少し高いが、波をかぶるので
海苔は同じ方向を向き、太陽と風を浴びて乾燥すると
お互いにはりついて板状にかたまる。
波に洗われ、太陽と風を浴びて乾燥する。
そんな仕組みを生み出すのが海苔島の絶妙なかたち。
「海食台」と呼ばれる波が侵食した岩場を明治時代から人々が削り平らにしてきた。
十六島海苔は、海と風と太陽と人々の努力が生んだ奇跡のような海苔だった。