児童福祉

児童福祉施設で生活する子どものための「スタディサプリ」学習支援
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 テレビ朝日福祉文化事業団は、児童福祉施設で暮らす子どもを対象に、㈱リクルートの運営するオンライン学習サービス「スタディサプリ」を無償提供する学習支援事業をはじめました。
 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、「児童養護施設で生活する高校生の海外生活体験の旅」や「農村ホームステイ体験の旅 in 遠野」など、毎年恒例の児童福祉事業が中止となる中、当事業団が今できることは何なのか検討した上で、年度途中での事業開始となりました。
 悪化した学習環境の改善を目的としたものですが、児童福祉施設で生活する子どもたちの将来の目標達成に向けた受験対策にも活用できるものです。

大きい教育格差
 児童福祉施設で生活する子どもたちと、一般の子どもたちの教育環境格差は兼ねてから指摘されているとおりです。一般の高卒者の73.6%が大学・専修学校等に進学しておりますが、児童養護施設では28.3%に留まっております。必ずしも大学・専修学校等に進学することが本人にとって良いこととは限りませんが、環境的・経済的な要因から進学を断念している子どもが多いのは明らかです。また、児童福祉施設で生活する子どもたちに、学習の遅れや不登校といった問題に苦労されている子が数多くいるのもまた事実です。当事業団としては、この学習支援によって児童福祉施設で生活する子どもたちが学業面で諦めざるを得ない状況を少しでも軽減することが、子どもたちの自立支援にも繋がって欲しいと考えています。

自分のレベルに合わせて学び直し、つまずきを解消できる
 スタディサプリはスマホやタブレット、パソコンで自習するために作られた学習サービス。小学4年生から高校3年生までに学ぶ5教科18科目について4万本以上の授業動画をそろえていて、好きなだけ学習することができます。
 そのため、学校の授業で理解できなかった単元や、どうしても苦手な科目など、自分に合った授業を学ぶことができます。また各単元について基礎・応用という2つのレベルがあるので、理解度レベルに合わせた授業を選択することが可能です。
 いつでもどこでも学習でき、解らないところをもう1回見たり、再生速度を遅くすることもできる。それでもわからなければ前の学年に戻ってつまずきを解消することができる。自分のペースに合わせて自由に学習することができるのがメリットです。

初年度から多数の喜びの声
 初年度の「スタディサプリ学習支援」は、関東地方の児童養護施設や母子生活支援施設など児童福祉施設で生活する82人の子どもたちに利用していただき、大学合格者も誕生しました。また、不登校によって施設内で勉強をしている子どもの学習環境の改善につながったなど、喜びの声を数多く頂戴しました。勉強を始めた子どもたちの学びを止めないためにも、次年度以降もこの学習支援を継続していくつもりです。

 この支援が、児童福祉施設で生活する子どもたちの夢や目標を達成する一助となればありがたいです。そこまで実現できなかったとしても、学校に行くのが難しかった子が学校に行くことができるようになる。勉強が嫌いだった子が勉強に取り組むことができるようになる。そういった前向きなご報告が少しでも聞かれることを期待します。

利用者へのアンケート(抜粋)

  • Tくん 中3
    自分は受験生だったのでとてもありがたかったです。分からない所はいつもスタディサプリを見ていたのでとても分かりやすかったです。おかげで入試の対策になりました。ぜひ来年も続けてほしいです。
  • Rさん 中3
    受験対策だけでなく、入所前に学校に通えていなかった範囲の学習にも役に立ちました。高校入学後は、部活やアルバイト等、多くの経験をしたいと思います。
  • Mさん 高3
    学校の授業ではわからなかったことが理解できました。ありがとうございます。今後も継続していただきたいです。
  • 児童福祉

