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Vol.33「寺内やった!男子ダイビング界初のメダル」
7/24
AM21:47
Reported
By 宮嶋泰子 |
ダイビングほど、一度の失敗で順位が大きく変わってしまう競技も珍しい。
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3M飛び込みの寺内選手
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準決勝を2位で通過し、調子のよさを見せつけた寺内健選手だが、決勝はまた異様な緊張感がある。
6回の決勝ダイビング。
一回毎に順位がめまぐるしく変わる。
関係者はもう息をするのも苦しい表情。
1000分の1の得点をめぐるダイビングの順位争い。
寺内の一瞬の動きとシンクロするように、
大熊アナウンサーの声が最下段まで響き渡る。
観客が振り向くのも気にせず、寺内と一体となって、
言の葉が踊る。
「ああ、もう見ていられない!」
そう言って立ち上がった往年の名選手。
5回目に順位を4番目まで落し、メダルが一瞬かすんで見えたときだった。
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最高の気分です
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当の寺内選手は冷静そのもの。
電光掲示板をしっかり見据え、自分の順位を確認。
自らにプレッシャーを課しながら、
それをはねのけるエネルギーが湧き出てくるのを確認するように
最後のダイブに臨む。
寺内選手の前に中国の選手がミス。
点数が伸びない。
これがラストダイブ。
いつものように冷静な表情。
大臀筋をしっかり締めて、
全体重をかけて板を踏んで・・・
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笑みがこぼれる
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スプラッシュも少ない見事な入水。
ロシアと中国の二強を残して、なんとこの時点で寺内選手はトップに踊り出る。
この瞬間、メダル獲得は確実となった。
中国から帰化したスーエイコーチにかけより、しっかりと抱きかかえられる寺内選手。
長い間飛び込みに携わる者たちが待ち望んだメダルだ。
笑顔でそっと握手をする人々。
でも、まだメダルの色はわからない。
中国選手が寺内の得点を上回り、
更にその得点をロシアのサオーチンが上回って優勝を決める。
飛び板飛び込みの神様、ロシアのサオーチンは、これで世界選手権2連覇。
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解説の金戸差幸さんと大熊アナウンサー
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銅メダルだ。
オリンピックや世界選手権を通じて男子ダイビング選手初ののメダル。
大熊アナウンサーも、最後は涙声。
頬を伝う涙をぬぐおうともせず実況をつづける。
この悲願のメダルに解説の金戸幸さんも、
タオルを手に嗚咽しながらの解説。
中国から日本にやってきたスーエイコーチが小学5年生だった寺内健を教えるようになってから
実に11年目の月日がたっていた。
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おめでとう寺内選手
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プールサイドを駆け回りながら、
スーエイコーチを見上げてはその指示にうなづいていた健ちゃん、
おめでとう!
今日は喜びの第一声が聞けて本当にうれしかった。
そして、あんまりしっかりした答えだったので、ちょっと戸惑った。
それは世界のトップに入った選手の答えだった。
しっかりと時は刻まれ、その変化は見るものにめまいを起こさせた。
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