Vol.3「シンクロのソロ、テクニカルで立花選手2位につける!」
7/16 PM16:04 ReportedBy宮嶋泰子
 
開門と同時に観客が押し寄せたマリンメッセ
 
世界水泳が始まりました。

昨日までは選手たちが練習をしていた会場に、11時の開門と同時にお客さんが入場し、一気に本番モードにかわった福岡のマリンメッセ。

今日は12時からシンクロナイズドスイミングのソロのテクニカルルーティーンが行われました。
30カ国の選手がこのソロに出場し、日本の立花美哉選手は23番目に演技をしました。
立花選手のテクニカルの曲は「炎」で、大阪音楽大学の皆さん40人がこのために合唱してくださったものです。
ドイツ語で歌われる歌詞の原文は立花美哉選手自らが書いた詩です。
小さなともし火が炎になっていくというテーマで、自らの心を表したものです。

井村コーチから最後のアドバイス
を聞く立花選手
 

ソロのテクニカルルーティーンでは、
決められた7つの要素を順番に2分の演技に入れていかなければなりません。
バラクダスピンや、オーロラオープンなどの要素をそれぞれが選んだ曲に合わせて演技をします。

ベトナムのシンクロをはじめたばかりの国の選手からロシアの選手までが同じ要素を演じていくので、
その選手の力がはっきりとわかる、シンクロファンにとっては必見のものです。

このテクニカルルーティーンと、フリールーティンの予選演技の得点を合計して、
上位12名が決勝に進出できることになっています。

今年のソリストはレベルが高いとのこと。
特にトップ6はそれほど力の差がないというのが日本の井村雅代コーチの分析です。
その中でいかに、メダルを確実にしていくかが日本の課題です。
最後の練習のとき井村コーチは立花選手に、
 
「とにかく一つ一つの要素を思い切ってやりなさい。」
 
とアドバイスしました。

そのとおり、炎の曲に乗って一つ一つのエレメントをダイナミックに思い切って演技をした立花選手。
いつもは全体的に無難にまとめてしまう傾向がある立花選手ですが、今日は違いました。
井村コーチもこの点では「よく思い切ってやってくれた。こんな誉め方をすることはめずらしいんですよ。」と破顔一笑。
本当に今日はすばらしかった!!

TM 9.8 9.7 9.8 9.8 9.8
AI 9.8 9.8 9.8 9.7 9.8
 

テクニカルルーティーンでトップに立ったのはロシアのブルスニキナ選手。
立花選手の前に演技をしたブルスニキナは水上のプリマの名のとおりテクニカル要素を軽々とこなしながら見る者を魅了する演技を披露。
技術点で日本の審判が10点を出すなど、その実力を見せ付けました。

TM 9.9 9.9 10.0 9.9 9.9
AI 9.9 9.9 9.9 9.8 9.9
 

ノーズクリップをしないことで知られているフランスのミューズ、ヴェルジニ・デデュー選手は、その技術を遺憾なくみせつけ、立ち泳ぎの高さ、何気なく難しい技に入るつなぎなど、その天才的な演技で我々にため息をつかせました。
しかしとにかく残念!最後のバラクダスピンで斜めに倒れてしまう大失敗。
いつも見てくれているコーチが出産1ヶ月後ということもあり、同行していなかったのが響いたのでしょうか。
がっかりと肩を落として、「フリーでがんばるわ」といって立ち去った姿が印象的でした。

TM 9.7 9.8 9.9 9.7 9.7
AI 9.8 9.9 9.7 9.6 9.7
 

※ちなみに審判構成は以下のとおりです。
TM・テクニカルメリットが、1オーストリア 2カナダ 3日本 4スウェーデン 5スイス
AI・芸術点は、1イタリア 2フランス 3チェコ 4エジプト 5メキシコ

萩野アナと解説者の田中ウルヴェ京さん

なお、本日の競技の模様は生中継でBS朝日で放送されました。解説はソウル五輪のデュエットで銅メダルを獲得した田中ウルヴェ京さん。
担当アナウンサーは森下桂吉、萩野志保子でした。

立花選手は今夜18時から今度はデュエットのテクニカルルーティーンが控えています。
ロシアのロボットをテーマにした18歳コンビとの戦いやいかに。
興味はつきません。

この模様もBS朝日で生中継です。

 
世界水泳の放送スケジュールはこちら
http://www.tv-asahi.co.jp/w-swim/ANB/schedule/schedule_all.html