下平は、試験の時の情報集めはどうしたの? 実は私、もともとテレビ局には入りたかったんですが、特にアナウンサーを目指していたわけではなかったんですよ。だから、自分のゼミの名簿でテレビ局に入っている女性の先輩を調べて話を聞きには行きました。 同じゼミの先輩で、アナウンサーはいなかったの? 男性では1人日本テレビにいらっしゃったんですけど。でも同期にはフジテレビの菊間千乃(アナウンサー)さんがいるんです。彼女はアナウンサースクールにも通って、3年生の時からアナウンサーになるって宣言していたくらいなんで、彼女が色々教えてくれました。自己PR見てもらったり、相談にのってもらったり。でも、彼女がフジテレビに合格してから私が試験を受け始めたので、ライバルというよりも、ちょっと先輩っていうか、お姉さんっていう感じでしたよ。 でも、ゼミの同期でキー局に2人のアナウンサー合格なんて凄いですね。 そうだよな~、下平にとって凄く大きい存在だよね。進藤は? 僕の場合は体育会サッカー部にいたので、ずいぶん上の先輩にはテレビ局に勤務してらっしゃる方はいますけど、アナウンサーはいらっしゃらなくて、セミナーや試験の情報も全く入ってきませんでした。以前からテレビ局で働きたいと思っていたんですが、アナウンサーっていうのは、あまり現実的じゃなかったんですよ。 でも、試験の控え室で初めて知ったらしいけれど、大学の先輩(大熊アナウンサー)がテレビ朝日のアナウンス部にいるということを、それまで知らなかったんだって? いや、あの・・・サッカー部の先輩にはいらっしゃらなかったということで・・・。 まあまあ(笑)。 それで、アナウンサー試験というのは宝くじを買うような気持ちで、当たれば勿論交換しに行くけれども、当たらなければ、別に悔しくもないっていう感じで・・・。ただ、アナウンサーはテレビ局に入る一つの方法だなと。そうしたら、たまたま受かっちゃったんです。 じゃあ、アナウンサーは、受かれば儲けものと。 気持ちの中ではそういったもので。だから、気分的には楽でしたね。 そういう意味では、楽だよね。 いや、全く。おそらく試験を受けていた人もいなかったと思います。実は私の場合は、兄が放送研究会に入っていてアナウンサー試験を受けていたんです。そもそも、それがきっかけなんです。 へぇ~。 それまでは、ゴルフ部で毎日キャディーバッグかついで、毎日汗だくだくで、首の周りにタオルとか巻きながら、普段の大学生活を送っていて、全くアナウンサーっていう選択肢はなかったんです。それで、兄から話を聞いた時に「私にも受けてみる権利もあるんだな」って。 ふ~ん、どんな話? はい。兄から「アナウンサーっていうのは“適職性”だから、例え、落ちたとしても、それは君がアナウンサーっていう仕事に合っていなかったっていうことで、別にもっといい仕事があるかもしれないっていう考え方のもとに、受けてみる価値はあると思う」っていう話をきいて、あっ確かに、受けてみるのは罪じゃないって、それで受け始めて。 素敵なお兄様ね。 で、お兄さんどうだったの? おっこっちゃいました・・・。 適職性だからさ・・・。
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