(元気のヒミツ) 周囲のサポートや理解がないと育児との両立は難しいということを痛感する毎日です

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 アナウンサーという仕事は、私にとって大好きな仕事なので、結婚したときにも妊娠したときにも辞めるという選択肢はまったくありませんでした。出産後も何とかして仕事と両立したいということしか頭になかったのですが、現状としてまず子どもを預ける環境を探すのが難しいことや、ただ自分が働きたいからといってすぐに戻れるものではないということを痛感しましたね。自分自身も保育園を見つけるのに苦労しましたし、待機児童の問題はとても気になります。働きたくても働けないママもたくさんいるという現状が早く解決されるといいなと思います。
 主人も双方の両親も私が働くことに賛成して、応援してくれているので、その言葉に甘えて、子どもの体調が悪いときなど頼ってしまうことも多々あります。幸い私の実家も主人の実家も近いので、双方の両親に協力してもらうことも。「あさナビ」のオンエアがある土曜日は、基本的には主人が見てくれているのですが、出張や仕事があることも多いので、そんなときは私の実家に泊まって、夜中に実家から出社しています。会社もすごく理解を示してくれて、どうしてもというときは仕事を変わってもらったり、時間帯を調整していただくことも。家族や会社に支えられないと、自分ひとりだけでは育児との両立は難しいということを痛感しています。

Advice Point 子育てしながら働くママ、産休・育休中のママへの心強いアドバイス!

Advice 1 産休・育休を経て、職場復帰する際の心構え
 復帰にあたって大きなブランクや不安を持つのは当然のこと。出産後はまったく外に出られない時期があったり、他人と関わる機会が少ないため、社会との隔絶を強く感じることが多く、焦りや不安、自信の喪失といったネガティブ思考になってしまいがち。復職後も短時間勤務や育児と仕事の両立などで焦りがちだが、この時期はそれでいいと理解することが重要。周囲の支えや理解、家族に家事を協力してもらうことで、仕事と家庭両方をこなさなければいけないというプレッシャーを軽減して欲しい。

Advice 2 職場復帰に必要なこと
 堂アナが出産後も何とかして仕事と両立したいと考えていたのは最も重要。産休・育休から職場復帰する時には、保育園や託児所の待機児童が問題になるが、復帰する人は強い意志を持っており、育児との両立のためにあらゆる選択肢を考えているため、復帰への道が生まれるのだと思う。諦めず、復職したいという熱意を行動で示していれば、方法は見つかるはず。
 もちろん法で定められている産休・育休制度や短時間勤務という義務を、企業側に求めることも重要。堂アナの場合、職場としての理解がある上、同じ職場に同様に子どもを持ちながら働く先輩がいて、企業としてだけでなく上司という現場レベルで理解・サポートしてくれる環境があるのはとても大きい。

Advice 3 仕事と育児のバランス
 子どもと過ごす時間が短くなると不満も溜まるので、労働時間を短縮してできた時間や空いた時間は、できるだけ子どもと過ごすのがよい。堂アナが休みなどを家族と過ごす時間に使っているのは、非常にいい事。育児・家事などやることが多い中で、自分が本当に大事だと思うポイントを考えた時間の使い方をすることが重要。
 また、短時間の勤務や大変な仕事をさせないという職場の配慮に対する葛藤や、気を使われている事へのプレッシャーも意外と大きいが、育児に大きな比重をかける時間は子どもの成長とともに減るので、考え過ぎはよくない。周囲に対して申し訳ないと思うのでなく、素直に感謝することで心が軽くなるはず。
 子どもが3歳くらいまでは、自分は主役でなく脇役になるという意識で仕事をするのがお勧め。子どもが中心の生活の中でも、仕事への情熱をキープしながら、職場ではサポート的な存在として仕事を続ける事が重要。いずれ仕事の比率を増やしてもいい時期になったら、積極的に「自分は仕事がやりたい、できるんだ」というアピールを。テレビにはまだ母親の視点を持った番組が多いとは言えないので、堂アナにはぜひそのような仕事をして欲しい。

山口理栄(やまぐち・りえ)

育休後コンサルタント。筑波大学情報学類卒業後、総合電機メーカーに入社。ソフトウエアプロダクトの開発に携わる。コンサルティング会社を経て、2010年「育休後コンサルタント」を開業。育休後の社員が活躍できる組織作りに、企業と個人両方からのアプローチで取り組んでいる。

(元気のヒミツ) わからないことや困ったときは、心強い先輩たちに相談

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 アナウンス部には現在、私の他に野村真季アナウンサーと佐分千恵アナウンサーという働くママの先輩がいるので、仕事と育児の両立の秘訣や、子どもを持つ立場としての仕事をする上での心構えについて、よく相談しています。自分一人では迷ったり、心細かったりするので、本当に心強い存在ですね。うちの子も保育園に行き始めてから、体調を崩すことが多くなったので、お二人のお子さんが同じくらいのときは、体調管理はどうなさっていたのか、忙しい中でお料理はどうしているのか…などなど。でも、仕事中はママという雰囲気を全く見せないので、お二人が普段どういう生活をしているのか、とても気になっています。



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