Vol.15「”ユミメモ.1”日本初のシンクロ金メダル」
7/21 PM8:58 ReportedBy徳永有美
 
デュエット決勝は、満員の観客の
声援を受けて行われた
 
7月11日

18:30から始まるシンクロ決勝に向けて、日本チームの最終練習が17:30から行われました。
実際に本番で使うプールで、本番さながらの演技を行う日本の立花・武田組。
実は、その練習だけで私は鳥肌がたち、ジワッときていました。

というのも二人が共に歩く姿、正面を見据える二人のたたずまいが全て・・・う・・・ん、言うならば細胞までもが全て同じ。

二人ではなく、一人の人間に思えるくらい、それほど二人は一つになっていました。
何と表現したらいいのか。本当に不思議なくらい完璧に見えました。
練習中の水上での会話も、二人に言葉はありませんでした。
身振り手振り、目と目だけでALLOK。全てを分かり合えている二人。
・・・あぁ、私のこのドキドキをどうしたらいの!?

―――会場全体が緊張で張り裂けそうなくらい、立花・武田組への期待は高まっていました。
そんな中、二人の演技は始まります。
驚きは陸上動作から。
二人がプールに飛び込む瞬間、二人の体の曲がり具合、太ももに見られる筋肉の筋の見え方、全てが同じだったのです。
「あっ。これはイケる。」そう思わずにはいられませんでした。
パントマイムという斬新な演技。どのデュエットよりも近い二人の距離。高い同調性。そして、自信に満ち溢れた表情の豊かさ。
鼓動が高まりつつも、どこか誇らしい気持ちで演技を見ました。

金メダル獲得の立花・武田組
 
銀メダルのロシアデュエット
 

日本初のシンクロ金メダル。

試合後、‘世界の頂点に立つために必要だったのは結局何だったのか‘との問いに武田選手はこう言いました。
「創り上げたものを個人で進めるのではなく、皆で一体感をもっていくことの大切さを学んだ。
その一体感とは、立花選手とも、コーチとも、スタッフとも。
今までは、自分のことでいっぱいで、自分の課題・目標しか頭に描けなかった。
でも今回は皆の力の繋がりを感じ、それをパワーに変えていくことができた。」

シンクロ人生、十何年間の積み重ね、苦しみ、余裕と経験がこういう気持ちにさせたのかもしれません。
そして、その延長線で冷静に俯瞰で自分の状態やレースを見ることができた。その時初めて楽しいと感じ、満足のいく演技ができた。

そして、立花選手の顔。
今を切り取れば、満足のいく最高の演技ができたと喜びの笑顔。
しかし、・・・しかし。立花選手のあの控えめな笑顔の奥に「まだ満足はできていないんだ・・」
そんな気持ちの粒を見た気がしました。

ともあれ、ゆっくり休んでください。
立花さん、武田さん、そして力強く皆を引っ張ってきた井村コーチ・・・。

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