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Vol.7「二日目ソロのフリールーティーン、立花3位に後退!残念!」
7/17
PM20:26
ReportedBy宮嶋泰子 |
世界水泳二日目の18時からはソロのフリールーティーン予選がおこなわれました。
世界30カ国から、その国を代表する選手によって演じられるソロ競技。
昨日行われたテクニカルルーティーンと今夜のソロの結果を足して、上位12名が決勝に進むことができるのです。
昨日のテクニカルルーティーンの結果をおさらいしておきましょう・・・。
1位 |
ブルスニキナ |
ロシア |
2位 |
立花美哉 |
日本 |
3位 |
デデュー |
フランス |
4位 |
コズロワ |
米国 |
5位 |
カーバーディアス |
カナダ |
6位 |
メングアル |
スペイン |
7位 |
り エンエン |
中国 |
8位 |
タラシニドー |
ギリシャ |
9位 |
バラン |
イタリア |
10位 |
チェミキナ |
ウクライナ |
11位 |
モンテイロ |
ブラジル |
12位 |
ベルナルドワ |
チェコ |
さあ、この順位が今夜のフリールーティーンでどのように変化するのかに注目が集まりました。
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優雅なポーズのブルスニキナ
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昨日のテクニカルルーティーンでトップにたったロシアのブルスニキナ選手が10番目で登場。
シェヘレザーダの曲に乗って、千夜一夜物語を表現します。
夜ごと夜ごとに物語をつむぎだすことで命を永らえていく運命は、シンクロをすることで日々生活をしている自分の人生と重なっていくというブルスニキナ。
優雅で美しい手の表現は見ているものをうっとりとさせ、ブルスニキナの世界へと引き込んでしまう魔力を持っています。
すでにここ数年ロシアのトップ選手でありながら、国内にベテランのソリストがいたために、世界選手権でソロを演じる機会には恵まれませんでした。
「私のコレクションに足りないものがひとつだけありませす。それが世界選手権のソロの金メダルなのです。」と言い切ったブルスニキナ。
一歩一歩金メダルへと近づいていく演技・・・ラストから直前のV脚技で少し斜めに傾いているミスがあったものの、それすら感じさせない貫禄で演技を終了します。
得点は・・・
TM |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
9.9 |
AI |
9.9 |
9.8 |
10 |
10 |
10 |
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ミックスゾーンから立花選手の演技をチェック
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芸術点で3人の審判が10点を出します。
しかし、インタビューエリアにきたブルスニキナは「技術点で9.9しか出なかったというのは、まだたりないものがあるということなのでしょう。」と冷静なもの。
そのまま新聞記者の待つミックスゾーンへと姿を消しました。
しかし・・・
ブルスニキナを追う日本の立花美哉選手が12番目で登場すると、ミックスゾーンにいたブルスニキナは記者からの質問をさえぎって、テレビモニターに映る立花の演技に視線を注ぎ始めたのです。
微動にしないブルスニキナの4分間。
女王ブルスニキナがこのように他の選手の演技を見るということは本当に珍しいのだそうです。
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演技を終えて井村コーチの元へ
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さて、その立花選手、大きく深呼吸をしてポーズをとります。
大沢みずほさんが、この日のために作曲した曲「プリンセスかぐや」にのってのびのびと演じていきます。
月からのお迎えに「NO!」と答えるかぐや姫。
このテーマは井村コーチが立花選手の人間離れした独特の魅力を十分に生かすために選んだそうです。
立花選手ならば、水の中から生まれたかぐや姫をイルカのように演じることができるはずというのです。
スピンでもう少し高く上がるはずだったところがいつもより低くなってしまったのが残念だったものの、表情も豊かで実に表現豊かな演技を見せてくれました。
得点は・・・
TM |
9.7 |
9.8 |
9.7 |
9.8 |
9.7 |
AI |
9.8 |
9.8 |
9.8 |
9.9 |
9.8 |
「何度やっても緊張しますね。思い切ってやりました。」と立花選手。
ソロの決勝に行く前に、デュエットのフリールーティーン予選があるだけに、
「課題がそれぞれあるので、一つ一つを確実にこなしながらやります。」
とあくまでも謙虚な答えでした。
ちなみに審判団は
TM 1オーストリア、2メキシコ、3英国、4スペイン、5フランス
AI 1チェコ、2米国、3ロシア、4ブラジル、5オランダ
このブルスニキナと立花選手の戦いを見ていたソウル五輪銅メダリストの田中ウルヴェ京さんは、「ブルスニキナは完成品でもうこれ以上伸びないけれど、立花選手は現在進行形で伸びている。
もっともっと長くシンクロをして欲しい。成長中だわ!」と立花選手の成長にただただ驚嘆しておられました。
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デデューの黒猫の演技
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さて、ここでお伝えしておかなければならないのは、フランスのデデューです。
37番目に登場した彼女は陸上動作から他を圧倒していました。私を見なさい!と言わんばかりです。
フリーは黒猫をテーマにしなやかでどこかなぞめいて、それでいてスピード感あふれる演技を見せてくれました。
とにかくすばらしい!
圧倒されました。
私はデデューの演技はブルスニキナを超えているかもしれないと思ったほどです。
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パワー、スピード、滑らかさ、
すべてを備えているデデュー。
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本当に語り継がれるであろう見事な動きと表現。
かつてある国際審判員が
「デデューの演技は次に何をやるか予測できないほど天才的なものがある。準備をしないで軽々と難しい技をやってみせる点において、かつてこれほどまでの選手はいなかった」
と言っていましたが、まさにその天才的パフォーマンスがここ福岡で見事に演じられたわけです。今シーズンデデューの黒猫を見るのは私にとって3回目ですが、今回が一番魅力的でした。完璧でした。
すばらしすぎて声も出ない、そんな状態です。
得点は・・・
TM |
9.8 |
9.8 |
9.8 |
9.8 |
9.8 |
AI |
9.7 |
9.9 |
9.9 |
9.8 |
9.9 |
そして、この得点が出た段階でデデューが2位に踊り出て、立花選手惜しくも3位になってしまったのです。
デデューはすばらしかったけれど、立花選手のランクが下がってしまったのはちょっとショック。
そうそう、ソロのテクニカルルーティーンとフリールーティーンの予選を終えて決勝に進む12人の選手をご紹介しておきましょう。
1位 |
ブルスニキナ |
ロシア |
2位 |
デデュー |
フランス |
3位 |
立花美哉 |
日本 |
4位 |
コズロワ |
米国 |
5位 |
カーバーディアス |
カナダ |
6位 |
メングアル |
スペイン |
7位 |
リ エンエン |
中国 |
8位 |
バラン |
イタリア |
9位 |
タラシニドー |
ギリシャ |
10位 |
ヤン |
韓国 |
11位 |
シェミヤキナ |
ウクライナ |
12位 |
シュミッド |
スイス |
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小谷実可子さんと、森下アナウンサー
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なお、本日この模様はBS朝日放送で小谷美可子さんの解説、森下桂吉の実況で生放送でお送りしました。
さあ、うずうずしていたシンクロファンの皆様、いよいよテレビ朝日でも中継をごらんいただけますよ。
ソロの決勝はあさって19日、テレビ朝日で19時からお伝えします。
解説、小谷実可子さん、そして実況は金メダル実況アナウンサー森下桂吉でお送りします。
ご期待ください。 |