Vol.19「シンクロ・チーム決勝」
7/21 PM18:45 ReportedBy宮嶋泰子

シンクロのチーム演技は見ていて実に楽しいものです。
今日の決勝に残ったのは12チーム

演技順は・・・

1スイス、2ギリシャ、3ブラジル、4ウクライナ、5スペイン6イタリア、7中国、8フランス、9米国、10日本、11カナダ、12ロシア

スイス、ギリシャ、ウクライナとで出だしから華やかな演技が続きました。ロシアのコーチが教えている国です。
ロシア風の演技デザイン、構成は人気が高いようですね。
そして、衣装に金や黒、グリーン等を取り合わせるのがとても上手なのです。そのあざやかさ。

ウクライナはリフトがふんだんに入り、美しさも格別です。
スペインはフラメンコのリズムに乗ってまるで強くステップを踏むかのような力強い動き。
イタリアも去年までロシアのコーチが教えていました。次々に隊形が変化していきます。
とてもスレンダーでほとんど同じ体型の選手をそろえたのは中国。アクロバティックなリフトを入れてきました。
少し残念だったのが、シンクロが盛んなフランス。ダンスの変遷を見せてくれましたが、こなしきれていなかったようです。
中国の龍をイメージして、東洋的な雰囲気で戦ったのが米国。

日本の「侍」の演技!
 

そして10番目に登場した新生日本チーム。もち点では2位につけています。

動きの一つ一つから力があふれます。力みすぎたのか、陸上動作で一瞬ふらつきますが、その後よくまとめてきます。
蹴り上げのリフトも成功!
若さを爆発させて、観客を引き込みます。

得点は・・・・

TM 9.9 9.7 9.8 9.8 9.7
AI 9.8 9.9 9.9 9.9 10

続いてカナダが登場。
炎のランナーの曲で、オリンピックをテーマにさまざまなスポーツを演じて見せます。

日本のパントマイムにも似た見ていて楽しいルーティーン。

TM 9.7 9.8 9.7 9.7 9.8
AI 9.6 9.8 10 9.8 9.9

そして最後に登場したのが、ロシア。もち点ではトップです。
なんとしても世界一の座を死守するこが大命題。

最後のリフトでよれてしまいますが、こちらも気迫で演じきります。

得点は・・・・

TM 9.9 10 9.9 9.7 9.9
AI 9.8 10 9.9 10 10

新生ロシアと新生日本の戦いは、ロシアに軍配が上がりました。
それにしても、日本は本当によくここまできたと思います。

ジャッジ構成です。

TM 1日本、2ロシア、3スイス、4オーストラリア、5カナダ
AI  1米国、 2フランス 3スペイン 4イタリア 5ブラジル

さあ、それではお待ちかね。
辛口評論のソウル五輪銅メダリスト田中ウルヴェ京さんにご登場願いましょう。

銀メダルといってもいろいろな銀がありますね。。
アトランタの銅はロシアからどうにか逃げてとったとった銅メダル。
シドニーはそこから積み重ねてとった銀メダル。
今回は勢いでとった銀メダル。

メダルの色でその選手たちの力や価値を図れないことを今回は痛感させられました。
採点競技である限り、結果は相対的なもので絶対的なものではないのです。

今回の銀メダルはシドニーの銀メダルとは違います。
選手たちにはまだまだやるべきことがたくさんあります。
それを肝に銘じてこれから3年後を目指していって欲しいと思います。

本当に日本チームはよくここまで心をひとつに、気迫のこもった演技をしました。
その雰囲気を作ってきたスタッフ、特にとに友松コーチには最大限の敬意を表したい。
この銀メダルをもっともっと磨いて次の輝くメダルにつなげて欲しいですね。

辛口の中にもやさしさがにじみ出るコメントでした。

さて、協議終了後行われた記者会見の模様です。

 
ロシア
ハシャノフ: ベストを出すことができて幸せです。この日のために長い間努力してきました。コーチに感謝したい。

日本の後で演技をしたわけだが、実は前に演技をした国の点数を知らなかった。自分たちの演技の準備に集中していた。

ポクロフスカヤコーチ:
優勝した平均年齢19歳のロシアチーム
 
すべての人に感謝したい。みんなが応援してくれた。今日ここで国際デビューをする若い選手たち、それも五輪で使ったプログラムでなので、大変心配した。

この結果が出て大変ほっとした。

シドニーの時と同じプログラムであるが、五輪のチームは年も上ですし、経験もつんでいた。前のチームの響きがあった。今回の若いチームはきびきび動いて若々しかった。どちらがいいということはできない。以前の魔女が暗い沼地に住む魔女ならば、今回の魔女は少し明るいところに出てきたわけだ。禿山の一夜の魔女が若返ったということだ。

今のロシアはブルスニキナ以外はすべて新人。
ここまで子供を大人へと変身させるのが大変だった。ただ、皆同じジェネレーションなので、扱い易い面もあった。コーチの言うことを聞くようにトレーニングをするのは比較的たやすかった。
 

 
日本
巽樹里: 持っている力を出すことができて幸せ。多くの人に迷惑をかけたが本当に感謝している。今日は友松コーチの誕生日なので、以前から何をプレゼントしようか考えていた。一番のプレゼントは私たちがいい演技をすることなので、それを思って今日に臨んだ。
 
友松コーチ:
演技を終えた直後の選手たち
 

 たくさんのスタッフに囲まれてここまでやってこれた。感謝したい。

予選も今日の決勝も選手たちが十二分に持てる力を発揮したと思う。どちらがどうというものではない。

五輪の翌年なので、われこそはひとつでも前にと思っている国ばかり。 その中で精一杯できることをしてきた。

3年後のことなどピントこない。他国のビデオも見ていないので、後でゆっくりビデオを見たい。

若いことのメリットは・・・ほとんどの選手がジュニアの頃から見てきた選手だったので、その子達に、私のエネルギーとパワーなど、心で引っ張っていこうと思っていた。

福岡に入る前にいい演技が何回か出たので、この力が出れば銀メダルが取れるとは思っていた。
 

 
カナダ
キャスリー・ガルソー: エネルギッシュな演技をしたいと思っていたがそれができてとてもうれしい。
クロクソンコーチ: この6日間は大変な日々だったが、いい結果を出すことができてうれしい。9人のうち5人が新しいメンバー。シドニーと同じプログラムにしたのは、私たちがこれをとても気に入っているので。そして、新しい選手を訓練しなければならなかったので同じプログラムにした。

大会でこの演技を演じるたびに他のチームのギャップは縮まってきたと思う。
 

それでは今日のチーム決勝の順位です。

優勝ロシア、2位日本、3位カナダ
 
表彰式
1位 ロシア
2位 日本
3位 カナダ
4位 米国
5位 スペイン
6位 イタリア
7位 中国
8位 フランス
9位 ギリシャ
10位 ウクライナ
11位 ブラジル
12位 スイス

今日でシンクロ競技はすべて終了しました。
解説をしてくださった小谷実可子さん、田中ウルヴェ京さん、実況を担当した森下桂吉アナウンサー、大熊英司アナウンサー、萩野志保子アナウンサー、
皆さんお疲れ様でした。
さあ、次は競泳、飛び込みが待っていますよ。
 

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