    神奈川県の児童養護施設で生活していた高校生Oくん
    高校3年の9月の終わりに、日本史の教師になりたいと思い大学受験をすることにしました。受験直前で塾のカリキュラムはだいぶ進んでしまっています。一から勉強をし直すにはどうしたらいいか検討している時に、テレビ朝日福祉文化事業団のこういう制度があるよって教えてもらいました。 自分の部屋で、自分のスマートフォンの画面で毎日3~4時間、片っ端から主に日本史と英語の授業を見ていきました。そのおかげで第一志望の大学の文学部史学科に合格することができました。 日本史の授業がすごく魅力的で、受験勉強という枠を超えて、日本史が面白いなと気付かせてくれました。将来は日本史の研究者を目指したいと思っています。

  • 児童福祉

    埼玉県の児童養護施設で生活する中学生Aくん
    「人がいっぱいいる所が苦手」なので学校の授業は出席できていませんが、学校に行くかわりにスタディサプリで勉強できるので助かっています。 高校進学に向けて、教科書だけではわかりづらい理科と数学と社会でスタディサプリを利用しています。「自分のペースで勉強できるのが良い」と感じていて、施設のダイニングスペースで毎日2時間ぐらい授業動画を見ています。これからもスタディサプリで勉強していきたいです。

  • Q. この学習支援はいかがでしたか?
    Q. この学習支援はいかがでしたか?
  • Q. この支援を来年度も継続して欲しいですか?
    Q. この支援を来年度も継続して欲しいですか?
  • Q. この支援は学力向上に効果がありましたか?
    Q. この支援は学力向上に効果がありましたか?

期間:2020年11月~2021年3月末日
利用者:関東地方の児童福祉施設で生活する子ども82人(小学生25人、中学生39人、高校生18人)
主催:テレビ朝日福祉文化事業団
協力:㈱リクルート

こどもの国 お正月行事「ジャンボカルタとり大会」と「どんど焼き」
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響により例年とは違う開催内容となりましたが、こどもの国の新年の恒例行事、「ジャンボカルタとり大会」と「どんど焼き」が今年も開催されました。両行事ともにお天気に恵まれ、青空のもと中央広場で行われました。

「ジャンボカルタとり大会」 2021年1月2日(土)、3日(日)
 2日間に渡り開催された「ジャンボカルタとり大会」は、午前の部・午後の部に分かれて各回150名~200名が参加しました。少しでも密集、密接を避けるため参加会場の枠を二重にし、札を取る人と取らない人を分けるなど感染対策を取りながら行いました。
 ジャンボカルタとり大会の後は百人一首大会を行い、札を取った方には景品(お菓子)をプレゼントしました。
 3日の午後は参加者も多かったため、カルタとり大会を1回増やして開催しました。

「どんど焼き」 2021年1月10日(日)
 伝統的な正月行事の一つ「どんど焼き」では、参加者が持ち寄った松飾り・書初め・願い事が書かれた短冊を付けた笹の木などを櫓にくべて、厄払いや無病息災、諸願成就を願いました。
 丑年生まれの方には記念品をプレゼントしたほか、櫓の点火を行ってもらいました。点火の際には櫓周りに人が集まりましたが、距離を保つように注意喚起放送を行いながら参加者協力のもと、勢いよく燃え上がる「どんど焼き」を見守りました。
 テレビ朝日福祉文化事業団は、「どんど焼き」に参加する子どもたち先着350名に例年であれば焼き芋を配布するところ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で緊急事態宣言を政府が発令した直後の開催日だったため、今年は飲食物の提供を中止とし、「サツマイモ」と「ジャガイモ」をプレゼントしました。
 こどもの国が開園以来、約50年以上続いている二つのイベントは、新年の風物詩となっています。新型コロナウイルスにより活動が制限されている中でも、行事を楽しむ子どもたちの笑顔が印象的でした。

日程:2021年1月2日(土)、3日(日)、10日(日)
場所:こどもの国(神奈川県横浜市)
主催:(福)こどもの国協会
後援:テレビ朝日福祉文化事業団

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