Vol.46「自動計測システムが変?FINAが記者会見」
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27 AM13:50 Reported By 宮嶋泰子

今回の世界水泳でゴールをしたのにタイムが出ないケースがいくつかありました。
自動計時システムがおかしいのではないかという疑問が各国コーチからだされ、これに答える形で、FINAが記者会見を6月27日12時からプレスルームでおこないました。

FINAのスポークスマンとしてナムサミー氏が出席し、以下のような文面を読み上げました。

「自動計測器について、さまざまな疑問が投げかけれている。
自動計測システムが使用されるとき、FINAのルールによって、バックアップシステムが使用されることになっている。
このバックアップシステムはタイムや結果を左右するものではない。

今回FINAの裁定委員会はすべての抗議を聞き、それを検証した。
4×200では日本と英国の抗議を聞き入れ、米国を失格とした。
裁定委員会は自動計測システムはレース中完璧に作動していたと結論付けた。
しかし、時々自動計測システムに支障が出たことも確かである。これはスポーツに限ったことではない。
FINAの役員やジャッジはそのときそのときで修正を行ってきた。」

これより質疑応答が行われました。

Q--プレスリリースの最後に、「調整を行う」と書いてあるが、今回バックアップシステムを使用しなかったのはなぜか。
女子のバレスコフさんが0.06を0.01に修正したということを聞いているが、どうなのか。

私たちはここに書いてあるとおり、順当な手続きで作業をした。
裁定委員会はこのレースに関して、すべての事実を網羅して、ジャッジ、レフェリー、タイム担当からの調査もして、全会一致で決めた結論である。

Q--計測計器の問題で、今回の記録に対して不信感はうまれていないか。

それはない。すべてにきちんとした手順が踏まれている。

Q--問題となっているレースを思い出すと最初のリザルトが出されてその後、レフェリーのデスクに人が集まった。そして、2度目のリザルトが出された。
本来どういう手続きで作業がなされるべきなのでしょうか。

記者の質問に答えるセイコー担当者
 

ジャッジという立場であっても、人間の感情があります。感情があの日はプールサイドに充満していたと思う。早く通告しなければというプレッシャーがあった。
私はこれを合えてミスとよびだくない。悪意はそこにはなかった。難しい仕事をプールサイドで行わなければならないので私は敬意を払っている。

Q--ピーターの声にもあったが、ある程度の圧力がなければ作動しないという声があったが、なぜこれを採用したのか教えて欲しい。

セイコーのシステムは自動計測機として、世界中で何度もスポーツで使用されている。
今回組織委員会が選択をして、セイコーを選んだ。誤差に関してもこれはスイスタイムのものと同様である。
しかしながら実際泳いだ選手から不満が上がっているのもわからないわけではない。
今回の問題は競泳だから起こっているのではなく、どんなスポーツにも起こる問題です。

Q--欠陥があったとき、選手に迷惑がかかるのですよ。その認識はありますか?

全体のスイマーの満足を重視する野が、こうした大会をするときに重要なことです。しかし、結果は容認して欲しいです。我々はフェアーな精神で作業をしているのですから。
個人チームということで差別する要素は全くありません。最終的に出てきた結果に満足できない人はあるでしょうが、プロセスにおいて、満足できないという人がいることはありません。

Q--タイムの調整がなされる場合は、実際のタイムよりも遅いものをということですが、今回出された世界記録について、検証することはあるのですか?

世界記録に関しては変更の余地は全くありません。

Q--タイムの事が出ていますが、アーヴィン選手の記録が掲示されていなかったのですが、あれはバックアップシステムを使ったのですか?

セイコー担当者
 

最初に申し上げますが、表示されたタイムは正規のものです。タイムの表示はセイコーのタイム担当です。
FINAとしては各レースの順位、タイムを逐一チェックしているわけではなく、それをする立場でもない。

Q--私の質問はバックアップシステムを使ったのかどうかということです。

明らかに自動計測機に問題があって、バックアップシステムを使ったということでしょう。

Q--リレー予選でオーストライアチームも引継ぎで失格になるところだったが、民間のテレビ局の映像で、失格でないことを調べたそうだが・・・・

バックアップシステムと、テレビで見ることでは違いがあります。FINAのジャッジはバックアップシステムで見ていきます。
今日の場合はドイツが自ら抗議を取り下げたので裁定委員会は何らそこで新たな作業をしなかった。
なぜドイツが抗議を取り下げたかは直接ドイツチームに聞いてください。

Q--レースの後、各レーンのチームがレフェリーのデスクに押し寄せたという光景が見られた。
最終的なリザルトの確認がどういう手順で行われるかを説明して欲しい。

各選手がゴールします。タッチパッドに触れるということです。そこでスコアーボードに数字が出ます。何か問題があった場合は、バックアップシステムを見るという作業をします。
この作業はシドニーではスイスタイミングが行い、今回はセイコーが作業をしている。現場でテクニカルな作業をしている人々と、裁定委員会は仕事が違います。こうした段階で何もすることはありません。行う仕事が違うのです。

Q--数字が出ない場合などはわかりますが、その他の場合で、何を持って、正しく作動しなかったとするのでしょうか。

ソフトタッチを説明する
 

掲示、タイミングについてはセイコーを使用しています。タイム誤差もトップレベルのものと同様であると判断してる。
ひとつ加えると男子100m自由形のアーヴィン選手のタッチが、ソフトタッチであったということです。
そういう場合はバックアップシステムを使用します。

Q--強い圧力を使わなくても作動するタッチパッドを使用すべきではないでしょうか。

私の理解では、FINAのテクニカルのメンバーがそれぞれの国にどのようにタッチしなければならないかを説明しています。
レースには力が入っているので、タッチがやわらかすぎることはほとんどありません。
しかし、いろいろありますから、そのときはバックアップシステムを利用するわけです。
1.5キロの圧力がかかったときに感応するというものです。

Q--男子4×200のリレーの場合、バックアップビデオは使ったのでしょうか。

すべての要素を検討し裁定をしました。

Q--CASスポーツ仲裁所に申し出ることもあるのできちんと答えてください。

私としてはきちんと答えましたが、あなたの欲しい答えになっていないのではないですか。

Q--掲示システムについて何か変更をする予定はありますか?

私たちは何も変える予定はありません。ただひとつ、これから先FINAは掲示のオフィシャルとしてスイスタイミングと契約しています。

以上で記者会見は打ち切られました。
 

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